ニュース記事と言っても、さまざまな種類があります。中でも政治?経済?社會(huì)は三大カテゴリーと言ってよいでしょうか。社會(huì)記事の中でも重要なジャンルのひとつが事件記事です。生活する上の「安全情報(bào)」のひとつであるからと理解してよいでしょう。

海外ニュースの場(chǎng)合、事件記事は読者の生活圏外の出來事ということで、國內(nèi)ニュースに比べれば比重は下がります。ただ、相手地域の狀況や雰囲気を知るためには、とても重要な情報(bào)です。その事件記事について回るのが法律用語です。國によって法律體系や用語の意味することが違うのは、海外の事件記事を書く上で、一考を要するところです。

これまで「ニュース中國語事始め」のシリーズでお伝えしているように、中國発のニュースの場(chǎng)合、原語が漢字を用いているということで、なおさらのこと工夫が必要になります。

事件記事では「容疑者はその場(chǎng)で逮捕された」なんて言い回しがよく出てきます。この「逮捕」という法律用語について、まずは日本での使われ方を確認(rèn)しましょう。なお、私は法律の専門家ではありません。あくまでも記事書きとして用語を扱った経験で皆さまにご紹介しております。ですから、細(xì)かい點(diǎn)は、専門家の解説を參照していただくよう、お願(yuàn)い申し上げます。

さて、日本における逮捕ですが、「通常逮捕」「緊急逮捕」「現(xiàn)行犯逮捕」などの種類があります。このうち、通常逮捕とは「事前に裁判官から発付された令狀（逮捕狀）にもとづいて、被疑者を逮捕すること」で、この通常逮捕が「逮捕の本道」とされています。

ただ、実際には、検察関係者や警察職員が「刑又は無期若しくは長(zhǎng)期3年以上の懲役若しくは禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場(chǎng)合」に実行できる緊急逮捕や、「現(xiàn)に罪を行い、又は現(xiàn)に罪を行い終った者を現(xiàn)行犯人」に対して実行できる現(xiàn)行犯逮捕の割合はかなり多いようです。少し古いのですが昭和56年（1981年）版犯罪白書によると、金融機(jī)関強(qiáng)盜犯人の逮捕の種別で、現(xiàn)行犯逮捕は5割を超えています。緊急逮捕と通常逮捕は2割程度です。

ところで、中國にはこの緊急逮捕や現(xiàn)行犯逮捕の制度がありません。中華人民共和國刑事訴訟法によると、「公安機(jī)関（警察）が犯罪嫌疑者の逮捕を要求する場(chǎng)合には、資料や証拠と共に逮捕許可申請(qǐng)書を作成せねばならない。（これらが）同級(jí)の人民検察院に移送されれば、許可のための審査を行う」ことになっています。つまり市の警察が容疑者を逮捕する場(chǎng)合には、市の検察の逮捕許可が必要で、県の警察ならば、県の検察の逮捕許可が必要ということです。

日本と異なり、逮捕を認(rèn)めるのが中立の立場(chǎng)である裁判官ではなく、法律上の責(zé)任を追及する検察であるのですが、いずれにせよ、中國では犯罪容疑者を＜逮捕 dai4bu3＞する場(chǎng)合、公式の書類が必要なわけです。

とはいっても、目の前で犯罪行為が行われていれば、犯人を取り押さえねばならないし、その後の取り調(diào)べも必要です。現(xiàn)行犯でなくても、犯罪の容疑が濃厚な人物は身柄を拘束して取り調(diào)べなどを行わねばならない。そのような場(chǎng)合の身柄の拘束は＜刑事拘留 xing2shi4 ju1liu2＞と呼ばれます。