<コラム?巨象を探る>中國は今後も「成長エンジン」になる―日系流通各社「襲撃」乗り越え拡大計畫

八牧浩行    2012年11月27日(火) 6時23分

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反日デモから2カ月半近くが経過した。日本の中國進出企業(yè)の多くがダメージを受けたが、日系スーパー、コンビニ、牛丼店などは、これを乗り越え、立ち上がりは早い。中國は今後も「成長エンジン」になりうると見て店舗網(wǎng)拡大を計畫している。寫真は中國のユニクロ店舗。

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反日デモから2カ月半近くが経過した。日本の中國進出企業(yè)の多くがダメージを受けたが、日系スーパー、コンビニ、ファーストフードなどは、これを乗り越え、立ち上がりは早い。中國は今後も「成長エンジン」になりうると見て店舗網(wǎng)拡大を計畫している。

その他の寫真

中國山東省青島で暴徒化した反日デモの襲撃を受けたイオングループ「ジャスコ黃島ショッピングセンター」が2012年11月24日、約2カ月ぶりに営業(yè)を全面再開した。襲撃による被害額は7億円余りに上ったが、従業(yè)員約1400人で1人の離職者も出さずに復舊にあたったという。

イオンは香港を含む中國地區(qū)で総合スーパーを36店展開しているが、中國で展開する総合スーパー「ジャスコ」の全店の店名を2013年3月1日付で「イオン」に変更する。併せて地域密著型の事業(yè)を展開。総合スーパーの1店舗あたりの規(guī)模も2倍強に拡大し、消費者の需要の変化に対応して品ぞろえを拡充する。店舗のある地域での清掃ボランティアなど地域密著型の事業(yè)展開にも力を入れる計畫だ。「地域になくてはならない存在」になることが、襲撃などのリスクの軽減につながると判斷したという。

 

イオン中國本社の辻晴芳社長は「襲撃前に比べ20%近く減少した売上高も回復傾向にあり、來客數(shù)は年內(nèi)にも昨年並みに戻りそうだ」と説明?!钢袊攘Φ膜适袌訾扦ⅳ毪长趣藟浃铯辘悉胜?。地域に密著した事業(yè)展開に努める」と語り、中國重視の姿勢を変えないことを強調(diào)した。

▽平和堂が店舗網(wǎng)拡大へ、ローソンは8年後1萬店に

甚大な被害を受けた日系デパートの平和堂も11月中に3店舗とも営業(yè)再開にこぎつけた。10月初旬の2012年3?8月期の決算発表時點では破壊?略奪による損失を約5億円、休業(yè)による損失を約13億円と見積もっていたが、再開前倒しにより休業(yè)による損失は10億円以下に縮小する見込みだ。13年春には4店目となる新店舗を長沙にオープンするほか、2?3年に1店舗の割合で店舗網(wǎng)を拡大する計畫だ。

イオンや平和堂は今回の被害を保険で賄った。デパートでは高島屋が中國に初進出となる大型百貨店を13年末、上海で計畫通り開店する。

 ユニクロを展開するファーストリテイリングも強気の出店を続けている。國慶節(jié)の大型連休前の9月下旬には、北京などで一気に12店を出店。13年8月末までの1年間に中國で新たに80店を出す計畫に変更はないという。柳井正會長兼社長は「中國はリスク以上にチャンスがある。ビジネスを拡大しないわけにはいかない」と指摘。中國は今後も「成長エンジン」になり続ける、と強調(diào)している。同社は1990年代初めから、中國工場に社員を派遣。職人を育成し、縫製技術の向上に努めてきた。店頭に並ぶ商品の75%は中國製。東南アジアにも委託工場を増やしているが、中國製品に比べ縫製レベルが粗く、製造面でも中國抜きのユニクロはあり得ないという。

日系コンビニチェーンの投資計畫も旺盛で、中長期的には、現(xiàn)在約400店舗のローソンが2020年までに1萬店、ファミリーマートは將來的に今の約1千店を4500店まで増やす計畫である。各社が出店を続けるのは、日本國內(nèi)市場が縮小する中で、消費拡大が見込める海外新興市場に活路を求めるしかないからだ。

繊維各社は中國でファッションショーを開き、膨大な中國市場での販売促進に乗り出している。既に旭化成、東レは10月下旬、北京市內(nèi)のホテルで個別にファッションショーを開催、中國人來場者で盛況だった。

 

 ▽13億人市場の魅力は不変

牛丼の吉野家ホールディングス(HD)は中國全土を視野に入れた出店に動いている。華僑系財閥、チャロン?ポカパン(CP)と合弁會社を今年末までに設立する。CPは飼料や食肉加工に加え大型スーパーを70店以上運営し、中國人脈は広く、深い。すでに中國に300店を出す吉野家HD首脳は「13億人市場の魅力は変わらない」と強調(diào)している。

日本と中國は経済面での結びつきが強く、欠かせない相手國だ。中國の2011年の対日輸出額は91年の15倍、対日輸入額も同19倍だ。資本交流も切っても切れないほど進んでいる。日本企業(yè)の対中直接投資は11年に91年の55倍にまで拡大。投資回収はこれからが本番である。

反日デモは緊密な日中の経済関係にも深刻な影を落とした。日中間の緊迫した政治狀況が続けば、リスクを完全に封じることはできそうもない。それでも中國を成長の軸に據(jù)える日本企業(yè)は多い。13億の人口を擁し隣り合う世界第二の経済國家?中國は消費マーケットとしてはまだまだ有望。中國政府や産業(yè)界も「経済交流」を重視する方向である?!傅氐坤摔筏郡郡伺Δ蚓Aければ、道は開ける」と考える日系企業(yè)経営者が増えつつある。

<「コラム?巨象を探る」その22>

<「コラム?巨象を探る」はジャーナリスト八牧浩行(Record China社長?主筆)によるコラム記事。近著に「中國危機―巨大化するチャイナリスクに備えよ」(あさ出版)がある>

■筆者プロフィール:八牧浩行

1971年時事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務取締役編集局長等を歴任。この間、財界、大蔵省、日銀キャップを務めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會見。東京都日中友好協(xié)會特任顧問。時事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。

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