海南航空などを傘下に持つ海航空集団は4日午後、同集団の王?。ē铳?ジエン）董事長(zhǎng)（會(huì)長(zhǎng)）が出張中のフランスで、転落事故により死亡したと発表した。王會(huì)長(zhǎng)は1961年生まれで57歳だった。

フランス警察によると、王會(huì)長(zhǎng)は南仏プロバンス地方のボニュー村を訪れ寫真撮影をしている際、誤って高さ10メートルほどの壁または崖から転落したという。

王會(huì)長(zhǎng)は天津市出身。1983年に中國(guó)民用航空學(xué)院を卒業(yè)し、中國(guó)中央政府の航空行政部門である中國(guó)民用航空総局に就職。1990年には同局を離れ、海南航空の前身である海南省航空公司の設(shè)立に攜わった。2001には海航集団を設(shè)立し、同集団の最高経営責(zé)任者（CEO）、副會(huì)長(zhǎng)、會(huì)長(zhǎng)を務(wù)めた。

海航空集団は航空運(yùn)輸業(yè)務(wù)を主力とするが、それ以外に空港サービス、ホテル、小売業(yè)、物流、金融など多くの事業(yè)に攜わっている。

同集団傘下の海南航空は、中國(guó)の航空會(huì)社として異色だ。中國(guó)では中央政府系の中國(guó)南方航空、中國(guó)東方航空、中國(guó)國(guó)際航空が「中國(guó)三大航空會(huì)社」とされる。保有する運(yùn)用機(jī)材（航空機(jī)）で見ると、前記三大航空會(huì)社はいずれも400機(jī)臺(tái)～500機(jī)臺(tái)。海南航空は200機(jī)強(qiáng)と半分程度の規(guī)模だ。ただし、三大航空會(huì)社の場(chǎng)合、購(gòu)入を予約している機(jī)材が現(xiàn)保有機(jī)數(shù)の半分程度なのに対し、海南航空は260機(jī)以上と、機(jī)材の倍増計(jì)畫を明確にしている。しかも、予約機(jī)の內(nèi)200機(jī)が、中國(guó)が「大型旅客機(jī)」として開発中のC919であるなど、「チャレンジング」な姿勢(shì)が目立つ。

米誌フォーチューンが発表した2017年版フォーチューン?グローバル500で、海航空集団は前年の353位から順位を大きく上げて170位になった。同ランキングに中國(guó)の他の航空會(huì)社はない。ランキングの近い日本企業(yè)としてはセブン＆アイ?ホールディングス（167位）、東京電力（185位）などがある。

同集団は國(guó)內(nèi)外での企業(yè)買収を積極的に進(jìn)めてきた。しかし、2016年の財(cái)務(wù)報(bào)告では、同年の借入金が2015年末の純資産の152％に上るなど、同集団が極端な「借金體質(zhì)」になっていることが明らかになった。また、中國(guó)當(dāng)局は借入金の適時(shí)開示を行っていなかったとして、同集団を警告処分とした。

同集団はさらに、海外での企業(yè)買収に際し、相手側(cè)に虛偽の資料を提出したり、契約不履行で損害を求められたとして、當(dāng)局の調(diào)査を受けたり訴訟を起こされたりもしている。

王會(huì)長(zhǎng)のグループ內(nèi)での地位は、董事局主席（実質(zhì)的な共同會(huì)長(zhǎng)）で創(chuàng)業(yè)者のひとりである陳峰（チェン?フォン）氏に次ぐナンバー2で、陳?王両氏がそれぞれ株式の14．98％を保有していた。海航集団が猛烈な勢(shì)いで企業(yè)買収を続けたことと、債務(wù)水準(zhǔn)を大幅に上昇させたことに、王會(huì)長(zhǎng)は深くかかわっていたとされる。直接の責(zé)任者の死により、債務(wù)処理などをめぐる同社の混亂がさらに加速するとの見方が出ている。（翻訳?編集/如月隼人）