北京市の冬は厳しい。それだけに、春の到來は感慨深い。市內(nèi)の各公園では、「春の息吹」そのもののように、さまざまな草の緑が人目を引くようになった。そんな公園に訪れる人も増えた。ところが多くの人のお目當(dāng)ては「食べられる野草」だ。トイレ內(nèi)には「野草を抜くこととここで洗うことを禁止します」と書いた貼り紙がある。中國(guó)メディアの新浪網(wǎng)が2019年4月1日付で記事を掲載した。

中國(guó)の古くからの暦には「二十四節(jié)気」と呼ばれる季節(jié)の節(jié)目が設(shè)けられている?，F(xiàn)在のカレンダーで4月5日ごろに到來する清明節(jié)は、中國(guó)人にとってとりわけ大切な「節(jié)気」の一つだ。清明節(jié)の行事としてはまず、墓參りがある。そして、清明節(jié)前後は「踏青（ターチン）」の時(shí)期ともされている?！柑で唷工趣喜荬蛱い叻证堡埔霸巳毪毪长趣蛞馕钉工?。つまり、長(zhǎng)くて厳しかった冬が終わったことで、野遊びを楽しもうということだ。

北京の各公園に足を運(yùn)ぶ人も増えた。ところが、春を愛でる風(fēng)流な散策ではなく、実用目的で訪れる人も多い?！复筌姟工趣夂簸伽肴摔稳氦欷懁釖欷薄⒐珗@內(nèi)に植わっている食べられる野草を引き抜いて持ち帰るという。

例えば、中國(guó)語で「二月蘭」と呼ばれる植物だ。和名はオオアラセイトウだが、中國(guó)では「諸葛菜」との名もある。かの諸葛孔明が軍の食用に用いたので、この名がついたという?！付绿m」は特に人気が高い。記事によると、北京市の東部郊外にある東壩郊野公園では二月蘭が「掃討」されてしまった場(chǎng)所もある。

公園で緑地整備を擔(dān)當(dāng)する職員に聞いたところ、「引っこ抜く人もいる。ナイフを使ったりシャベルを使う人もいる。緑地はめちゃくちゃですよ」との説明だった。ただ、草を持ち去ろうとしている人を見ても、直接に注意はしない。「警備員の仕事ですから」との説明だ。ただ、警備員が注意しても「おばさんたちは、まるで無視ですよ」という。さらに、「二月蘭」でなくても食べられる草だったらと「難を逃れることはできない」?fàn)顟B(tài)だ。

記事によると、北京市郊外の南海子郊野公園ではマイカーで乗り付ける人が多く、公園前の道路は大混雑していた。若い世代の子連れの一家も多いが、ベビーカーにはビニール袋を用意している。食べられる草を見つけては採取しては入れるという。タンポポを長(zhǎng)い根の部分を含めて丸ごと入れている人も多い。

人々が「春の草」を求めるのは、人工的に改良を重ねられた野菜よりも、健康によいとの考えがあるからという。ただし、植物學(xué)の専門家によると、多くの人が野生の草の栄養(yǎng)価値は極めて高いと思っているが、健康に極めてよいというのは単なる「伝説」。それどころか虛弱體質(zhì)の人には悪い影響を及ぼす可能性もある。また、有毒成分のある草を食べられる草と間違えたための中毒事故も時(shí)折、発生しているという。

北京市內(nèi)にあるオリンピック森林公園にも、「野草」を求める人が詰め掛けている。同公園では敷地內(nèi)のトイレ內(nèi)の壁に「他の人の迷惑になるので、野草を抜くこととここで洗うことを禁止します」と書いた貼り紙を出した。

ちなみに、同公園のトイレで使用している水は、生活汚水や工業(yè)排水を簡(jiǎn)易処理した中水道水で、飲用の基準(zhǔn)は満たしていないという。（翻訳?編集/如月隼人）