Record China 2019年1月9日(水) 21時40分
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日本の蕓能界はこれまであまり中國市場を重視しておらず、中國に進出する俳優(yōu)は少なかった。しかし今、その狀況に変化が起きている。寫真は映畫「マンハント」の福山雅治。
中國人は日本のアニメ?映畫が大好きだ。1970年代の高倉健映畫に始まり、スポ根ドラマ「燃えろアタック」、アニメ「ドラえもん」や「スラムダンク」など、どの世代にも夢中になった作品がある。日中関係が微妙な時期も「政治と文化は切り離して考えるべき」との冷靜な意見が聞かれるほど。日本のアイドルや俳優(yōu)のファンも多く、その熱さや情報量は目を見張るものがある。一方、日本の蕓能界はこれまであまり中國市場を重視しておらず、中國に進出する俳優(yōu)は少なかった。しかし今、その狀況に変化が起きている。
■中國で日本作品が続々公開、キーワードは「実寫化」と「リメーク」
中國人の日本アニメ好きはよく知られるところだが、近年は日本の映畫やドラマの中國輸出が増え、人気を集めている。著作権保護意識が希薄だった時代は海賊版やネット上にアップロードされた動畫で日本の作品を見る人が多かったが、大手動畫共有サイトが著作権侵害対策に力を入れ始め、版権ビジネスが盛んになり、また中韓関係悪化による「韓流禁止令」の影響もあり、日本の作品が正規(guī)ルートで大量に中國に入るようになった。2016年ごろから日本映畫が続々と中國で上映されている。
日本ではアニメ?漫畫の実寫映畫化がブームとなっており、中國でも「銀魂」「寄生獣」「DESTINY 鎌倉ものがたり」などが上映された。日本のアニメ?漫畫を見て育った中國人もとっつきやすいのか話題になり、特に「銀魂」は興行収入8143萬元(約13億円)の大ヒットとなった。
また、中國映畫界の最近の特徴として、リメーク作品ブームが挙げられる。東野圭吾の小説が原作の「容疑者Xの獻身」「ナミヤ雑貨店の奇蹟」、夢枕獏の小説「沙門空海唐の國にて鬼と宴す」を巨匠チェン?カイコー監(jiān)督が映畫化した「空海?KU-KAI? 美しき王妃の謎(妖貓伝)」など、日本の人気作家の小説が次々に映畫化された。
高倉健主演の「君よ憤怒の河を渉れ」は1970年代に中國で大ブームを巻き起こしたが、高倉さんの大ファンを公言しているジョン?ウー監(jiān)督がメガホンをとり、福山雅治をW主演の一人に迎え、2017年に「マンハント(追捕)」として公開された。
14年ごろに中國でグルメドキュメンタリー「舌で味わう中國」がヒットしたこともあり、小林薫主演のドラマ「深夜食堂」が注目を集め、日本料理への好奇心と癒し系のストーリーが中國人の心をつかんで大人気に。17年に人気俳優(yōu)のホアン?レイ(黃磊)主演で中國ドラマに生まれ変わった。
しかし、日本の人気文學作品や映畫、漫畫などを原作とする中國映畫?ドラマは続々と登場しているが、リメーク作品はいずれも高い評価が得られていないのが現(xiàn)狀だ。原作ファン狙いの投機目的や、日本文化をそのまま持ち込んだ「完全コピー」、逆に中國化しすぎで「完全リメーク」になってしまっているなど、公開の度に賛否両論が巻き起こっている。
■中國市場を意識するようになった日本の蕓能人
日本作品の中國公開が増えるにつれ、中國版ツイッター?微博(ウェイボー)のアカウントを開設する日本の俳優(yōu)が増えている。19年1月現(xiàn)在のフォロワー數(shù)は、「マンハント」に主演した福山雅治が約439萬人、三浦春馬が約374萬人、「イタズラなKiss」の入江直樹役がきっかけで中國で絶大な人気を誇る古川雄輝が約246萬人、佐藤健が約195萬人、小栗旬が約79萬人、「イタズラなKiss」や「Love Letter」で中國で根強い人気の柏原崇が約53萬人、もともと中華圏で活動していて中國語が堪能なディーン?フジオカが約5萬5000人となっている。最近では志尊淳や竜星涼、新田真剣佑、斎藤工、本田翼なども仲間入りし、著々とフォロワー數(shù)を伸ばしている。
