八牧浩行 2019年4月6日(土) 6時(shí)10分
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米トランプ政権が保護(hù)主義的な政策を推進(jìn)。米中間の貿(mào)易戦爭(zhēng)や次代覇権爭(zhēng)いが激化し、「世界経済ブロック化」危機(jī)が進(jìn)行している。ベルリンの壁の崩壊から30年近くが経過(guò)した今、今度は米國(guó)と中國(guó)の間の緊張が高まっている。
世界経済に暗雲(yún)が漂っている。米トランプ政権が「アメリカファースト」の旗印の下、保護(hù)主義的な政策を推進(jìn)。米中間の貿(mào)易戦爭(zhēng)や次代覇権爭(zhēng)いが激化し、「世界経済ブロック化」危機(jī)が進(jìn)行している。ベルリンの壁の崩壊(1989年11月)から30年近くが経過(guò)した今、今度は米國(guó)と中國(guó)の間の緊張が高まり、世界には再び地政學(xué)的な境界線が誕生しつつある。
中國(guó)の経済的、政治的な影響力はアジアの勢(shì)力圏を越え、遠(yuǎn)く中南米や西歐諸國(guó)など、かつては當(dāng)然のように米國(guó)の勢(shì)力圏と考えられてきた地域にまで及んでいる。米國(guó)は、中國(guó)の「一帯一路」構(gòu)想が成功すれば、ユーラシア大陸全體が中國(guó)との緊密な関係を深めると警戒している。
米國(guó)と中國(guó)が特に覇を競(jìng)っているのは人工知能(AI)やロボット、フィンテック(金融技術(shù))、情報(bào)技術(shù)(IT)など次世代産業(yè)を左右するビッグデータ分野。インターネットの閲覧や買い物履歴など経済のデジタル化が進(jìn)行する中で、世界最大14億人の人口を有し、一黨獨(dú)裁の中國(guó)では、データを集めやすく、それだけ人工知能(AI)の性能を高められる。
世界の覇権國(guó)家として長(zhǎng)らく君臨してきた米國(guó)は、常に「ナンバー1」の座確保が“國(guó)是”であり、「ナンバー2」國(guó)家を“排除”してきた。かつての標(biāo)的はソ連の軍事力であり、日本の経済力だったが、これらライバル國(guó)をことごとく退けた。今は臺(tái)頭する中國(guó)をターゲットとしているが、その「経済?人口パワー」に手を焼いているのが実情だ。
米政権は中國(guó)が技術(shù)を盜み出し個(gè)人のデータ情報(bào)を國(guó)民監(jiān)視や治安維持の道具に使っていると非難。中國(guó)からの輸入品への高関稅付加や中國(guó)企業(yè)の米IT企業(yè)買収を阻止している。中國(guó)側(cè)は「グーグルなど米國(guó)企業(yè)もブラックボックスであり、膨大なデータを米政府も活用している」と応酬している。
◆ブロック化が招いた悲慘な歴史
米中の対立は次代の覇権爭(zhēng)いの様相を呈し、厳しい攻防が続いており、世界経済の低迷に拍車をかけている。特に懸念されるのは「世界経済のブロック化」だ。保護(hù)主義の蔓延が誘導(dǎo)するブロック化の危険性は歴史が証明している。
1929年に米國(guó)に端を発した世界大恐慌を受けて米國(guó)が30年代に実施した貿(mào)易戦爭(zhēng)により、全世界の貿(mào)易は66%萎縮。米國(guó)が関稅率を引き上げ他の國(guó)も対抗、全世界の貿(mào)易コストが10%上昇した。さらに主要國(guó)は相次いで「ブロック経済」政策を採(cǎi)用。英國(guó)によるポンド圏、フランスによるフラン圏、さらに米國(guó)のドル圏などの、貿(mào)易の「囲い込み」現(xiàn)象が出現(xiàn)した。世界経済がブロックに分割されたことにより、ドイツやイタリア、日本など植民地を持たないか少ない國(guó)は不況の影響をより深刻に受けることになった。その結(jié)果、イタリアやドイツではファシスト、ナチス、日本では軍部など、「世界秩序の変更」を求める勢(shì)力が臺(tái)頭し、第2次世界大戦の引き金になった。戦後の自由貿(mào)易體制の構(gòu)築は、「ブロック経済への反省」の結(jié)果実現(xiàn)した。ブロック化が進(jìn)行すれば、特に資源が乏しく貿(mào)易投資立國(guó)の日本は大きな影響を受ける。
◆ファーウェイ「5G」排除、徹底されず
その象徴的な事例が米國(guó)による、次世代通信規(guī)格「5G」の通信網(wǎng)構(gòu)築に向けた中國(guó)?華為技術(shù)(ファーウェイ)製品の排除への圧力。同盟國(guó)に使用しないよう求め、日本を含む國(guó)々が応じつつある。
これに対し中國(guó)は周辺國(guó)や途上國(guó)との関係改善を進(jìn)めて米國(guó)をけん制する構(gòu)え。ドイツはファーウェイ製品の排除を明示しない方針を決め、英國(guó)も慎重姿勢(shì)。歐州はトランプ米政権と一定の距離があるため、中國(guó)にとっては切り崩しの対象だ。
