八牧浩行 2018年8月12日(日) 8時(shí)20分
拡大
トランプ米大統(tǒng)領(lǐng)と米國の主流派メディアとの対立がさらに激化。米國では分裂が深刻化し、このままでは覇権國家としての凋落が加速するとの予測(cè)が有力となっている。
トランプ米大統(tǒng)領(lǐng)と米國の主流派メディアとの対立がさらに激化している。トランプ氏とその支持者は、明らかに事実とは異なる大統(tǒng)領(lǐng)発言を「オルタネーティブファクト(もう一つの事実)」と決めつける。1日數(shù)回更新されるトランプ氏の公式ツイッターでは事実誤認(rèn)にとどまらず意図的な虛偽報(bào)告やメディア批判が垂れ流されている。
ネットの普及でメディアが多様化し、自分が見たいと思うニュースだけを選んで見るようになった。トランプのコア支持層は大統(tǒng)領(lǐng)の政策や言動(dòng)に盲従し、支持し続ける傾向が強(qiáng)い。
最大の懸念はトランプ政権下で、米國の分裂が深刻化することだ。トランプ氏は「分?jǐn)唷工螂H立たせる手法で大統(tǒng)領(lǐng)選挙に勝った。この成功體験に磨きをかけて大統(tǒng)領(lǐng)再選を目指すが、分?jǐn)啶铀伽?、「憎しみの連鎖」が続くのは確実。その先には大きな悲劇が待っているとの聲も多い。
米國の分?jǐn)啶膝去楗螗渍丐k足する前から始まっていた。2016年の大統(tǒng)領(lǐng)選で政治家でないトランプ氏と民主社會(huì)主義者であるサンダース氏が熱狂的な支持を集めたのは、國民が米國社會(huì)の現(xiàn)狀にノーを突きつけた怒りだった。
トランプ氏とヒラリー氏の選挙戦は「地方に住む低學(xué)歴の白人男性」と「都市に住む高學(xué)歴のリベラル」の爭(zhēng)いだった。民主黨のイデオロギーはより左寄りに向かい、共和黨が右寄りに移ったことで両黨間の乖離が拡大。議會(huì)が連攜して大統(tǒng)領(lǐng)を制御する機(jī)能を失ったこともトランプの獨(dú)走を許している。
トランプ氏の「米國ファースト」という排外的な右翼政策に傾く共和黨に対し、民主黨の活動(dòng)家らは國民皆保険の導(dǎo)入や國による雇用保障などの大膽な政策を要求。不法移民の親子を引き離すことに反発した一部議員は移民稅関捜査局の廃止という過激な政策を提案している。民主社會(huì)主義者を自稱する28歳のオカシオコルテス氏が、ニューヨーク州の民主黨の予備選挙で現(xiàn)職を退け、衝撃が走った。
米調(diào)査會(huì)社「ラスムセン」の世論調(diào)査(6月)によると、「米有権者の3人に1人が、今後5年以內(nèi)に南北戦爭(zhēng)のような『內(nèi)戦』が起きそうだ」と予想。59%が「反トランプ派が過激な暴力に訴えるのでは」と懸念している。
◆メディアとの対立 ニクソン時(shí)代と酷似
トランプ氏は「分?jǐn)唷工趣いΑ敖甘帧堡蛭淦鳏舜蠼y(tǒng)領(lǐng)選に勝利し、2年後に再選を目指すが、このままでは米國內(nèi)の分?jǐn)啶铀伽?、「憎しみの連鎖」が続いてしまう。
米國の政治とメディア事情に詳しい石澤靖治?學(xué)習(xí)院大學(xué)教授はトランプ氏のメディア対応は、ニクソン政権(1969年~1974年)と酷似していると指摘している。大統(tǒng)領(lǐng)がメディアを敵視し権威の失墜を狙って弾圧し、直接情報(bào)発信を多用した點(diǎn)が共通していると分析。ニクソン大統(tǒng)領(lǐng)は在任中、37回も國民向けテレビ演説を行い、不満を抱いていた「サイレント?マジョリティー」に直接、訴えかけた。
これが功を奏する形で、ニクソン氏は72年の大統(tǒng)領(lǐng)選挙で圧勝して再選されたが、その後にウォーターゲート事件に関與したとのニューヨーク?タイムズなどの追及が本格化。74年8月に任期途中での辭任に追い込まれ、メディアに逆襲された。今回のケースでもリベラルメディアによるトランプ氏への反撃の行方が注目されている。
トランプ政権は最大の対外貿(mào)易赤字國である中國だけでなく歐州連合(EU)や日本、カナダなどへの関稅を一方的に引き上げることで、アメリカ自身が生み出してきた自由貿(mào)易體制を崩し始めた。トランプ氏は「自由貿(mào)易體制によって米國は不利益を被っている」と主張、世界全體の利益に背を向ける。自由貿(mào)易體制は民主主義?人権?fù)碜o(hù)などとともに米國の覇権國家としての屋臺(tái)骨を支えてきたが、トランプ氏はこれらをかなぐり捨てようとしている。
◆「Gゼロ」の世界へ
世界をリードする超大國が実質(zhì)的に不在になる「Gゼロ」の世界の到來が、トランプ政権の登場(chǎng)で現(xiàn)実味を帯びてきたが、米國主導(dǎo)の秩序が長(zhǎng)期的に形骸化した後、どんな世界が生まれるかは、まだ當(dāng)分見えてこない。
石澤教授は「米國では分裂が深刻化し、覇権國家としての凋落が加速する」と予想?!该讎戎袊?jìng)い合い、EUがあってインドが絡(luò)み、ロシアが続く多極化が進(jìn)む。日本はどのポジションをとれるか」と分析している。
存在感が薄れつつある日本だが、11カ國による環(huán)太平洋経済連攜協(xié)定(TPP11)や中國やインドなどとの東アジア地域包括的経済連攜(RCEP)交渉をまとめ、米國が多國間の枠組みに復(fù)帰するよう説き続けることが重要だろう。(八牧浩行)
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
この記事のコメントを見る
Record China
2018/7/21
八牧浩行
2018/6/22
2018/6/12
2018/6/4
2018/4/23
ピックアップ
we`re
RecordChina
お問い合わせ
Record China?記事へのご意見?お問い合わせはこちら
業(yè)務(wù)提攜
Record Chinaへの業(yè)務(wù)提攜に関するお問い合わせはこちら
この記事のコメントを見る