中國で野犬問題が深刻=飼い主の遺棄など原因、かまれる人も続出し人民日報(bào)も特集連載

Record China    2018年6月17日(日) 23時30分

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中國では野犬問題が深刻だ。共産黨機(jī)関紙の人民日報(bào)も15日付で、同問題を紹介する特集記事を掲載、今後も掲載を続けるとしてチベット自治區(qū)や北京などの狀況を紹介した。寫真はラサ市內(nèi)の野犬収用所。

中國では野犬問題が深刻だ。主な原因は飼い主の遺棄やはぐれた犬がそのままになってしまうことという。共産黨機(jī)関紙の人民日報(bào)も15日付で、同問題を紹介する特集記事を掲載、今後も掲載を続けるとしてチベット自治區(qū)や北京などの狀況を紹介した。

チベット自治區(qū)は、野犬の多い地區(qū)として知られる。自治區(qū)政府所在地のラサ市當(dāng)局の関係者によると、過去4年間に対策を進(jìn)めたので、野犬にかまれる人は大いに減少したが、それでも今年(2018年)1~5月に犬にかまれて狂犬病の予防接種を受けた人は326人に達(dá)した。多くはチベット自治區(qū)外からの旅行客と言う。

チベットで野犬が増えたのは、放し飼いが一般的で飼い主が不妊手術(shù)を受けさせることもなかったので、人の管理を離れた出産が相次いだからとされる。警察が捕殺を展開しようとしても、住民は協(xié)力的でなかったという。記事は直接觸れていないが、住民に仏教の考えが根づいており、「殺生」を忌避することが、野犬の捕殺に反発する感情に結(jié)びついたと考えられる。

野犬は殘飯をあさるなどで生きており、衛(wèi)生狀態(tài)も劣悪だ。衛(wèi)生當(dāng)局関係者によると、同自治區(qū)では寄生蟲のエキノコックスの多発地區(qū)になっているが、イヌ科の動物が宿主であり汚染源になっているという。

ラサ市では2013年に野犬収用所が設(shè)立され、現(xiàn)在は職員39人が24時間體制で約7000匹を管理している。引き取りを希望する住民も多いが、転売したり放棄してしまう可能性があるとして認(rèn)めていないという。チベットでは民間の野犬収用所も設(shè)立されているが、安定した運(yùn)営資金の確保は難しいという。

北京市や上海市などの大都市でも野犬の問題は深刻だ。各都市では野犬収容所が設(shè)けられている。北京市の場合、捕獲され収用されてから7日以內(nèi)の犬については一般市民の引き取りが認(rèn)められているという。

人民日報(bào)記事は、捕獲されてから収用機(jī)関が7日間を超えた犬の処分については觸れていない。これまでに、インターネットで「7日が経過したら殺処分」とする情報(bào)が出回ったことがあるが、「収容所関係者は、収用能力の限界に達(dá)した場合に長期にわたり収用されている病気の犬を安楽死処分にする場合もある」とする一部報(bào)道もあり、実態(tài)は不明だ。

中國は狂犬病の多発國だ。狂犬病は犬だけでなく哺乳類すべてが感染源になるが、人に身近な動物である點(diǎn)で、犬が大きな脅威であることは間違いない。2017年の政府統(tǒng)計(jì)では、伝染病による死亡者で最も多かったのはエイズによる1萬5251人で、次が各種ウイルス性肝炎の573人、狂犬病は第3位の502人だった。

また、2000年ごろにはチベタンマスチフがブームになり、投機(jī)の対象としてももてはやされると1000萬元と、日本円にして1億円以上で取り引きされた例もあったが、その後に価格が暴落するとチベタンマスチフの野犬が大量に発生したこともあった。

中國の野犬問題は飼い主の道徳心や責(zé)任感、社會全體の性質(zhì)などにも深くかかわっており、早急な改善は相當(dāng)に困難であるようだ。(翻訳?編集/如月隼人

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