<コラム>米朝首脳會談、決裂!お先真っ暗となった金正恩

木口 政樹    2019年3月1日(金) 12時(shí)30分

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米朝首脳會談が合意點(diǎn)を見出せず決裂した。トランプは北の核施設(shè)の全てをリストアップして教えろといい、金正恩は寧辺の核施設(shè)の提出で経済制裁を解除してくれと要求した。ビッグディールを雙方が望み、それが(予想通り)全面衝突して決裂したという格好だ。

2月27日、28日の両日開かれた米朝首脳會談(第二次)が、合意點(diǎn)を見出せず決裂した。結(jié)論的な部分だけ書けば、トランプは北の核施設(shè)の全てをリストアップして教えろといい、金正恩は寧辺(ヨンビョン)の核施設(shè)だけを提出するだけでも経済制裁を全面的に解除してくれと要求した。段階的にちょこちょこと出し合う形式ではなく、それこそビッグディール(莫大な取引)を雙方が各自の視點(diǎn)から望み、それが(予想通り)全面衝突して決裂したという格好だ。

だったら、いままでの2~3か月間、雙方の高級幹部たちが水面下でやってきたミーティングは何の意味があったのかといいたいところだ。いったい何を議論してこの日を迎えたのかと。

結(jié)果だけからみると、高級幹部らがやったことは何もないように見える。次の會談の約束はしていないとトランプは言った。こういう形で決裂するとはちょっと想像をはるかにこえるダメージだ。

トランプはいつも、彼(金正恩)はいいやつですばらしい指導(dǎo)者だという。今回も、決裂後の記者會見でも同じような表現(xiàn)をしている。リップサービスレベルでとらえるしかないのかもしれない。

決裂はしたけれど、今回の會談は筆者としては、しかし意味はあったと思える部分もある。當(dāng)たりさわりのないレベルでお互いの腹のうちをうかがっていたシンガポール會談よりは、具體的に雙方がどういうことを望んでいるかということがはっきりとわかったからだ。

米としては、それこそCVIDつまり、「完全(Complete)かつ検証可能(Verifiable)で不可逆的(Irreversible)な非核化(Denuclearization)」を望んでいるのであり、それ以上でも以下でもないということ。北朝鮮としては、ヨンビョンの核施設(shè)の全てを申告する程度のレベルで全面的な制裁の緩和を頼むということ。

雙方の希望値はわかったけれど、それじゃこれをこれからどうやって解決していくのか。北は、ヨンビョンだけではなくて、いろいろな地點(diǎn)に核施設(shè)(プルトニウム工場や濃縮ウラニウム工場、加えて核弾頭作りの工場など)を保有している。米は衛(wèi)星寫真などを通してかなりの率で把握している模様だ。

きのう2月28日の會談でも、トランプがヨンビョン以外での濃縮ウラニウムのことをちょっと話しただけで金正恩が腰をぬかすほど驚いたというじゃないか。なんでそんなことまでわかってるんだよというわけだ。

金正恩の外交力はどの國の誰にもましてすばらしいものをもっていると思っていたのだけれど、今回の結(jié)果を見て、あまりにも相手方のポイントを摑めていないなあとつくづくと思わされた次第だ。

今後どうなっていくか。金正恩にとっては、前が何も見えなくなったような狀態(tài)じゃないかと筆者には思える。相當(dāng)の自信をもってハノイにやってきたはずだ。65時(shí)間も列車に乗ってやってきたのだ。しかもその一挙手一投足を北の住民に知らせる格好で。今回こそ、ビッグディールに成功してUNの制裁を解き、民衆(zhòng)よお前たちにも楽をさせてやるぞとかなり意気込んでハノイにやってきたはずだ。ヨンビョンの核施設(shè)を100%リストアップし提出してやれば制裁は解いてくれるだろうと期待して。

でもヨンビョンなどは米にとってはすでにほとんどなんの重みもない存在だったんだ。ヨンビョンについてはほとんどわかっているから。それ以外の核施設(shè)のリストを要求していたのだ。

お先真っ暗となった金正恩。今後のやりかたとしては、

1.本當(dāng)のリストを出して、制裁を解いてもらう。

2.噓のリスト(これで全部だといいながら隠し持つスタイル)を提出して第三次の會談を行なう。

3.段階的にやっていこうと提案し、それを米が認(rèn)めるように交渉してゆく。

4.金正日スタイルで、かたくなに核開発をさらに推し進(jìn)めロケットをぶっ放すなどしながら米などに脅威を與える。

1番はほぼ不可能な予測だ。これをやったら北は丸腰となってしまい、いつでも米の攻撃にさらされるし體制の崩壊も時(shí)間の問題となろう。

2番はかなり可能性のある方向性かもしれない。

3番もかなり有力だと筆者には思える。しかし「段階的に」という複雑?煩雑なディールをトランプがうけいれるどうか。これが実現(xiàn)するためには米と北雙方の信頼がなによりも重要なカギとなる。信頼作りのための作業(yè)がまず始められねばならない。

4番は、これもほぼ可能性ゼロだと思う。きょうのトランプの記者會見でも、「金正恩は核開発やロケット飛ばしはもうやらないと言った」と強(qiáng)調(diào)している。4番の線はないと思う。

筆者の頭では今はこの4點(diǎn)くらいしかわからないけれど、ほかの方向性があるかもしれない。金正恩が自暴自棄に陥らないことを祈るだけだ。

どちらにしても、今後の米朝交渉はかなりの泥沼となることは避けられない。でもそうなると一番困るのは北朝鮮だ。今も死活問題なのだから。経済制裁によってこれまでも多くの國が倒れてきたのだ。どこまでがんばるのか。北よ。住民のことを心から愛している金正恩のことだ。このままでずるずると行くとは思えないのだが。ぜんぜん好きではないけれど、金正恩のことが心配になってきた。平壌(ピョンヤン)に無事帰れることを祈る。

■筆者プロフィール:木口 政樹

イザベラ?バードが理想郷と呼んだ山形県?米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結(jié)婚。元三星(サムスン)人力開発院日本語科教授、元白石大學(xué)校教授。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。著書に『おしょうしな韓國』、『アンニョンお隣さん』など。まぐまぐ大賞2016でコラム部門4位に選ばれた。

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