2018年5月8日、米國(guó)の外交安全保障筋は近く予定されている米朝首脳會(huì)談についてトランプ?金正恩のディール（取引）成立で、東アジアの安全保障に甚大な影響を與えるとの見通しを明らかにした。

トランプ大統(tǒng)領(lǐng)はは北朝鮮との首脳會(huì)談を最大の外交的な成功と誇示することに主眼を置いており、會(huì)談を取りやめたり、開催後途中で打ち切るようなことはしない。

米國(guó)と北朝鮮は（1）北朝鮮に拘留されている3人の米國(guó)市民の帰國(guó)、（2）北朝鮮は長(zhǎng)距離ミサイルと核実験を交渉中は凍結(jié)する、（3）北朝鮮は非核化について議論することに同意し、今後の交渉の進(jìn)め方について、具體的に取り決める―などで合意するだろう。

トランプ氏はこれをさらに進(jìn)めて、北朝鮮の非核化についての明確な約束と引き換えに、朝鮮半島に駐留する米軍の大規(guī)模な削減を提示したいと考えている。トランプ氏はかねてから「韓國(guó)は自らの防衛(wèi)のためのコストを負(fù)擔(dān)する能力を持っており、駐留する米軍は大幅に減らすべきである」と述べている。

ボルトン安全保障擔(dān)當(dāng)大統(tǒng)領(lǐng)補(bǔ)佐官とマティス國(guó)防長(zhǎng)官が朝鮮半島における米軍のプレゼンスを後退させることに反対するとみられるが、トランプ氏は「歴史的な取引が成立した」とアピールして退けるのではないか。

米軍の大幅な削減に加えて、トランプ政権は北朝鮮や中國(guó)がTHAAD（終末高高度防衛(wèi)ミサイル?システム）の停止、撤去も考慮する可能性がある。

このような米國(guó)の軍事的なプレゼンスの後退は、アジアや世界に大きな影響を及ぼすことになろう。特に日本については、在日米軍は北に対して守るとの理由付けがなくなれば、韓國(guó)と同じく、削減する方向になりうる。日本の防衛(wèi)體制や防衛(wèi)予算の抜本的な見直しのほか、核武裝に関する議論を巻き起こすかもしれない。安倍政権は政治的な意思はあっても、財(cái)政赤字下で抜本的な國(guó)防予算の拡大の余地は少ない。

アジアにおける米軍のプレゼンスの希薄化はアジアをこえて中東や歐州にも及ぶ。トランプ氏の大統(tǒng)領(lǐng)選挙キャンペーン中の「世界に展開する米軍を削減して防衛(wèi)負(fù)擔(dān)を同盟國(guó)にシフトする」との公約に沿ったものでせ、中東や歐州でも、韓國(guó)からの大規(guī)模撤退はその一環(huán)と受け止められるだろう。

今後の展開としては、朝鮮戦爭(zhēng)を終結(jié)させる和平協(xié)定、非核化に向けた6カ國(guó)協(xié)議の再開、制裁の段階的な緩和に向けた行程表の策定、場(chǎng)合により北朝鮮に対する開発援助なども考えられる。

トランプ大統(tǒng)領(lǐng)は公的には、北朝鮮が核ミサイル計(jì)畫の放棄に関する目に見える手段をとるまでは圧力は緩めないと強(qiáng)調(diào)するだろう。しかし現(xiàn)実には必要に応じて、金氏に対して何らかのシグナルを送る可能性がある。米國(guó)に先立って文大統(tǒng)領(lǐng)は経済的な支援、人的交流、北朝鮮での経済特區(qū)の再開を約束している。

このように朝鮮半島について、リスクは大幅に低下する方向にある。しかし今後、中長(zhǎng)期にわたる交渉の最終的な結(jié)末においては、従來(lái)の米國(guó)の軍事的なプレゼンスに依存する狀況が大きく変化する中で進(jìn)行することに留意しなければならない。これは日本、韓國(guó)、北朝鮮、中國(guó)など北東アジア全體の安全保障に甚大な影響を與えるだろう。（八牧浩行）