飛行中に操縦室フロントガラスが爆裂、機長が語る極限の緊急著陸―中國

Record China    2018年5月15日(火) 12時50分

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重慶を出発し、チベット自治區(qū)ラサ向かっていた四川航空の旅客機が14日午前、操縦室のフロントガラスが爆裂して吹き飛ぶトラブルを起こし、四川省の成都雙流空港に緊急著陸した。

重慶江北空港を出発し、チベット自治區(qū)のラサ?クンガ空港に向け飛行中だった四川航空の旅客機が14日午前、操縦室のフロントガラスが爆裂して吹き飛ぶトラブルを起こし、四川省の成都雙流空港に緊急著陸した。地元メディアの四川商報は同日、緊急著陸を成功させた機長に取材。極限狀況下での操作の連続だったことが分かった。

事故を起こしたのはエアバス319の3U8633便で、午前6時25分に重慶江北空港を出発し、約3時間のフライトでラサ?クンガ空港に到著する予定だった。高度1萬メートル前後を巡航飛行中に右側(cè)操縦席前のフロントガラスが吹き飛んだ。

操縦室內(nèi)の気圧は地表の約4分の1に低下。室溫も氷點下に低下した。さらに自動裝置が使用不能になるなど極限下での緊急著陸を強いられることになった。以下は成都商報が紹介した劉伝?。ē辚?チュワンジエン)機長とのQ&Aの概要だ。

記者:航空関係者に聞きましたが、非常に難しい著陸だそうですね。

機長:並大抵の難しさではありませんでした。飛行中に操縦室のガラスが爆裂してしまったのですから。まずは減圧です。突然の減圧で、鼓膜がやられました。室內(nèi)溫度も氷點下20?30度に低下しました。あまりにも溫度が下がったのでは、操縦士が凍傷になってしまいます。メーター類を配したボックスもはずれてしまいました。操縦室內(nèi)の騒音は極めて大きく、何も聞こえなくなりました。多くの無線は使えなくなりました。姿勢指示器だけを目視して操縦せざるをえなくなりました。

記者:1萬メートル近くの高度で、酸欠にはなりませんでしたか。

機長:その點は客室と同様で、酸素マスクが自動的に降りてきますから、大きな問題はありませんでした。それから、操縦室と客室は別々に密封されていますから、客席では減圧や室溫降下の問題は発生しませんでした。

記者:離陸は午前6時25分でした。事故が発生した位置と時刻を教えてください。

機長:午前7時過ぎだったと思います。正確には分かりません。成都雙流空港から100キロメートルから150キロメートルの位置でした。

記者:何か前兆はあったのですか。

機長:何もありませんでした。いきなりです?!弗啸?!」という巨大な音と共に、フロントガラスが爆裂しました。隣の操縦席を見ると、副操縦士の上半身がすでに機外に吸い出されていて、窓枠の外にぶらさがっている狀態(tài)でした。安全ベルトをしていたので、(それ以上、吸い出されなくて)よかった。操縦室內(nèi)に置いていたあらゆるものが吹き飛びました。多くの機器が故障しました。騒音が大きくて、無線を聞くこともできません。機體全體が強く震動しました。メーター類もまともに見ることができない。操縦は難しかった。

記者:どのように難しかったのですか。

機長:瞬間的に減圧して低溫狀態(tài)になると、人は耐え難い影響を受け、一つ一つの動作が非常に困難になります。分かりやすく言えば、氷點下45度の冬のハルビンで、時速200キロメートルで自動車を飛ばしていたとします。その時、窓を開けて腕を外に出したとします。その腕で、何ができますか。

記者:緊急事態(tài)発生の信號を出しましたか。

機長:降下を始めた時點で出しました?!钢г虮匾趣筏皮い搿工趣いσ馕钉恰⒐苤皮猡坤い郡い螤顩rを理解してくれるはずの信號です。キーボードを操作して発信しました。

記者:自動裝置が完全に機能しなくなり、メーター類も損傷した。飛行データを得られない狀況で、どのように飛行する方向や著陸する空港の位置などを知ったのですか。

機長:すべて手作業(yè)でした。目視と自分自身の判斷でした。民間航空機には多くの自動裝置がありますが、頼ることはできなくなりました。ただ、私はこの路線を100回飛んでいるので、いろいろなことを熟知していたということは言えます。

記者:著陸に至るまで、自分の身體の狀態(tài)は気になりませんでしたか。

機長:機を安全に著陸させることだけを考えていたので、自分の體について考えるゆとりはありませんでした。減速して高度を急速に下げねばなりませんでした。とてつもない騒音のなかで、自動裝置も助けてくれない。完全に手動で目視に頼り、操縦桿(かん)に込める自分の力だけで、著陸を完成させねばなりませんでした。今、考えてみれば、私の體は震え続けていたはずです。

記者:飛行データによれば、降下を2度に分けていますね。最初は高度3萬2000フィート(約9800メートル)から2萬4000フィート(7300メートル)まで降り、その後に著陸態(tài)勢に入りましたね。どうしてですか。

機長:當初は速度が極めて大きく、(操縦室內(nèi)の)騒音も極めて大きかった。まずは減速が必要でした。直接著陸態(tài)勢に入ったのでは、機體と搭乗者に損害が出る可能性がありました。

記者:事故発生から緊急著陸まで、どのぐらいの時間でしたか。

機長:20分ぐらいだったでしょう。

記者:騒音や溫度低下の訓練も行っていると聞きます。

機長:訓練の初期段階で、練習機を使っての模擬訓練は行います。ただ、今回の事故は高度や速度が全く違っていました。

記者:今朝の天候はどうでしたか。緊急著陸に影響はありましたか。

機長:本當に天候に助けられました。今朝はほとんど雲(yún)もなく、視界は非常に良好でした。雨を伴う雲(yún)があったり、天候不良だったら、どんな結(jié)果になっていたか分かりません。

中國の航空関係者からは、劉機長の対応はじつに見事だったと稱賛の聲が出ている。無線の記録に殘された劉機長の聲も落ち著いており、必要な処置を果敢に続けたことが、緊急著陸を成功させたことに結(jié)びついたとの評価だ。「減圧は體に損傷を與える場合がある。後遺癥が出ないことを望んでいる」との聲も出ているという。(翻訳?編集/如月隼人

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