今年の世界経済にとって大きなリスク要因は何と言っても米中経済摩擦である。米中の次官級(jí)による通商協(xié)議が9日まで3日間北京で開催され、中國による米國からの農(nóng)産物とエネルギー輸入拡大など多くの點(diǎn)で成果があったようだ。知財(cái)侵害など中國の國策と直結(jié)する「構(gòu)造的な問題」については対立點(diǎn)が殘り、1月中にも開く閣僚級(jí)以上での會(huì)談に委ねられるという。

米中次官級(jí)協(xié)議が順調(diào)に終わり、貿(mào)易摩擦への懸念が後退したため、年末年始に急落していたニューヨーク?ダウ平均株価は反発。投資指標(biāo)面の割安感から、相場の戻りを期待する投資家が増えたようだ。日本、中國をはじめとする世界の株価にも反映されよう。

かつての米ソ冷戦時(shí)代と異なり、米中間には貿(mào)易、投資、サプライチェーン（供給連鎖）などで相互依存が緊密。その他の國の経済も先進(jìn)國から新興國まで影響は甚大である。2018年の米國株は不振で通年で S&P500指數(shù)は6．2%、ダウ平均株価は5．6% 、ナスダック総合指數(shù)は 3．9%それぞれ下落した。株価の上昇を政権の成果と誇示してきたトランプ米大統(tǒng)領(lǐng)にとっては耐えられない事態(tài)ではないか。株式市場の安定化を目指して中國との協(xié)議を急いでいるようだ。

米政府機(jī)関一部閉鎖が3週間以上にわたり、民主、共和両黨のメキシコ國境の壁建設(shè)費(fèi)用の合意へのプレッシャーがかかるトランプ大統(tǒng)領(lǐng)にとっては、中國の譲歩を引き出して中國による米國製品購入と市場開放を勝ち取り、米國內(nèi)にアピールしたいという考えがあるようだ。トランプ氏は「実際に中國と合意するのは、野黨（民主黨）と合意するよりも極めて簡単だ」とし、中國は交渉相手として「とても立派だ」とまで語ったという。

中國の王岐山國家副主席も「米中両國は現(xiàn)実的な協(xié)力を強(qiáng)化、促進(jìn)していく必要がある」とした上で、「大きな進(jìn)展があった」と述べたと報(bào)じられている。2月には習(xí)近平國家主席が訪米しトランプ大統(tǒng)領(lǐng)と手打ちする可能性もあるようだが、2大國のトップ同士の會(huì)談を是非とも実現(xiàn)してほしい。

トランプ大統(tǒng)領(lǐng)による対中関稅引き上げなどの保護(hù)主義的な政策と中國の報(bào)復(fù)措置は、中國経済の減速を招いただけでなく、米國の消費(fèi)者?製品物価の上昇や株価急落、大豆など農(nóng)産物価格の急落などの形で跳ね返り、米経済にも深刻な打撃を與えている。

ただ底流で米中の対立は次代の覇権爭いの様相を呈し、厳しい米中関係が続くと見る識(shí)者も多い。トランプ政権內(nèi)では強(qiáng)硬派と協(xié)調(diào)派のせめぎ合いが続くことになろう。米國はじめ世界景気に陰りが見え始めている中、さらに米中貿(mào)易摩擦が激化すれば経済が混亂するのは必至だ。このままでは日本をはじめ世界中大きなダメージを被ってしまう。

トランプ氏と習(xí)近平國家主席は2018年12月1日の首脳會(huì)談で、90日間の期限を設(shè)けて交渉を続け、その間は稅率の引き上げを見送ることなどで合意した。中國側(cè)はその後、首脳の共通認(rèn)識(shí)に従うとして、米國への対抗措置を相次いで緩和している。両國の交渉が期限の2月末までにまとめられることを期待したい。

＜直言篇76＞

■筆者プロフィール：立石信雄

1959年立石電機(jī)販売に入社。1965年立石電機(jī)（現(xiàn)オムロン株式會(huì)社）取締役。1995年代表取締役會(huì)長。2003年相談役。 日本経団連?國際労働委員長、海外事業(yè)活動(dòng)関連協(xié)議會(huì)(CBCC)會(huì)長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM（Society for Advancement of Management）『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名譽(yù)文化博士。中國?北京大、南開大、上海交通大、復(fù)旦大などの顧問教授や顧問を務(wù)めている。SAM（日本経営近代化協(xié)會(huì)）名譽(yù)會(huì)長。エッセイスト。