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陝西省の古剎?法門寺の日本語表記が誤植のオンパレードでも笑えない理由とは?
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陝西省寶鶏市にある法門寺は1800年以上の歴史を誇る古剎で、1987年には地下宮殿から仏舎利(お釈迦様の遺骨)が発掘されている。中國の観光地ランクではトップクラスの國家AAAAA旅遊景區(qū)で、境內(nèi)も想像以上に広い。1230mの佛光大道の両脇には寫真1のような合計10體の菩薩像(像高20m近く)が鎮(zhèn)座し、仏舎利が納められた合十舎利塔(寫真2)は高さ148mを誇る。
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実際に參拝してみると、有名な寺院なのか參拝客もけっこう多いと感じる。境內(nèi)の案內(nèi)は中國語、英語、日本語、韓國語と多言語で表記されていたりするので、観察してみると英語と日本語にはかなりの誤植や間違った表現(xiàn)が多く見られる(韓國語表記についてのミスは不明)。菩薩像の臺座の説明書きの日本語に注目すると、本來なら「病気」と書くべき部分がなぜか「気病」(寫真3)と表記。
合十舎利塔で仏舎利の案內(nèi)の表記は本來なら「舎利拝観入口」とすべきところが「砂利拝観入口」(寫真4)になっていた。砂利を拝観してどうしろというのだろうか?仏罰級の誤植である。寫真5は「仏教聖地 厳禁吸煙」と書かれており、簡體字でも日本人ならなんとなく意味は理解できると推測されるのだが、日本語の説明が「仏教の神社 禁煙」と表記され、中國の古剎がいつの間にか神仏習(xí)合になっていて驚かされた。英語の「Non-smoking」もこの場合はおかしい。
寫真6は地下宮殿の出口の表示なのだが、中國語の「出口」には「輸出」という意味もある。しかし英語では「Underground palace export」、日本語「地下宮殿の輸出」というのはこの場合には明らかに意味が通じない。
寫真7の日本語の文章にいたってはまったく理解不能だ。「塔の石の上にロウソクをお供えしないように」と書かれているのだが、「ケンタッキー石禁止を供える燈」となっていた。ケンタッキーは中國語だと肯徳基、肯塔基と表記されるのでこうなったのだろうか?もはや日本語に訳さないほうがいいレベルだ。
筆者が北京で留學(xué)中、交流していた日本語學(xué)科の中國人學(xué)生の日本語能力は2年生くらいでもたいしたもので、學(xué)生に翻訳を依頼してもこのようなミスは絶対ないはずだ。法門寺が文章を機械翻訳して外國語ができるプロフェッショナルに內(nèi)容の確認を依頼しなかったのが原因だろう。ただ、筆者の観點では、このような手抜きを笑えない理由がある。
最近、大阪メトロのサイトの外國語版ページの誤訳が話題になり、堺筋線が「Sakai Muscle line」と表記され、中國語訳もかなりひどい狀態(tài)だった。これも機械翻訳の內(nèi)容をチェックしなかった結(jié)果だろう。
筆者が以前、名古屋城本丸御殿に訪問したところ、スタッフが中國人旅行客の質(zhì)問(中國語)に対応できなかったので、手助けをしたことがある。これだけ外國人旅行客が激増したにも関わらず、日本の観光地は外國語ができるスタッフが少ないと感じる。
2020年の東京オリンピックでも外國語ができる人材にもボランティアをさせようとのことだが、外國語を使いこなせるようになるにはかなりの努力が必要だということを日本人は忘れていないだろうか?公共性の高い外國語版ページの開設(shè)には翻訳のプロフェッショナルに依頼するにはケチらないで予算を割くべきであり、外國語ができる人材にはそれなりの給料を出した方がいいのではないだろうか?
■筆者プロフィール:関上武司
1977年の愛知県生まれ。愛知大學(xué)経営學(xué)部卒。中國で留學(xué)や駐在員としての勤務(wù)経験あり。日本や中國のB級スポットを紹介するブログ?軟體レポートの管理人。中國遊園地の取材で中國の全省、全自治區(qū)、全直轄市へ訪問。會社員の傍ら、「中國遊園地大図鑑」シリーズを執(zhí)筆し、メールマガジンのロードサイダーズ?ウィークリーにて「ROADSIDE CHINA 中國珍奇遊園地紀(jì)行」を連載中。このほかイベントも開催している。
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