北京を訪れる日本人観光客、北京に暮らす日本人在住者たちの多くにとって、現(xiàn)地情報(bào)を集めた「北京ニーハオ」というサイトはなじみに感じるだろう。大規(guī)模な展開はしていないが、日本人の視點(diǎn)から見た、北京の旅や生活に欠かせない情報(bào)が満載されている。中國語ができない観光客に向けては空港送迎、攜帯電話レンタル、それにホテルや鉄道チケットの予約などのサービスが提供されている。また、在住者のためには家庭教師や家政婦、賃貸マンションの紹介など各種サービスを充実させており、高い評判を得ている。

【その他の寫真】

「北京ニーハオ」は2001年、北京で生活する元留學(xué)生の梶原美歌さんが立ち上げたサイトだ。創(chuàng)設(shè)の理由は、自身がかつて留學(xué)生だったころに中國語もままならず、簡単なことすら1人でできず、心細(xì)い思いをしたからだという。だから、北京に來る日本の人たちの気持ちはよく理解できる。彼らが少しでも安心して楽しく旅をしたり生活をしたりしてもらいたいという思いが出発點(diǎn)だった。

京都出身の梶原さんは、高校2年の頃から中國に興味を持ち始めた、大學(xué)時(shí)代は経済學(xué)を?qū)煿?、中國の社?huì)主義市場経済についてもっと知りたいと思い、在學(xué)中に3回もの中國短期留學(xué)を経験した。そして1996年、河北省の地方都市?保定市にある河北大學(xué)に留學(xué)した。ここで彼女にとって重要な人と出會(huì)う。この人物は河北大學(xué)の卒業(yè)生で、コンピューターを?qū)煿イ?、卒業(yè)後は地元の銀行に勤めていた。ある時(shí)、母校の友人を訪ねた際、片言の中國語しか話せなかった在學(xué)中の梶原さんに一目ぼれ、そして2人は強(qiáng)く引かれ合った。しかし、當(dāng)時(shí)の河北大學(xué)には外國留學(xué)生は7人しかおらず、卒業(yè)後の將來にわたって保定市で暮らすには現(xiàn)実には難しいだろうと梶原さんは考えた。すると、彼は銀行の仕事を辭め、あきれかえる親を尻目に北京に出てきた。梶原さんは「とても頼りになる」と感じた。

異國での生活、彼女の両親の心配が大きかったことは想像に難くない。それでも最終的には娘の気持ちを尊重し、結(jié)婚に賛成してくれたという。そして、2人は北京で結(jié)婚生活をスタートした。

當(dāng)初の生活は、決して楽ではなかった。最初に住んだのは粗末なアパート。部屋を掃除するモップの洗い場がキッチンにあり、バスルームはなく、シャワーはトイレの狹い空間に據(jù)えつけてある。正直、カルチャーショックもあった?！袱扦?、2人一緒にいられることがうれしくて、ちっとも苦に感じませんでしたね。そのうち生活も良くなるだろうって、とても楽観的でした。夫は、私が気に入ったカーテンを買ってくれたり、自転車であちこちに連れて行ってくれたりして、幸せな時(shí)間が過ぎていきました」。かつて彼女は現(xiàn)地メディアの取材に対してこう語っている。

その後、夫がコンピューター関連の會(huì)社を立ち上げた。梶原さんも同時(shí)に日本人向けに生活?旅行まわりのサービス會(huì)社をスタート?？鄤氦文?、それぞれの事業(yè)は成功。當(dāng)然、夫婦の生活環(huán)境は大きく変わって、北京五輪のメーンスタジアムとなった「鳥の巣」のすぐそばにあるマンションに住み、五輪開會(huì)式の花火も生で観賞できたそうだ。

サービスを利用するお客は日本人。しかし、サービス提供のための協(xié)力をお願(yuàn)いするパートナーは中國人。梶原さんは、お客に満足してもらえるサービスを目指しながら、それを提供する中國人たちに、日本式の細(xì)やかなサービスの必要性をなかなか理解してもらえず、苦心した。夫にもしばしば、「どうして會(huì)社の利益にならない余計(jì)なことまでするのか」と言われた。しかし、時(shí)が経つにつれ、夫はカスタマーサービスの重要性を理解したようだ。時(shí)おり、部下たちと一緒に手伝いまでしてくれるようになったという。

現(xiàn)在、梶原さんは1歳のお子さんの育児をしながら、引き続き北京ニーハオを通して最新の現(xiàn)地情報(bào)を発信し続けている。これからは中國人をターゲットに、フリープランで日本に旅行する際のお手伝いも提供できたら、と夢を膨らませている。（取材/RR?編集/愛玉）

■梶原美歌

北京旅行生活情報(bào)サイト「北京ニーハオ」運(yùn)営。1971年山口県生まれ。龍谷大學(xué)卒業(yè)。1996年より北京で暮らし始める。自分の好きになった中國?北京をたくさんの日本人に教えてあげたいと2001年にサイトを立ち上げる。97年に中國人のご主人と結(jié)婚、2012年待望の二世誕生、今は北京で子育てに頑張っている。