日本の低欲望社會は中國への警告―中國メディア

人民網(wǎng)日本語版    2019年1月22日(火) 13時(shí)20分

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中國社會が短期間で日本のような低欲望社會に突入することはあり得ないが、低欲望社會のさまざまな癥狀は中國とまったく無関係とはいえない。寫真は中國の若者。

中國社會が短期間で日本のような低欲望社會に突入することはあり得ないが、低欲望社會のさまざまな癥狀は中國とまったく無関係とはいえない。証券時(shí)報(bào)が伝えた。

日本の経営コンサルタント?大前研一氏のベストセラー経済書「低欲望社會 大志なき時(shí)代の新?國富論」は昨年に中國語版が出版され、中國の読者の間で大きな注目を集めた。大前氏は、「日本の長引く不況は需要不振がもたらしたもので、需要不振は社會全體が、特に若者が全般的に低欲望狀態(tài)に陥っていることと関係がある」と指摘した。

大前氏の描き出した日本の低欲望社會の癥狀を、中國人もメディアを通じてある程度は知っていたが、そうなった原因が何なのかはほとんどわかっていなかった。大前氏も、「日本の小説『坂の上の雲(yún)』(司馬遼太郎著)には歐米に追いつき追い越せと奮闘していたかつての時(shí)代の若者たちが描かれている。だが今では大和民族の多くの若者はDNAが変異してしまった」と嘆く。その原因は一體何なのか。この問題を解くには2つのカギがある。1つはバブル経済の崩壊、もう1つは人口減少だ。そして両者の間にはもちろん一定の関係性がある。

バブル時(shí)代の日本社會は明らかに自信に満ち、欲望が渦巻いていた。だが異様な発展ぶりがその後の低欲望社會への急激な移行の下地となった。バルブ時(shí)代、日本人は異様に自信を持ち、巨額の投資を行い、消費(fèi)では目新しさや豊かさを競った。バルブが崩壊すると、実質(zhì)所得の増加率が鈍化し、ついにはマイナスに転じ、名目所得は減少が當(dāng)たり前になり、直線的思考に支配され高額のローンを組んで家を買った家庭には重い債務(wù)がのしかかった。若い世代は両親の世代がローンに苦しむ姿を見て育ち、その過程で心に傷を負(fù)った。そして彼ら新世代が経済活動の中心になった時(shí)には、基本的に消費(fèi)意欲も家を買いたいという欲望も持たなくなっていた。また、日本企業(yè)は年功序列制を?qū)g施してきたが、経済が低迷すると、コスト節(jié)減のためとベテラン社員の既得権益を守るために、若者は派遣労働者ばかりを採用するようになった。派遣の若者の収入はベテラン社員に遠(yuǎn)く及ばず、こうした世代間の不公平さが若者の経済狀態(tài)を上の世代とは比べるべくもないものにした。若者は自信を失い、積極性も消費(fèi)意欲も投資意欲も上の世代より大きく減退することになった。

同時(shí)に出生率が低下し、1970年代中頃には合計(jì)特殊出生率が人口置換水準(zhǔn)の2.1を下回った。先進(jìn)國の出生率は軒並み低下しているが、日本の抱える問題は1990年代にさらに1.5を割り込み、それから有効な回復(fù)の手立てがないことだ。これはバブル経済の崩壊と一定の関係性がある。経済の低迷により子どもを持ちたいという意欲が低下し、人口問題がさらに経済を困難に陥れ、問題の解決はより難しくなっている。

バブル経済崩壊後、日本の政府債務(wù)殘高の対GDP(國內(nèi)総生産)比は急激に上昇し、長らく世界一の座を保ち、現(xiàn)在は250%となり、債務(wù)危機(jī)発生直前のギリシャよりも高い。こうした狀況が、文化的レベルが非常に高く、悩みがちで憂えがちの日本人に、重大な心理的影響を與えないはずがない。長引く不況で日本人は「理性的な予測」をするようになり、多くの人が、政府債務(wù)は最終的に稅収で償還するしかない、政府債務(wù)も個(gè)人の債務(wù)も同じことだからと考える。筆者は、日本の狀況はますます拡大する財(cái)政活性化策が社會を「低欲望社會の罠」から抜け出すよう後押しできないことが重要な原因の1つと考えている。

