2019年7月6日、シンガポール華字紙の聯(lián)合早報(bào)は、近年、中國(guó)世論では日本に対して新たなイメージができているとする記事を掲載した。

記事によると、その新たなイメージとは「生態(tài)環(huán)境が良く、製品品質(zhì)が高くて匠の精神があり、高齢國(guó)家で無欲社會(huì)、二次元と各種のサブカルチャーが流行していて、社會(huì)的ストレスや経済面で困窮しており、科學(xué)技術(shù)研究と高等教育における國(guó)際的な活躍に不足していて、外交力がなく、政治に無関心で、日常生活を重視している」というものだという。

こうした新たなイメージについて、記事は特に3つの點(diǎn)が注目に値すると分析。その1つが「これらのイメージは日本社會(huì)の真実を映し出しており、現(xiàn)代日本を観察する上で重要な切り口となる」こと。半世紀(jì)以上裕福な社會(huì)レベルを保っている日本は、今やポストモダン社會(huì)に入っていると分析した。そして「中國(guó)世論における日本へのイメージの多くは、ポストモダン社會(huì)と密接な関係がある」としている。

その一例が「社會(huì)心理と社會(huì)文化」で、少子高齢化ゆえに経済が成長(zhǎng)せず、社會(huì)は活力に欠け、安定を求めて閉鎖的になると分析。社會(huì)保障や健康、心理問題、貧困化などが日本では顕著となっており、同時(shí)に新たな世代の価値観や精神世界の変化で、日本の「ポストモダン」がより濃厚になっていると論じた。

また、「サブカルチャーの流行は、若い世代の獨(dú)特な精神世界を反映しており、引きこもりやいじめ問題などもポストモダン社會(huì)の日本人の心の問題をよく表している」と分析。そのため、「癒し系と呼ばれる日本のドラマなどは、現(xiàn)代日本を観察する上での重要な窓口となっている」という。記事は、癒し系の流行は「社會(huì)保障の不足や経済成長(zhǎng)が乏しい中で、日本社會(huì)は心理的な焦りや困惑、無力感に対応する必要があるからだ」と論じた。

記事は、日本に対する新たなイメージで注目できる別の點(diǎn)は「日中関係の変化」だと紹介。1990年代以降、日本経済は低迷し、ハイテク技術(shù)の優(yōu)位性が顕著ではなくなり、外交においても振るわないなどの現(xiàn)実に加え、中國(guó)の國(guó)力と民族の自信が高まるにつれ、「中國(guó)人は日本を同じ高さで正視できるようになり、日本発展の問題と限界について、客観的な判斷ができるようになった」という。

また、日本の音楽や映畫、サブカルチャーが中國(guó)でも流行していることや、中國(guó)人が日本の環(huán)境、高品質(zhì)製品、責(zé)任感ある態(tài)度、細(xì)かなサービスなどを高く評(píng)価していることは、日本に対する良いイメージを抱くようになったことを示しており、「戦後の平和と繁栄という日本に対する新たなイメージは、戦爭(zhēng)の恐怖という古いイメージを調(diào)整するものとなっている」と論じた。

そして記事は、「このような変化が起きているので、日本は中國(guó)の臺(tái)頭を正視し、中國(guó)に対する優(yōu)越感や対抗心を捨てるべきで、中國(guó)は現(xiàn)在の有利な狀況を利用して対日外交を展開し、相互安全や相互信頼を築くべきだ」と主張した。

3つ目は「日本に対する新たなイメージは中國(guó)社會(huì)の変化を反映しており、相応の準(zhǔn)備をすべき」ということ。日本の人口問題、環(huán)境問題、貿(mào)易摩擦、製品品質(zhì)、優(yōu)れたサービスなどは、中國(guó)自身が関心を持っている問題でもあり、近年の米中貿(mào)易戦爭(zhēng)や中國(guó)政府が進(jìn)める人口政策などは、日本に対する中國(guó)世論の新たなイメージに対応したものだという。

最後に記事は、「日本のサブカルチャーが中國(guó)で流行する背後には、日中両國(guó)の社會(huì)狀況と新世代の生活スタイルが似てきていることにある。ポストモダンの日本が経験している変化と各種の問題は、中國(guó)にとって參考と警告になっている」と結(jié)んだ。（翻訳?編集/山中）