インド洋の島國のモルディブでは、親中派の現(xiàn)職、ヤミーン大統(tǒng)領(lǐng)が大統(tǒng)領(lǐng)選で敗北し、野黨統(tǒng)一候補(bǔ)のソリ氏が當(dāng)選を決めた。ソリ氏の盟友であり最大野黨のモルディブ民主黨のナシード黨首（元大統(tǒng)領(lǐng)）は選挙戦の勝利を受け「中國とのすべての合意について再検討する」などと発言。一方、中國外交部の耿爽報道官は26日の記者會見でナシード黨首の発言を「無責(zé)任だ」と強(qiáng)く非難するなど、早くも両國の亀裂が目立ち始めた。

ナシード黨首は2015年に反テロ方違反罪で有罪判決を受けたことにより大統(tǒng)領(lǐng)選の立候補(bǔ)が認(rèn)められなかったため、盟友のソリ氏が立候補(bǔ)して當(dāng)選した。

ヤミーン大統(tǒng)領(lǐng)は中國との関係構(gòu)築を積極的に進(jìn)めた。しかし対立陣営から「中國の手先」と強(qiáng)く批判されたことが、選挙戦敗北の大きな原因になったとされている。

ナシード黨首もしばしば、ヤミーン大統(tǒng)領(lǐng)の親中政策を非難。1月にはスリランカで、「（モルディブの）少なくとも16の島を中國の関係者が賃借し、港灣開発やインフラ整備を進(jìn)めている」「これは植民地主義だ」「どの國に対しても、また外國からの直接投資に対しても反対はしないが、自國の主権の放棄には反対する」「モルディブの対外債務(wù)の約8割は中國が占めており、モルディブが返済に行き詰った場合、島やインフラ設(shè)備をさらに中國に引き渡さざるを得なくなる可能性がある」などと発言した。

中國外交部の耿報道官は25日の記者會見では、ソリ氏の當(dāng)選を祝賀し、「モルディブと共に、伝統(tǒng)的な友好を固めていき、相互利益の協(xié)力を深め、両國と両國人民の幸福を築きたいと願っている」と穏便な発言に終始した。

しかし26日の記者會見では、ナシード黨首がインドのメディアの取材を受け「中國とモルディブが行うプロジェクトはビジネスとしてひとつとして成立しない。発展途上國に不可能なプロジェクトを押しつけてはならない」などとして、「中國との合意はすべて再検討する」と主張したことに強(qiáng)く反発。

耿報道官は「中國とモルディブの協(xié)力が成立するかどうか、両國に利益をもたらすかどうか、最終的な発言権は両國の人民にある。個別の人物が否定すべきものでない。私は個別の人物がいつも、このような無責(zé)任な発言をすることを深く遺憾とする。理解できない」と、名指しはしなかったがナシード黨首を強(qiáng)く非難。

その上で、「両國の協(xié)力は平等で自主的に築かれたもので、共に利益を得るという土臺の上に市場の規(guī)則と法律を厳格に順守したものだ。個別の勢力が政治目的により任意に中國の利益を損ねるなら、中國は斷固として反対し、中國資本企業(yè)の合法的な権益を斷固として保護(hù)する」と述べた。

ナシード黨首はモルディブで初めて民主的手続きにより選ばれた大統(tǒng)領(lǐng)として2008年に就任。しかし2012年に職権亂用を理由に刑事裁判所判事の逮捕を命じると野黨などが反対運(yùn)動を展開し、事実上のクーデターにより辭任。15年には判事逮捕を不當(dāng)として反テロ法違反で逮捕され、16年に病気治療を理由として出國を認(rèn)められてからは、海外生活を余儀なくさせられてきた。

耿報道官の発言はナシード黨首との「敵対関係」を表明するものだった。しかし今後の情勢次第では、ナシード黨首が帰國し、何らかの公職または公職に準(zhǔn)じる立場で國內(nèi)活動をする可能性も大いにある。ナシード黨首はこれまでも、中國と対立関係にあるインドとの提攜を主張している。

中國がインド洋への進(jìn)出に力を入れているだけに、中印両大國の確執(zhí)の影響を受け、モルディブの政情が極めて不安定になる可能性も否定できない。（翻訳?編集/如月隼人）