黃 文葦 2018年5月31日(木) 23時30分
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私はよく本屋さんを巡っている。日本の本屋さんでは、中國関連の本が大きく分けて二種類ある。一つは「三國志」「史記」「水滸伝」といった中國の時代小説。もう一つは、いわゆる「嫌中本」である。寫真は日中の書店。筆者提供。
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私はよく本屋さんを巡っている。日本の本屋さんでは、中國関連の本が大きく分けて二種類ある。一つは「三國志」「史記」「水滸伝」といった中國の時代小説。もう一つは、いわゆる「嫌中本」で、現(xiàn)在の中國の政治?社會を批判するものである。その中でも典型的なものは「中國崩壊論」である。
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中國の本屋さんはどういう狀況になっているだろう。隨分以前から、大型書店では日本人作家の作品が多く並んでいる。大勢の中國人は堂々と日本文化と付き合っているのである。
日本では「嫌中」の本があるので、中國でも「反日」の本があるではないか、と思われるかもしれないが、中國の「反日言論」はほとんどネットのもので、本はほとんど見當(dāng)たらない。そもそも本にまとめる意味がないのだろう。中國の書店の日本文學(xué)コーナーを見ると、現(xiàn)在、中國人が読んでいる日本の本の大部分が「旬の作家」の作品だと分かる。例えば、東野圭吾氏の小説。日本で出版されると、間もなく中國語の訳本も出される。
4月10日、中國メディアによる「中國でよく売れている外國人作家ランキング」が発表された。1位と2位には日本作家の東野圭吾氏と村上春樹氏がランクインした。
特に東野圭吾氏の作品は中國で最もよく売れている。私はかつて中國の友人に「なぜ東野圭吾氏の小説が好きなのか」と聞いたことがある。友人は「今の日本を反映していて、普通の日本人が描かれていて、娯楽性がたっぷりだから」と返答した。
10年前、東野圭吾氏の小説「容疑者Xの獻身」が中國で紹介され、大人気を得た。それ以降、中國でファンが増えている?!溉菀烧遆の獻身」と「ナミヤ雑貨店の奇蹟」はすでに中國で映像化された。
先日、新宿區(qū)にある漱石山房記念館を見學(xué)した時のことだ。同館の管理人さんは「昨年9月に記念館が竣工してから、多くの中國人観光客が來ていますよ。中國語のパンフレットも作りました」と教えてくれた。中國人観光客が漱石山房記念館を訪問していることを中國版ツイッター?微博(ウェイボー)でつぶやいたところ、ネットユーザーから「私は日本旅行で夏目漱石のお墓に行った。そこで數(shù)人の日本の大學(xué)生に出會い、彼らは夏目漱石が中國でも愛されていることを意外だと語っていた。私が読んだ夏目漱石の作品の數(shù)々を挙げると、彼らはびっくりしていた。日本人が想像する以上に、中國人は日本文學(xué)に愛著を持っていると思う」とのコメントが返ってきた。一方で、現(xiàn)在の中國の文學(xué)作品はあまり日本で紹介されていない気がする。もちろん、日本人の好みに合う作品が少ないのかもしれないが。
日本貿(mào)易振興機構(gòu)(ジェトロ)の資料によると、2017年、日本の中國に対する貿(mào)易収支は4億4196萬ドルと、6年ぶりに黒字に転じた。日本の中國に対する「文學(xué)輸出」はこの十?dāng)?shù)年間、ずっと素晴らしい「黒字」である。日本の図書館では、ノーベル文學(xué)賞を受賞した中國人作家?莫言(ばく?げん)の作品のほか、賈平凹(か?へいおう)、閻 連科(えん?れんか)など中國で知名度が高い作家の本は並んでいるが、これからもっと多くの中國の若手作家たちが日本で紹介されてほしいと思っている。
本屋さんの中の「日中関係」を見ると、中國人はファション?音楽?文學(xué)など幅広く日本の「今」に注目している。一方で、日本人は「昔の中國」に愛著を持っている気がする。中國の「今」に違和感を持っている日本人が少なくないだろうか。つまり、現(xiàn)在の中國の政治制度を嫌いになってから、現(xiàn)在の中國事情を知る興味が段々となくなったということだ。
実は、中國人が日本の関連書籍を読む理由は、必ずしも好きだからではない?!溉毡菊摗工蜓芯郡工毪郡帷⑷毡兢韦长趣颏猡盲仍敜筏毪郡幛苏iむ人もいる。私が以前取材した在日中國人留學(xué)生は、おそらく教育の影響で子どものころから日本に「恨み」を持っていた。高校を卒業(yè)した後、「日本人と日本語で論戦すること」を目的に日本にやってきた。日本の大學(xué)に入學(xué)し、たくさんの日本文化の本を読み、その結(jié)果、日本を好きになったという。彼は日本に対し「恨み」から始まり、「愛情」にたどり著いたのだ。
毎年、日本でも中國でも、國民の「対中感情」「対日感情」に関する世論調(diào)査が行われる。そのような世論調(diào)査を見るより、本屋さんで日中関係事情を探り、人々が相手國の文化に対する関心度を分析していくほうが、楽しみながら真相を知ることができるのではないかと思う。
■筆者プロフィール:黃 文葦
在日中國人作家。日中の大學(xué)でマスコミを?qū)煿イ?、両國のマスコミに従事。十?dāng)?shù)年間マスコミの現(xiàn)場を経験した後、2009年から留學(xué)生教育に攜わる仕事に従事。2015年日本のある學(xué)校法人の理事に就任。現(xiàn)在、教育?社會?文化領(lǐng)域の課題を中心に、関連のコラムを執(zhí)筆中。2000年の來日以降、中國語と日本語の言語で執(zhí)筆すること及び両國の「真実」を相手國に伝えることを模索している。
在日中國人作家。日中の大學(xué)でマスコミを?qū)煿イ?、両國のマスコミに従事。十?dāng)?shù)年間マスコミの現(xiàn)場を経験した後、2009年から留學(xué)生教育に攜わる仕事に従事。2015年日本のある學(xué)校法人の理事に就任?,F(xiàn)在、教育?社會?文化領(lǐng)域の課題を中心に、関連のコラムを執(zhí)筆中。2000年の來日以降、中國語と日本語の言語で執(zhí)筆すること及び両國の「真実」を相手國に伝えることを模索している。Facebookはこちら「黃文葦の日中楽話」の登録はこちらから
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