中國?甘粛省の空の玄関となる蘭州中川空港は蘭州市中心部から70キロメートル以上も離れており、さすがに現(xiàn)在は高速鉄道で結(jié)ばれ、蘭州西駅から空港まで約30分でアクセス可能だ。空港駅手前の蘭州新區(qū)駅の周辺は國家級(jí)新區(qū)として開発されたのだが、幅が広すぎる道路に走る車はまばらで、住人の気配が感じられないゴーストタウンに見える。蘭州新區(qū)駅の目の前にある撮影所の蘭州新區(qū)西部影視城は2015年から巨額の費(fèi)用をかけて建設(shè)が進(jìn)められているのだが、2018年1月の時(shí)點(diǎn)ではまだ5割程度の完成度といったところだろう。それでもプレオープンということで30元（約510円）を支払い入園すると、北京の天壇や紫禁城の太和殿が現(xiàn)れたが、近寄ってみると裝飾の部分は荒削りだということが判明。

【その他の寫真】

非常に広大な敷地內(nèi)では撮影が行われていたものの、撮影クルーや園內(nèi)スタッフの他には観光客の姿は目撃されず、エサを求めて野犬が筆者に近寄ってきた。同園は映畫、アニメ、ゲーム、レジャーの4大テーマで集客を狙う計(jì)畫もあり、高さ20メートルくらいはありそうな「トランスフォーマー」シリーズのオプティマス?プライムの超巨大ヘッドが設(shè)置され、撮影所の中でも尋常ではないオーラを放っている。ヘッドの前のドーム狀の建物をロボットの胴體として、腕や足となる部分の建物も建設(shè)中で、これだけでも日本のバブル建築を軽く超越しそうな勢(shì)いを感じる。

河北省の撮影所にあったほぼ実物大に再現(xiàn)されたスフィンクス像はエジプト政府を激怒させ、殘念ながら撤去されてしまったが、同園にもスフィンクス像は再現(xiàn)されている。しかも頭頂部には避雷針付きで。中國のネット記事にも「蘭州のスフィンクスがエジプトの許可を取得していることを願(yuàn)う」とコメントされている。さすがに本物のようにスフィンクス像の後ろにピラミッドはなく、甘粛省の荒野が広がっており、雪が積もることもある。丘の上にはパルテノン神殿もそびえ立ち、一通り敷地內(nèi)を観察すると全體的に建設(shè)途中であっても娯楽施設(shè)としてのコンセプトがわからなくなってくる。

中國のテレビを視聴していると毎日のように時(shí)代劇が放映されており、豊富な番組制作費(fèi)用が羨ましいと言いたい。中國各地には撮影所＝影視城があり、一般的に観光地としても機(jī)能している。広大な規(guī)模で作られて集客力の高い施設(shè)も見られるが、筆者は複數(shù)の廃墟化している物件も訪問している。さすがに影視城は供給過剰な観光施設(shè)ではないだろうか？紫禁城の太和殿だけでも同園の他に浙江省の橫店影視城、福建省の同安影視城にも再現(xiàn)されている。蘭州新區(qū)西部影視城の開発計(jì)畫がどのように行われるのか不明だが、周辺がゴーストタウンであることから判斷すると前途多難かもしれない。

■筆者プロフィール：関上武司

1977年の愛知県生まれ。愛知大學(xué)経営學(xué)部卒。中國で留學(xué)や駐在員としての勤務(wù)経験あり。日本や中國のB級(jí)スポットを紹介するブログ?軟體レポートの管理人。中國遊園地の取材で中國の全省、全自治區(qū)、全直轄市へ訪問。會(huì)社員の傍ら、「中國遊園地大図鑑」シリーズを執(zhí)筆し、メールマガジンのロードサイダーズ?ウィークリーにて「ROADSIDE CHINA 中國珍奇遊園地紀(jì)行」を連載中。このほかイベントも開催している。

■筆者プロフィール：関上武司

1977年の愛知県生まれ。愛知大學(xué)経営學(xué)部卒。中國で留學(xué)や駐在員としての勤務(wù)経験あり。日本や中國のB級(jí)スポットを紹介するブログ?軟體レポートの管理人。中國遊園地の取材で中國の全省、全自治區(qū)、全直轄市へ訪問。會(huì)社員の傍ら、「中國遊園地大図鑑」シリーズを執(zhí)筆し、メールマガジンのロードサイダーズ?ウィークリーにて「ROADSIDE CHINA 中國珍奇遊園地紀(jì)行」を連載中。このほかイベントも開催している。

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