アーティストやアイドルも目立つ。元KAT-TUNの赤西仁は236萬人、18年6月に開設したばかりの山下智久は約65萬人、中國で人気急上昇の片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)は約111萬人、EXILEは約8萬人、YOSHIKIは約17萬人、GACKTは約26萬人となっている。
女性アーティストでは倉木麻衣がダントツの人気で約301萬人。浜崎あゆみが約268萬人、AKB48が約65萬人、乃木坂46が約51萬人、中島美嘉が約16萬人、中國で根強い人気の酒井法子が約12萬人となっている。
なお、中國版ツイッターで一番人気の日本人はセクシー女優(yōu)?タレントの蒼井そらで、フォロワー數(shù)は驚異の1900萬人。ほかには元卓球選手で中國語が堪能な福原愛が約428萬人、モデル?タレントの水原希子が約340萬人となっている。
18年12月22日には木村拓哉がアカウントを開設し、「ついに木村大神(=神)が降臨なさったぞ!」と大きな話題に。19年1月8日現(xiàn)在、開設から18日でフォロワー數(shù)は約64萬人に。また、紅白出場が話題になった米津玄師は中華圏でのコンサート開催に當たり、1月7日にアカウントを開設。わずか1日でフォロワー數(shù)は27萬6000人に上り、最初の自己紹介ツイートには約9500件ものコメントが寄せられている。
日本の蕓能人の微博アカウント開設ラッシュについて、中國のメディア関係者イーダンさんは「中國市場を重視しはじめた証拠」と指摘。また、微博は中華圏で最も影響力のあるSNSのため、宣伝や知名度アップのために利用する日本の蕓能事務所やタレントが増えているのではと話している。
■中國で人気の女優(yōu)はズバリこの人!
中國版ツイッターにアカウントを開設していないが、毎日のように話題に挙がる女優(yōu)がいる。石原さとみと新垣結衣だ。容姿についてのほか、出演するドラマやCM、バラエティー番組での発言などがたびたび話題になり、書き込みが盛り上がっている。前出のメディア関係者イーダンさんによると、この2人は中國人の好みの容姿であることに加え、好感度が高く、人気ドラマに多く出演していることなどから、特に人気が高いという。
同氏によると、水原希子、上戸彩、小栗旬、松本潤、山下智久、古川雄輝なども人気がある。インターネットの発達により、情報が伝わるのが早くなったため、日本で人気のタレントが中國でも人気となることが多く、日中で特に違いはないという。
最近では橋本環(huán)奈や乃木坂46の齋藤飛鳥に関する書き込みが増えており、中國で人気が上昇しているようだ。
■日本人俳優(yōu)が初めて中國で主演
そんな中、ついに日本人が主演を務める中國映畫が登場した。18年12月、綾野剛主演の中國映畫「破陣子」がクランクイン。中國の人気舞臺劇を映畫化した作品で、綾野は南宋時代に中國に流れ著いた日本の貴族を演じる。公開は19年の予定。
05年に高倉健さんがチャン?イーモウ(張蕓謀)監(jiān)督の日中合作映畫「単騎、千里を走る」に主演したが、完全な中國資本の作品に日本人俳優(yōu)が主演するのはこれが初めてとなる。
「破陣子」のクランクインにあたり、綾野剛は中國版ツイッターのアカウントを開設?!附预丹?、こんにちは。綾野剛です。僕のことを『剛子(ガンズ)』と呼んでください。どうぞよろしくお願いします」と流ちょうな中國語で動畫メッセージを寄せた。狙ったのかどうかは定かではないが、「剛子」というダサかわなあだ名も話題となり、早速中國のファンの心をガッチリつかんでいる。
中國の映畫市場は活況で、まもなく米國を抜いて世界最大の市場になることが確実視されている。國産映畫のレベルは飛躍的に向上しており、巨額の制作費をかけた超大作も続々と作られている。ファン?ビンビン(范冰冰)の脫稅騒動で當局が規(guī)制し始めたとはいえ、それでも人気俳優(yōu)の中國映畫1本のギャラは億単位と言われ、日本とは桁違い。このまま日中関係改善が続けば、日本の人気俳優(yōu)の中國進出は今後さらに増えていくだろう。(藤井)
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