中國(guó)市場(chǎng)に溢れるパクリ問(wèn)題。それは深夜にこっそり裏門(mén)からやってくるものではなく、白晝堂々と正門(mén)から、あるいはどさくさに紛れて足元からやってくる。

【その他の寫(xiě)真】

たとえば、こんな感じである。

（1）工場(chǎng)見(jiàn)學(xué)客の対応を副総経理に任せたら、正門(mén)から入ってきた見(jiàn)學(xué)団體に生産現(xiàn)場(chǎng)の寫(xiě)真を大量に撮影され、設(shè)備機(jī)械メーカー名と型番、原料の種類(lèi)や調(diào)合割合まで尋ねられ、懇切丁寧に説明したところ、部品や製品サンプルまで持ち帰られてしまった。

（2）完璧すぎるほど緻密な製造工程フローを工場(chǎng)設(shè)立時(shí)のフィジビリティ?スタディ報(bào)告書(shū)に詳細(xì)に記載したところ、當(dāng)社とよく似た國(guó)産工場(chǎng)が複數(shù)、地方で操業(yè)開(kāi)始した。

（3）指導(dǎo)技術(shù)の外部委託、中國(guó)?外國(guó)での特許申請(qǐng)を禁止し忘れた技術(shù)指導(dǎo)契約を結(jié)んだところ、知らない間に指導(dǎo)した技術(shù)を第三者に転売され、中國(guó)、海外で彼らが自分の技術(shù)として特許申請(qǐng)までされた。

（4）アクセスが多いという中國(guó)のインターネット?ショッピングモールに出店したところ、知らない間に同じモール內(nèi)で、幾つもの見(jiàn)知らぬ第三者webショップに當(dāng)社のニセモノ、類(lèi)似品が多數(shù)、半額以下の価格で堂々と売り出されていた。

（5）日本人の技術(shù)リーダー、開(kāi)発者が帰任時(shí)、定年退職時(shí)に高額報(bào)酬で現(xiàn)地コンペティター企業(yè)にスカウトされ、美人通訳に連れられて內(nèi)陸部の工場(chǎng)へ行ってしまった。

こんな話(huà)は80年代の昔から日常茶飯事。起きてしまってからでは、もう遅い。

このような脇の甘い対応振りでは、出るところに出ても、それは「もともと貴社が技術(shù)持ち出し制限していなかったことが原因でしょう」と言われ、公開(kāi)技術(shù)と見(jiàn)なされ、訴訟は卻下されてしまう。対策としては、秘密保持規(guī)定を社內(nèi)に制定し、技術(shù)ノウハウ、営業(yè)?顧客情報(bào)管理のコンプライアンス體制を厳正に構(gòu)築し、まず「吾が身は自分で守る」姿勢(shì)を固めることが前提である。

本來(lái)、最大の課題は、そもそも本社自身の自己管理、自己責(zé)任から存在する。

最大のポイントは「何の技術(shù)を海外に出し、何の技術(shù)を日本に殘すか」という本社の技術(shù)戦略課題である。請(qǐng)われるがまま、ボタンを掛け違えた「戦略無(wú)き技術(shù)移転」をスタートさせてしまうと、後々の矛盾は更に拡大し、海外コンペティターを育ててしまい、取り返しのつかない結(jié)果も招きかねない。

日本は生産技術(shù)立國(guó)である。自らの魂（レゾン?デートル）を無(wú)分別に、安易に外部に売り渡す愚も避けたい。外國(guó)企業(yè)の中には、意図的に不完全な技術(shù)を安い価格で中國(guó)に移転して、まず落札?採(cǎi)用させ、あとからメンテナンス、部品供給で大きな利益を得ようとする例も存在する。しかし、その一方で、正直に最初から貴重な技術(shù)を全部出して、買(mǎi)い叩かれた挙句、他企業(yè)?他國(guó)に転売、コピーされ、特許申請(qǐng)されるような羽目に陥ることも愚策である。

日本が世界に誇る技術(shù)である新幹線鉄道車(chē)両を、正當(dāng)な価格で、國(guó)際法に沿った厳格な譲渡契約で、日本の製造メーカーが中國(guó)に売卻あるいは製造技術(shù)提攜したとしても、結(jié)果として中國(guó)鉄道當(dāng)局は「わが國(guó)固有の開(kāi)発技術(shù)である」と主張して譲らず、米國(guó)はじめ諸外國(guó)で中國(guó)の獨(dú)自開(kāi)発技術(shù)として特許申請(qǐng)され、またバングラデシュなど周辺の諸外國(guó)に外交戦略的に技術(shù)売卻されてしまうという結(jié)末になっている。

「そういう國(guó)なのだから、仕方が無(wú)い」、「長(zhǎng)いものには巻かれろ」という無(wú)責(zé)任な姿勢(shì)でいればいるほど、ますます「軒先を貸して母屋を取られる」事態(tài)がこれからも更にエスカレートしていくと覚悟したほうが良い。

少なくとも技術(shù)を提供した者として、自から開(kāi)発し、海外に供與した知的財(cái)産権を脅かす行為に対しては、現(xiàn)地法、國(guó)際條約に沿って厳正に対処するのが開(kāi)発技術(shù)者の責(zé)任であり誇りであると考えるべきだろう。

■日本本社で、「持ち出す技術(shù)」と「持ち出さない技術(shù)」のメリハリをつける。

? 労働集約的な量産技術(shù)など、日本では高コスト化、非効率化した技術(shù)を、資源配分と経済合理性において比較優(yōu)位な海外工場(chǎng)へと、契約にもとづいて合法的にアウトソーシングして適正な開(kāi)発利益を得る

? 日本が得意とする公害防止、環(huán)境保護(hù)、資源リサイクル、省エネルギー技術(shù)の海外発展途上國(guó)への技術(shù)協(xié)力を進(jìn)め、もって地球環(huán)境の保護(hù)、資源確保効率化にも寄與する。

? 日本本社では、次世代の技術(shù)集約的、高付加価値、ハイエンド型の新技術(shù)の研究開(kāi)発に力を注ぎ、將來(lái)の當(dāng)社コア技術(shù)として育成し、実用化することにより力を集中する。

（＜時(shí)流自在＞は筧武雄?チャイナ?インフォメーション21代表によるコラム記事）

＜筧武雄氏プロフィール＞一橋大學(xué)経済學(xué)部卒北京大學(xué)留學(xué)、橫浜銀行北京事務(wù)所初代駐在員、同行アジアデスク長(zhǎng)、海外経済協(xié)力基金(OECF)派遣出向などを経てチャイナ?インフォメーション21を設(shè)立。橫浜國(guó)立大學(xué)経済學(xué)部非常勤講師、神奈川県産業(yè)貿(mào)易振興協(xié)會(huì)國(guó)際ビジネスアドバイザーなど多くの役職を経て、現(xiàn)在も橫浜市企業(yè)経営支援財(cái)団グローバルビジネスエキスパートなど、日本企業(yè)を支援する中國(guó)ビジネスコンサルタントとして活躍中。