「萬(wàn)引き家族」がカンヌのパルム?ドールを獲得できた理由とは?―中國(guó)メディア

人民網(wǎng)日本語(yǔ)版    2018年5月21日(月) 18時(shí)30分

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第71回カンヌ國(guó)際映畫祭の最終日となった現(xiàn)地時(shí)間19日、是枝裕和監(jiān)督の新作「萬(wàn)引き家族」が最高賞のパルム?ドールを獲得し、是枝監(jiān)督がスピーチでその喜びを語(yǔ)り、同映畫祭は閉幕した。資料寫真。

第71回カンヌ國(guó)際映畫祭の最終日となった現(xiàn)地時(shí)間19日、是枝裕和監(jiān)督の新作「萬(wàn)引き家族」が最高賞のパルム?ドールを獲得し、是枝監(jiān)督がスピーチでその喜びを語(yǔ)り、同映畫祭は閉幕した。北京日?qǐng)?bào)が伝えた。

「萬(wàn)引き家族」が堂々の最高賞を受賞したことはやや意外な結(jié)果と捉える向きもあったが、ここ十?dāng)?shù)年、是枝監(jiān)督はカンヌ國(guó)際映畫祭の常連客とも言える存在であるばかりか、日本映畫がパルム?ドールを受賞するのもこれで5回目であり、予想外とは言えないとの見方もある。中國(guó)映畫が「海外進(jìn)出」の夢(mèng)の実現(xiàn)に取り組んでいる中、日本映畫の國(guó)際映畫祭における快挙は、中國(guó)にとって、より多く思考をめぐらす事柄であるばかりでなく、多くの希望も與えてくれる。

1962年生まれの是枝監(jiān)督は、95年に映畫監(jiān)督デビューし、瞬く間に自身の作風(fēng)を確立した。その映像は素樸で、「家族」を題材にした作品を得意とし、「平成の小津安二郎」と呼ばれている。

中國(guó)の映畫評(píng)論家?陸支羽(ルー?ジーユー)氏は、是枝監(jiān)督の映畫の特徴について、「溫かさの中に力があり、胸の痛みを感じさせられるにもかかわらず、視聴者に同情を訴えるようなことがない」と評(píng)価する。

是枝監(jiān)督と交流がある中國(guó)の映畫評(píng)論家?沙丹(シャー?ダン)氏は、今や世界的な巨匠となった是枝監(jiān)督の性格について「極めて穏やか」と説明し、「彼の作品と同じく、溫かみがあり、近づきやすく、謙遜な君子でありながら、近所のおじさんのようでもある」と分析する。

実際には、是枝監(jiān)督と聞いて中國(guó)の観客が思い浮かべるのは「蕓術(shù)映畫の監(jiān)督」というイメージだ。今年4月初め、中國(guó)全國(guó)蕓術(shù)映畫放映聯(lián)盟は、是枝監(jiān)督にとって初めてのサスペンスとなった「三度目の殺人」(2017年)を中國(guó)の映畫館で上映したものの、その興行収入は400萬(wàn)元(約7000萬(wàn)円)にも達(dá)しなかった。しかし、沙丹氏によると、「日本での興行収入は10億円を超えた。小津安二郎一監(jiān)督と同じで、是枝監(jiān)督の作品を単に『蕓術(shù)映畫』の枠にとどめておくことはできない。彼の作品は日本では基本的に興行収入が數(shù)十億円に達(dá)する。蕓術(shù)性がありながらも、市場(chǎng)のニーズにもマッチしている」としている。

「萬(wàn)引き家族」も是枝監(jiān)督が得意とする「家族」がテーマだ。同作品を鑑賞した映畫評(píng)論家?桃桃林林(タオタオリンリン)氏は、「近年の是枝監(jiān)督の作品では最も優(yōu)れている。一貫してアットホームな作風(fēng)が保たれながら、代表作『誰(shuí)も知らない』(04年)のころのように、社會(huì)問(wèn)題へもスポットが當(dāng)てられている。溫かみがあり、涙も出る作品だ」と評(píng)価する。また、出演者、特に子役の演技も素晴らしい。

■大賞受賞は歴史や現(xiàn)実とも関係

日本映畫がパルム?ドールを獲得したのは「萬(wàn)引き家族」で5回目となる。是枝監(jiān)督は、黒澤明監(jiān)督と衣笠貞之助監(jiān)督、今村昌平監(jiān)督に続いて同賞を受賞した4人目の日本人監(jiān)督となった。

今回のカンヌ國(guó)際映畫祭のコンペティション部門には、「萬(wàn)引き家族」のほか、濱口竜介監(jiān)督の「寢ても覚めても」もノミネートされていた。近年、日本映畫は、カンヌ國(guó)際映畫祭とベルリン國(guó)際映畫祭、ヴェネツィア國(guó)際映畫祭の世界三大映畫祭で賞を度々受賞している。是枝監(jiān)督の作品を見ると、「誰(shuí)も知らない」の主演の柳楽優(yōu)彌(當(dāng)時(shí)14歳)がカンヌ國(guó)際映畫祭において、史上最年少で最優(yōu)秀主演男優(yōu)賞を獲得した。13年以降は、「そして父になる」、「海街diary」、「萬(wàn)引き家族」と、ほぼ毎年、カンヌ國(guó)際映畫祭やヴェネツィア國(guó)際映畫祭のコンペティション部門にノミネートされている。「そして父になる」は13年、カンヌ國(guó)際映畫祭の審査員賞を獲得した。

「日本映畫が人気となっているのは、そのアートのハイクオリティーと直接関係がある」と沙丹氏。1950?70年代、日本の映畫界は世界映畫の変革期の影響を大きく受け、巨匠も続々と登場(chǎng)。映畫という分野では、アジアを牽引するようになり、アジア映畫の発展に大きく寄與した。沙丹氏は、「パルム?ドールを獲得したことのある衣笠貞之助監(jiān)督や今村昌平監(jiān)督、黒澤明監(jiān)督などは、基本的に60年代に臺(tái)頭した」としている。

90年代中期から映畫監(jiān)督となった是枝監(jiān)督は、小津安二郎監(jiān)督の作品のような日本映畫の溫かみある伝統(tǒng)を引き継ぎながら、臺(tái)灣の侯孝賢(ホウ?シャオシェン)監(jiān)督の影響も強(qiáng)く受け、中國(guó)を始めとする東洋の美學(xué)も盛り込んでいる。そして、そのテーマだけでなく他の面においても、完璧とも言えるほどの完成度で現(xiàn)代の日本の生活感あふれるシーンを切り取り、こうした映畫作品を業(yè)界のトップクラスへと高めたといえるだろう。

しかし沙丹氏は、「日本映畫は世界で大きな賞を受賞しているが、日本國(guó)內(nèi)の映畫産業(yè)の発展は、それほど思わしくない。市場(chǎng)と資本が足かせとなり、今の日本には、ハリウッド式の大作や純商業(yè)映畫がほとんどない。主な流行は、漫畫の映畫化と、現(xiàn)代の都市生活をテーマにした映畫の2つだ」と指摘する。後者が流行しているため、日本の映畫人は、ヒット作を生み出すためにはひたすら創(chuàng)作に専念せざるを得なくなってきている。(提供/人民網(wǎng)日本語(yǔ)版?編集/KN)

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