トランプのディールの內(nèi)容がボルトンによって明らかにされた。全ての核施設(shè)はもちろん、生物化學(xué)兵器など大量殺戮兵器も含めては全て除去するということ。これが米國(guó)の要求する「非核化」の定義であったわけだ。

北朝鮮の3月1日真夜中の発表では、ヨンビョンの核施設(shè)を除去するから経済制裁の一部でも解除してくれという要求を北はやったということだったけれど、トランプとボルトンの発表はそれと真っ向から反する內(nèi)容だ。ヨンビョンの核施設(shè)を除去するかわりに全ての制裁を解除してくれと北が要求してきたとトランプは記者會(huì)見(jiàn)で語(yǔ)った。

どちらが事実かはわからないけれど、どちらにしても、米國(guó)の考えている非核化の定義がはっきりしたという點(diǎn)では今回のハノイ會(huì)談、失敗ではないと筆者は思う。首脳會(huì)談にいたるまでの2か月あまりの期間、米および北の高位幹部らがどんな交渉をしてきたのかが非常に疑問(wèn)だけれど、トランプの考える非核化の定義がはっきりしただけでも、なんとなく安心できる感じだ。

これに対して3月5日午前3時(shí)、平壌に帰還した金正恩委員長(zhǎng)が、どのように米との対話をもっていくのか。非常に注目されるところだが、予想がまったくつかない?！弗瑗螗鹰绁螅痢工魏耸┰O(shè)の除去、さらには生物化學(xué)兵器など大量殺戮兵器の除去をトータルで進(jìn)めることがトランプのディールの內(nèi)容だけれど、北がそれに全面的に応じるとはどうしても考えられない。ヨンビョンを除去するかわりに制裁一部解除、その他の核施設(shè)を除去するかわりにさらに制裁一部解除、ICBMを除去するかわりにさらに制裁一部解除、生物化學(xué)兵器を除去するかわりに制裁一部解除、云々と、ちょこちょこと小刻みにシーソーゲームをしていくことだけが北朝鮮としては可能と考えるが、どうだろう。

一発除去をやってしまったら、北は丸腰になってしまって、何の圧力もなくなってしまう。そういう狀況になるとは絶対に考えられない。米との長(zhǎng)い駆け引きゲームがいよいよはじまっていくものと思われる。北はもうこれ以上経済制裁下では立ち行きが危うい狀況である。何とかせねばならぬ。指導(dǎo)者である金正恩の手腕が問(wèn)われるところとなった。

米國(guó)の自由アジア放送（RFA）が報(bào)道したところによれば、「最高尊厳（金正恩）が三日間かけて列車(chē)に乗ってベトナムくんだりまで行って會(huì)談したのに、國(guó)際社會(huì)の前で恥だけかいてきたのではないか」としながら、「我々（北朝鮮）が核とミサイルを最後まであきらめないため、今後、米國(guó)の経済制裁がより強(qiáng)化されるのではないかと懸念する住民が多い」と伝えた模様だ。

戦爭(zhēng)が起きるとすれば、こういう狀況に追い込まれたときに最後のあがきとして戦爭(zhēng)が起きるのかもしれない。日本の真珠灣攻撃も、同じようににっちもさっちもいかない狀況に追い込まれた日本が最後の活路を見(jiàn)い出すべく仕掛けたものだったと筆者は理解している。北が戦爭(zhēng)のボタンを押さないことを祈るばかりだ。

ところで、北が核を作り、核にこだわり続ける理由を見(jiàn)てみたい。1950年6月25日に開(kāi)戦の火ぶたが切られた「朝鮮戦爭(zhēng)」。北朝鮮は韓國(guó)が先に攻撃をしかけてきたから攻撃したんだといい、韓國(guó)は反対に北が先に攻撃をしかけてきたから攻撃したんだという。真実は神のみぞ知るである。勿論、南の人も世界の大部分の人も皆北朝鮮から攻撃をしかけてきたと考えている。筆者もそれが事実だと思うけれど、最終的な証拠がない立場(chǎng)ではなんともいえないという感じもしている。

