米國のトランプ大統(tǒng)領(lǐng)と中國の習(xí)近平國家主席は11月末、アルゼンチンで開かれる主要20カ國?地域（G20）會議に合わせて會談する。トランプ政権が中國に仕掛けた貿(mào)易戦爭をはじめ、南シナ海問題など両國の対立は「新冷戦」の様相を呈している。首脳會談で緊張緩和の糸口がつかめるかが焦點だ。

トランプ政権は昨年12月、安全保障政策の基本方針を示す「國家安全保障戦略」を公表。この中で中國をロシアと共に自國の権威主義モデルに沿った世界の構(gòu)築を目指す「修正主義國家」と呼び、両國の挑戦に対抗する米國の強(qiáng)い決意を示した。オバマ政権の後半から米國內(nèi)では中國への警戒感が高まっていたが、対決に大きく舵（かじ）を切った。

米國が対中貿(mào)易で抱える巨額の赤字も問題視する。知的財産保護(hù)を理由に、中國からの輸入品に追加の高関稅を課す制裁に3回にわたり踏み切った。対象額は2500億ドル（約27兆5000億円）に達(dá)し、中國からの輸入額の約半分にも積み上がっている。中國も報復(fù)関稅で応酬。出口は見えないままだ。

さらにペンス米副大統(tǒng)領(lǐng)は10月、トランプ政権の中國政策に関して演説。東シナ海や南シナ海などで進(jìn)出姿勢を強(qiáng)める中國を危険視する姿勢を鮮明に打ち出し、「中國はトランプ大統(tǒng)領(lǐng)の米國第一主義を挫折させようとしているが、大統(tǒng)領(lǐng)は決して屈することはない」と強(qiáng)調(diào)した。ペンス米副大統(tǒng)領(lǐng)の演説は、英國のチャーチル元首相が1946年に米ソ冷戦の始まりを「鉄のカーテン」になぞらえた演説を連想させるとして注目を集めた。

米中首脳會談に先立ち、11月初めにはワシントンDCで米中閣僚級による外交?安全保障対話が開かれた。米側(cè)からポンペオ國務(wù)長官、マティス國防長官、中國側(cè)からは楊潔篪?共産黨政治局員、魏鳳和國防相が參加した。

米側(cè)は南シナ海問題のほか、中國が臺灣との國交斷絶を関係國に働きかけている問題や、ウイグル族ら中國國內(nèi)の弾圧の問題を指摘。これに対し、中國側(cè)は激しく反発し、魏國防相がその後の記者會見で「臺灣が中國から分裂しようとするなら、われわれはかつて米國が南北戦爭でしたように、いかなる犠牲を払ってでも祖國統(tǒng)一を維持する」と主張するなど、米中両國の溝の深さが改めて浮き彫りとなった。

中國國営新華社通信によると、習(xí)主席は今月1日、トランプ大統(tǒng)領(lǐng)と電話會談した際、「中米関係の健全で安定した発展を促進(jìn)することを希望する」と呼び掛けた。トランプ大統(tǒng)領(lǐng)は「私たちは幾つかの重大な問題について踏み込んで議論することができる」と応じたとされるが、歐米メディアは「トランプ政権內(nèi)で対中強(qiáng)硬派と穏健派の意見が割れているとみられる」と報道。米中首脳會談の行方に悲観的な見通しを伝えている。（編集/日向）