中國で3000年以上の歴史を持つとされる「炮製師」という職業(yè)が注目を集めている。伝統(tǒng)的に用いられる生薬を処理する仕事で、インターネットでは「年収100萬元（約1600萬円）で募集している企業(yè)がある」などのうわさもささやかれているという。中國メディアの中國新聞社が1日付で紹介した。

【その他の寫真】

炮製とは、生薬に炒る、煮沸する、酒で洗う、不要部分を除去するなどの手を加えて処理する作業(yè)を指す。春秋戦國時(shí)代（紀(jì)元前770年～同221年）までの醫(yī)學(xué)技術(shù)や思想をまとめたとされる「黃帝內(nèi)経（こうていだいけい）」などにも炮製のためのさまざまな方法が紹介されている。

「史記」によると、炮製の技術(shù)を初めて示したのは、殷の料理人で後に政治家になった伊尹（紀(jì)元前1649年？～同1549年？）で、調(diào)理の方法を応用したという?！甘酚洝工斡浭訾筏い胜?、炮製には3000年以上の歴史があることになる。

中國新聞社は四川省の成都中醫(yī)薬大學(xué)中薬炮製研究室の黃勤挽主任教授の説明を紹介。この製薬作業(yè)は不足していても過剰に施しても薬効などに問題が出てしまう。経験を重ねて技術(shù)を掌握するしかないが、常に臨床の結(jié)果と照らし合わさねばならないという。また、副作用を低減させるためにも炮製は重要な作業(yè)であり、同じ処方でも質(zhì)の高い炮製が施されていれば、よりよい薬効を得ることができる。

しかし、同大學(xué)の許潤春準(zhǔn)教授によると、炮製を?qū)Wぶ學(xué)科はかつて、學(xué)生に人気がなかった。修士課程を終えても、炮製に関連する職を得られる學(xué)生は1割にも満たなかったからという。しかし、最近になり?duì)顩rは大いに変化した。

質(zhì)の低い炮製が存在することを國家が重視し、一般人も炮製のことを知るようになったからという。質(zhì)の高い炮製が施されていることが伝統(tǒng)薬として高い品質(zhì)である條件とされるようになった。そのため數(shù)年ほど前から、炮製を?qū)Wぶことを希望する學(xué)生が大いに増えた。

ただし、インターネットなどの「年収100萬元」の言い方は大げさで、工場で炮製を擔(dān)當(dāng)する一般の労働者の場合、年収は10萬元（約163萬円）、製薬會社での炮製の技術(shù)責(zé)任者なら20萬元（約326円）、技術(shù)力の特に高い専門家の場合には30萬元（約488萬円）前後という。

「年収100萬元」が大げさとしても、多くの人が「炮製」を重視し、「炮製師」という職業(yè)が人気を集めるようになった原因に、中國人が「商品の質(zhì)」や「生活の質(zhì)」の向上を強(qiáng)く求めるようになった社會の流れがあることは間違いない。（翻訳?編集/如月隼人）