中國も將來いつの日か低欲望社會に陥るリスクを抱えているのだろうか。

考察してすぐにわかるのは、現(xiàn)在の中國社會はなお積極性に富んでいること、努力して運(yùn)命を変えようとする若者が中心にいることだ。これは中國が今も上昇期にあるためで、日本のようにバブル経済が崩壊し、階層が固定化し、人々が元?dú)荬蚴Гひ庥拖陇工毪趣いΧ坞Aには到達(dá)していないからだ。また、中國社會は日本よりも貧富の差が大きく、社會の発展?fàn)顩rには開きがあり、このことが若者の向上心を刺激する。日本社會にはみな平等で法律の支配が行き渡るからこそ、若者の「人より抜きんでてやろう」とする野心がくじかれるという側(cè)面がある。

低欲望社會が形作られるには2つの條件を満たすことが必要だ。1つは頑張れば運(yùn)命は変えられるという希望をもてないこと。もう1つは頑張らなくても基本的な生活は保障され、凍えたり飢えたりする心配はなく、精神的に大きく追い詰められていないことだ。高欲望社會にも2つの條件がある。1つは頑張れば報(bào)われて、運(yùn)命を変えるチャンスがあること。もう1つは頑張らないと物質(zhì)的にも精神的にもひどく不利な環(huán)境に置かれることだ。

こうした條件を見比べると、中國社會は全體として短期間で低欲望社會に陥る可能性はないと確信できる。ただ低欲望社會の癥狀は中國と完全に無関係とはいえない。じっくり眺めると、低欲望社會の兆しが身近なところに少しずつ現(xiàn)れている。その原因の1つとして住宅が挙げられる。競爭力が平均レベルで、実家からの支援が受けられない若者が、自分の力だけで家を買うことはまず無理だ。また、若者の中には、身近な親戚や友人が思いローンを背負(fù)って生活苦にあえぐ様子を見て、価値観が潛在意識レベルで変化した人もいる。どんなに努力しても身を立て名を立てるという伝統(tǒng)的な理想がかなわないなら、いっそのこと「仏系(仏のように物事に拘泥しない人々を指す)」になって、上の世代とは異なる道を歩み、何にも束縛されないで暮らしを楽しもうと考える。戀愛、結(jié)婚、子どもは物質(zhì)的な問題と強(qiáng)く結(jié)びついていて、実現(xiàn)が難しいので、戀愛も結(jié)婚もしないし子どもももたない。こうした現(xiàn)象は目に見えるだけでなく、一連のデータにも裏付けられている。

日本経済は燃えさかる炎からバブル崩壊へ、盛んな欲望から低欲望へと移り変わった。こうした転換は突然やって來て、転換の速さに人々は首をかしげるが、內(nèi)在する論理は明快だ。バブル時(shí)代に出現(xiàn)した問題がバブル崩壊後に逆映しになってすぐに解決されるということはなく、階層が固定化し全體的な豊かさが基本的に達(dá)成された狀況の中、何かを追い求める強(qiáng)い欲望を持たないのは、特に子どもを持ちたいと思わないのは、若者それぞれが選んだ理性的な選択肢だといえる。

中國の出生率の低下ペースの速さは大きく重視しなければならない。そこに低欲望の要素がないかどうか、じっくり検討する必要がある。低欲望社會の出現(xiàn)を回避したいなら、重要なポイントは、頑張れば未來は開けると若者に思わせることだ。よって不動産価格の問題でも、年金?介護(hù)制度、財(cái)政問題、さらには階層の流動の問題でも、將來性をみすえることが必要だ。少なくとも子や孫の世代への影響は考える必要がある。これが日本の経験から導(dǎo)き出される最も重要な警告だ。(提供/人民網(wǎng)日本語版?編集/KS)

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