フライメディア 2018年11月5日(月) 12時40分
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武俠(ぶきょう)小説の大家である金庸(きんよう)さんが、香港の病院にて亡くなった。94歳だった。10月30日の晩、SNSでは「金庸逝去」のニュースが流れ、金庸さんの作品や數(shù)々の名言などが次々とUPされ、悲しみの聲が広がった。
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金庸さんの作品は、多くが映畫化され、近年では、「倚天屠龍記(いてんとりゅうき)」や「射雕英雄伝(しゃちょうえいゆうでん)」など、主な作品はすべて日本語に翻訳されているので、耳にしたことがある人もいると思うが、日本では依然として中華圏ほど知名度は高くない。
金庸さんは、世界の中華圏では絶大な人気を誇り、「華人のいるところ、金庸の小説あり」と、中華圏で「金庸」を知らない人はいないとまで言われるほどの有名人なのだ?!附鹩埂工趣いγ挨膝讠螗桐`ムで、古龍(こりゅう)と梁羽生(りょううせい)二人の作家とともに、「新派武俠小説」の御三家と呼ばれている。
日本ではあまり聞き慣れない「武俠」というのは、武術(shù)にたけ、義(正義)をつらぬこうとする精神をもち、またその行動を重んじる人物を描いた小説の総稱。
金庸さんは、歴史的要素の中に超人的な技、個性的で魅力あふれる登場人物、複雑な人間関係などをもりこんだ壯大かつロマンあふれるストーリーを描き、老若男女を問わずとりこにし、圧倒的な支持を集めた。
その作品は「金庸ワールド」とよばれ、武俠小説というジャンルにおいて、獨(dú)自の世界観を確立したといっても過言ではない。こうした獨(dú)特の世界観をつくる彼の作品には、「奧義」や「秘伝書」という欠かせないスパイスがあり、これもまた作品をひきたてる魅力の一つになっている。
これらは、「內(nèi)功(ないこう)」を修行して、その超人的な技や力を身につけるのだが、それがまた物語の進(jìn)行に大きく影響を與えている。この「內(nèi)功」とは、體內(nèi)の気をめぐらせて使うものだが、攻撃や防御のほか、怪我の治療などにもその力を発揮する。また秘剣や名刀などにまつわる由來もおもしろい。
こうした魅力的な作品は、熱烈的なファンをつくり、その登場人物の生き様を分析する、物語の背景となった場所をたどるなど、金庸さんの作品を研究する「金學(xué)」という學(xué)問までうまれている。ちなみに武俠小説で度々出てくる「江湖」とは日本語で、世間一般を指す言葉なのだが、武俠小説では、特定の世界ともいえるし、登場人物が活動する架空の空間などともいえ、かなり曖昧な概念で、さまざまな解釈がある。
SNSでは「江湖永別?。à丹椁薪埂赶壬炎?再無江湖(金庸さんなくして、江湖なし)」という言葉も多く、武俠小説界において、一つの時代の終わりを告げた。
心より金庸さんのご冥福をお祈り致します。(提供/フライメディア)
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