とにかく戦爭(zhēng)ははじまった。ただちに米國(guó)を中心とするU(xiǎn)N軍が韓國(guó)を応援するために軍を派遣する。16か國(guó)の助けが來(lái)た。日本は1945年の無(wú)條件降伏の狀態(tài)でいたから、米國(guó)の軍事基地的な役割を擔(dān)うこととなり、これは戦爭(zhēng)特需（朝鮮特需）といわれるように朝鮮戦爭(zhēng)を肥やしにして莫大な儲(chǔ)けをむさぼることになる。日本の経済成長(zhǎng)はこの朝鮮特需が土臺(tái)となっている。

そして1953年7月。休戦協(xié)定。調(diào)印したのは國(guó)連軍総司令官＝米國(guó)陸軍大將マークWクラークと、朝鮮人民軍最高司令官?朝鮮民主主義人民共和國(guó)元帥?金日成と、中國(guó)人民志願(yuàn)軍司令官?彭徳懐（ホートクカイ）であり、大韓民國(guó)の場(chǎng)合は大統(tǒng)領(lǐng)はおろか司令官すら署名していない。當(dāng)事國(guó)の韓國(guó)が完全に無(wú)視された狀態(tài)であった。1953年に、戦爭(zhēng)が終わったのではなくて休戦しただけなのだ。だから今も北朝鮮は戦爭(zhēng)狀態(tài)（戦時(shí)體制）にあるわけだ。どこと？大義としては米國(guó)と。でも現(xiàn)実的には韓國(guó)と戦爭(zhēng)狀態(tài)にあるわけだけれど。

大義としては米國(guó)と書(shū)いたけれど、実際、米國(guó)を相手に戦っているというのが北朝鮮の立場(chǎng)だ。その米國(guó)という國(guó)は、自分の気に入らない國(guó)があれば、地球の裏側(cè)まで行って戦爭(zhēng)をしかける。アフガンも潰された、イラクも潰された、リビアも潰された。次は北朝鮮だろう。

俺たちは強(qiáng)いんだと見(jiàn)せるしかないのが北の立場(chǎng)だ。蟲(chóng)けらでも潰すようにさまざまの國(guó)を破壊してきたアメリカ。そのアメリカに潰されないためには、核を持つしかないというのが北朝鮮の偽らざる心情だ。金正日のころから延々と核、核、核といって核製造だけに血眼になって邁進(jìn)してきた理由は、こういうところにあるわけだ。

北朝鮮の立場(chǎng)に立って考えれば、核もいたしかたなし、という気もするのは筆者だけだろうか。この伝家の寶刀である核をなくせと今アメリカが言っている。核だけじゃなくて、全ての生物化學(xué)兵器やICBMなども。どうするんだろう。反原発の先頭に立っている原子爐や原爆の専門(mén)家である小出裕章さんは、北朝鮮はいまだにまともな原爆や水爆はもっていないはずだ、と、どこかで言っていた。核実験はやっているのだから、なにがしかのものは持っているはずだけれど、広島や長(zhǎng)崎型のまともな核爆弾はもっていないということなのだろうか。いずれにしても、今後數(shù)週間の北朝鮮の動(dòng)きから目を離せない狀況ではある。

■筆者プロフィール：木口 政樹(shù)

イザベラ?バードが理想郷と呼んだ山形県?米沢市出身。1988年渡韓し慶州の女性と結(jié)婚。元三星（サムスン）人力開(kāi)発院日本語(yǔ)科教授、元白石大學(xué)校教授。趣味はサッカーボールのリフティング、クラシックギター、山歩きなど。著書(shū)に『おしょうしな韓國(guó)』、『アンニョンお隣さん』など。まぐまぐ大賞2016でコラム部門(mén)4位に選ばれた。

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