中國共産黨機(jī)関紙の人民日報(bào)は17日、米トランプ政権の経済政策を改めて非難する記事を掲載した。記事は、米國はかつて、國際貿(mào)易規(guī)則の「設(shè)計(jì)者」だったが、現(xiàn)在は露骨な「破壊者」になったなどと、厳しい見方を示した。

記事はまず、中國政府?商務(wù)部が12日に発表した「聲明」を引用。同聲明は、トランプ米政権が知的財(cái)産権侵害を理由に中國に強(qiáng)力な制裁を科すスーパー301條を適用したこと受けて発表された。中國商務(wù)部は「米國の貿(mào)易戦爭は中國だけに向けられたものでなく、全世界を敵にするもの」などと米國を厳しく批判した。

記事は次に商務(wù)部研究院米州太平洋州研究所の李偉所長の説明を紹介。李所長は、「米國は『アメリカ?ファースト』の旗の下、思うままに（國際的合意の）グループから抜け、四方八方に敵を育てた」などと主張。世界貿(mào)易機(jī)関（WTO）加盟國の多くも米國の措置に反対していると論じた。

中國國際貿(mào)易學(xué)會専門家委員會の李永副主任は、「米國が発動した今回の貿(mào)易戦爭はこれまでの最大規(guī)模。中米間の貿(mào)易戦爭ではなく、全世界範(fàn)囲の貿(mào)易戦爭」との見方を示した。

李永副主任は「歴史が証明している」として、1929年に米國に端を発した世界大恐慌を受けて米國が30年代に実施した貿(mào)易戦爭により、全世界の貿(mào)易は66％萎縮したと説明。貿(mào)易戦爭は人々を傷つけるだけだとして、経済協(xié)力開発機(jī)構(gòu)（OECD）の試算では、米國が関稅率を引き上げたことにより他の國も対抗するので、全世界の貿(mào)易コストが10％上昇し、貿(mào)易量は6％減少したと指摘した。

記事は、改めて李偉所長の言葉を紹介。李所長は米國について、「かつては國際貿(mào)易規(guī)則の『設(shè)計(jì)者』だったが、現(xiàn)在は露骨な『破壊者』になった」として、米トランプ政権の方針を「市場経済の基礎(chǔ)である契約精神に背いているだけでなく、全世界の開放的な貿(mào)易秩序を転覆しつつある」と、厳しく非難した。

記事は、米國國內(nèi)でもトランプ政権の貿(mào)易政策を厳しく批判する聲が上がっていると紹介した。

なお、人民日報(bào)の記事中、李永副主任が論じた「歴史が証明している」とは、30年代に保護(hù)貿(mào)易の帰結(jié)として、主要國が相次いで「ブロック経済」政策を採用したことの結(jié)果を指す。ブロック経済とは英國によるポンド圏、フランスによるフラン圏、さらに米國のドルブロック圏などの、貿(mào)易の「囲い込み」を指す。世界経済がブロックに分割されたことにより、ドイツやイタリア、日本など植民地を持たないまたは少ない國は不況の影響をより深刻に受けることになった。

その結(jié)果、イタリアやドイツではファシスト、ナチス、日本では軍部など、「世界秩序の変更」を求める勢力が臺頭し、第2次世界大戦の大きな原因になったとされる。戦後の自由貿(mào)易體制の構(gòu)築は、戦勝國側(cè)による「ブロック経済への反省」の側(cè)面が強(qiáng)い?，F(xiàn)在の中國（中華人民共和國）は中華民國の後継國として「戦勝國」の立場なので、李永副主任も「戦勝國の失敗が第2次世界大戦の原因をつくった」とまでは言えないが、世界経済が再びブロック化することに強(qiáng)い懸念を持っていることには変わりがない。（翻訳?編集/如月隼人）