中國外交部の耿爽報道官は20日の定例記者會見で出された「中國は北朝鮮に安全保障を提供する準(zhǔn)備があるのか」との質(zhì)問に対して、北朝鮮の安全問題が重要とは強調(diào)したが、自國が今後、北朝鮮の安全を保障する動きに出ることについては言及を避けた。

北朝鮮の金正恩（キム?ジョンウン）朝鮮労働黨委員長は19日に今年（2018年）3度目になる中國入りをした。金委員長は20日に北京市內(nèi)で中國の習(xí)金平國家主席と會談。中國政府は同日中に、會談の様子を紹介する文章を発表した。

文章は、金委員長が100日內(nèi)に3回訪中して習(xí)主席と対話したことについて、習(xí)主席が「中朝ハイレベル交流の新たな歴史を雙方が共に切り開いた」などと高く評価したと記述。さらに、中朝の友好協(xié)力関係に新たな活力が生み出されたとして、「朝鮮半島と北東アジア地區(qū)では、必ずや平和?安定?発展?繁栄を必ずや迎えられるという見通しができた」などと述べたと紹介した。

ただし、両國協(xié)力の具體的分野や道筋については觸れられていない。

外交部の同日記者會見では、「金正恩委員長の訪中期間中、中朝雙方はどのような問題を議論したのか。中國側(cè)は朝鮮半島の非核化実現(xiàn)を支援するのか。だとしたら、具體的にはどのような形式か。たとえば、中國は北朝鮮に安全保障を提供する準(zhǔn)備があるのか」という質(zhì)問が出た。

耿報道官はまず、「中國側(cè)はすでに詳細(xì)な文章を発表している。（その文章を）詳細(xì)に見てほしい」と回答。外交部報道官が直接の言及を避けたい場合にしばしば用いる回答方法だ。

さらに、北朝鮮に対する安全保障については「中國は一貫して、半島の非核化を?qū)g現(xiàn)する場合には、同時に北朝鮮の合理的な安全に対する関心を重視せねばならないと主張してきた。われわれは、各方面がこのチャンスをつかみ、さらに前進(jìn)し、朝鮮側(cè)の合理的な安全に対する関心の問題を解決することを望む」「中國はこの領(lǐng)域で、積極的かつ建設(shè)的な役割りを果たし続けていくことを望んでいる」などと述べた。

耿報道官の発言は、北朝鮮の立場に配慮する必要があるとのこれまでと同様の主張だが、自國が北朝鮮の「後ろ盾」になると明言することは避けた。

中國と北朝鮮は1961年に「中朝友好協(xié)力相互援助條約」を結(jié)んでいる。同條約には「いずれか一方の締約國がいずれかの國又は同盟國家群から武力攻撃を受けて、それにより戦爭狀態(tài)に陥つたとき、他方の締約國は直ちに全力をあげて軍事上その他の援助を與える」との條文がある。つまり同條約は北朝鮮にとって、日本にとっての日米安全保障條約と同様の意義がある。

米中関係が極端に悪化した2017年には、中國國內(nèi)からも「同條約は無効」などとする聲が出た。中國外交部の耿報道官も同年5月2日の定例記者會見では、同條約に盛り込まれた參戦條項についての質(zhì)問に対して明言を避けた。

中國の報道官が北朝鮮との條約に明記されている「義務(wù)」を認(rèn)める発言を避ける背景には、口に出してしまった場合の米國などの過剰な反応を回避する思惑があると考えられる。さらに、北朝鮮の「暴発」に対する懸念が現(xiàn)在も払拭されていない可能性もある。（翻訳?編集/如月隼人）