中國(guó)の飛行艇開発は「前途多難」、離著陸に成功したAG600の設(shè)計(jì)責(zé)任者が証言―中國(guó)メディア

Record China    2018年10月23日(火) 0時(shí)0分

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中國(guó)では、開発中の飛行艇「AG600」が20日に初めて離著水に成功したことで、多くのメディアが「お祝いムード」の報(bào)道を展開した。しかし設(shè)計(jì)責(zé)任者らは、解決せねばならない問題が多く、「前途多難」であることを認(rèn)めた。

中國(guó)では、開発中の飛行艇「AG600」が20日に初めて離著水に成功したことで大きな注目を集めた。メディアの報(bào)道も「お祝いムード」だったが、中國(guó)メディアの環(huán)球網(wǎng)は22日、設(shè)計(jì)責(zé)任者などへの取材にもとづき、解決せねばならない問題が多く、「前途は多難」と紹介する記事を発表した。

中國(guó)工業(yè)集団AG600は中國(guó)工業(yè)集団が開発している。記事によると、開発責(zé)任者である黃領(lǐng)才(ホアン?リンツァイ)氏は、20日の初離著水も難度が高かったと説明。飛行場(chǎng)から離著陸する場(chǎng)合と異なり、離著水の場(chǎng)合には波の影響を受け、機(jī)體がピッチングと呼ばれる縦揺れを起こしやすい。

そのため機(jī)體のコントールを失えば、海面をイルカが跳ねるような狀態(tài)になってしまう。黃氏ら設(shè)計(jì)陣は「海豚跳(ハイトゥンティアオ=イルカジャンプ)」と呼んでいるが、最悪の場(chǎng)合には跳ね上がった機(jī)體が次の瞬間に頭から水面に突っ込んでしまう恐れもあるという。

初の離著水で機(jī)長(zhǎng)を務(wù)めた趙生(ジャオ?ション)氏も、操縦は難しかったと説明。陸上の離著陸を、自転車で普通の道路を進(jìn)む感覚とすれば、AG600の離著水は「自転車で氷の上を進(jìn)む」ような感じだったという。操縦にあたっては、精神を極限まで集中し、狀況に反応して各種の操作を極めて迅速に決定し実行せねばならなかったという。

設(shè)計(jì)責(zé)任者である黃氏は、操縦性の問題以外に、水しぶきの処理の問題もあると説明。離著水の際には大量の水しぶきが発生するが、水しぶきを適切に処理できないとエンジンや、場(chǎng)合によっては機(jī)體の構(gòu)造が損傷を受ける場(chǎng)合もあるという。

記事は、AG600を真の「水陸両用全能型」の飛行艇にするためには、多くの技術(shù)上の問題を解決せねばならないと論じた。

記事は一方で、AG600が優(yōu)れた飛行艇になるはずと強(qiáng)調(diào)。例えば、飛行艇の性能で重要な項(xiàng)目のひとつとされる離著水可能な波高の上限だ。黃氏は、AG600は最大2メートルの波でも正常に離著水することが技術(shù)目標(biāo)とされていると紹介し、「世界的に見ても、屈指の數(shù)字」と主張した。

なお、日本の新明和工業(yè)が開発し、2007年から海上自衛(wèi)隊(duì)が運(yùn)用している飛行艇のUS―2は、AG600と競(jìng)合するタイプの飛行艇と考えてよいが、3メートルの波が発生する水面から離著水できる。US―2は1976年に運(yùn)用が始まったUS―1の改良機(jī)と言ってよく、US―1も3メートルの波での離著水が可能だ。

また、AG600は離水時(shí)に1500メートルが必要とされるが、US―2は離水時(shí)は約280メートル、著水時(shí)には330メートルの水路を必要とするだけだ。狹い水域で離著水が可能である點(diǎn)でも、US―2は他の追隨を許さない性能を有している。

航空機(jī)の開発では、初飛行などに成功した後でも、問題點(diǎn)が山積みになっていて當(dāng)たり前だ。古い話ではあるが、戦前に三菱重工業(yè)が開発した零式艦上戦闘機(jī)は海軍に制式採(cǎi)用された後に、設(shè)計(jì)時(shí)に想定されていなかった問題から2度にわたり墜落事故を起こし、操縦士がいずれも殉職している。AG600を開発は前途多難とする黃氏の説明は、技術(shù)者として自然かつ率直な述懐と考えてよいだろう。(翻訳?編集/如月隼人

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