習(xí)近平國(guó)家主席は3月にイタリア、フランスを公式訪問(wèn)。中國(guó)?イタリアの一帯一路に関する覚書(shū)では自由貿(mào)易や多國(guó)間主義の重要性を確認(rèn)し、港灣を含むインフラ整備やエネルギー分野などの協(xié)力で合意した。協(xié)力には通信技術(shù)分野も含まれ、米中が対立する次世代通信システム「5G」の主導(dǎo)権爭(zhēng)いで、中國(guó)を利することになりそうだ。
米國(guó)はファーウェイ製品の排除を歐州各國(guó)に要求しているが、ファーウェイは2000年から歐州で事業(yè)展開(kāi)し、攜帯端末や通信設(shè)備が浸透している。英國(guó)の情報(bào)當(dāng)局はファーウェイの5G 參入について「リスクは管理可能」と分析。ドイツも5G周波數(shù)の入札に「特定企業(yè)を排除しない」方針を示している。
習(xí)氏はフランス公式訪問(wèn)で、中國(guó)が歐州航空機(jī)大手のエアバス300機(jī)を購(gòu)入する大盤振る舞いを演出し、マクロン大統(tǒng)領(lǐng)から一帯一路に「注目し、重視する」との言質(zhì)を引き出した。共同聲明では、トランプ政権の出現(xiàn)によって弱體化させられた國(guó)連、世界貿(mào)易機(jī)関(WTO)、國(guó)際通貨基金(IMF)やG20のテコ入れも盛り込まれた。3月27日付けの仏ルモンド紙社説は「37點(diǎn)にわたる仏中共同聲明は、気候変動(dòng)からイラン核問(wèn)題に至るまでアンチ?トランプの宣言だと読み取れる」と喝破した。
マクロン大統(tǒng)領(lǐng)は習(xí)主席の訪仏に合わせ、ドイツのメルケル首相、歐州連合(EU)のユンケル歐州委員長(zhǎng)を招きパリで4者會(huì)談を行った。米國(guó)第一主義を掲げるトランプ政権と各分野で溝が深まっている現(xiàn)狀を踏まえ、歐州全體として中國(guó)と協(xié)調(diào)していく姿勢(shì)を內(nèi)外に示した格好である?!窫U離脫」で経済失速が懸念される英國(guó)も中國(guó)の経済力に期待している。
◆日本の経済界も憂慮
日本の経済界は世界経済がブロック化し、自由で開(kāi)かれたグローバル経済システムが阻害されるのでは懸念している。中西宏明経団連會(huì)長(zhǎng)は「技術(shù)覇権の問(wèn)題は関稅の引き上げとは違った類いの爭(zhēng)いだ。特にファーウェイ問(wèn)題は関連する企業(yè)に波及する。グローバル経済のブロック化が生じる。過(guò)去に米國(guó)はこういう手を何度も打った。日本経済の強(qiáng)みをどういう形でどう発揮するのか。高らかに宣言して対応しないと変なことになる」と問(wèn)題提起している。
中國(guó)政府から提案されたインフラ投資案を受け入れるかどうかを検討しようとしても、ファーウェイの5G技術(shù)に代わる選択肢となる技術(shù)を安価で提供できる企業(yè)はあまりなく、米國(guó)からファーウェイ排除を要請(qǐng)された通信関連企業(yè)は苦慮している。
ファーウェイは米國(guó)の政府調(diào)達(dá)から排除されたのは米憲法違反だと米政府を提訴。王毅外相はファーウェイ問(wèn)題への対応について「我々が守らなければならないのは自らの科學(xué)技術(shù)を発展させたい全ての國(guó)家の権利だ」と強(qiáng)調(diào)。日本を含む周辺國(guó)や先進(jìn)國(guó)、開(kāi)発途上國(guó)への働きかけを急いでいる。
◆新冷戦が招く世界経済危機(jī)
さらに米國(guó)は中國(guó)などが加盟する國(guó)際自由貿(mào)易協(xié)定に同盟國(guó)が參加を抑制する動(dòng)きも見(jiàn)せている?!该讎?guó)を取るか中國(guó)を取るか」と選択を迫るトランプ政権の手法は世界を分?jǐn)啶工霊夷瞍ⅳ搿?/p>
米中の覇権爭(zhēng)いが続けば、相互依存が進(jìn)んだグローバル経済を分?jǐn)啶贰⑹澜缛wを経済危機(jī)に巻き込む恐れがある。米ソ冷戦は歐州の核危機(jī)など軍事的緊張をもたらしたが、世界経済への影響は限定的だった。世界1、2位の経済大國(guó)が安全保障もからむハイテク覇権を爭(zhēng)う新冷戦は、世界経済を直撃、冷戦終結(jié)によるグローバル経済化で網(wǎng)羅されたサプライチェーンなど、相互依存を寸斷することになる。
すでに世界全體の経済失速が憂慮されている。米中貿(mào)易摩擦が世界の実質(zhì)國(guó)內(nèi)総生産(GDP)に與える影響として、IMFは、世界のGDP成長(zhǎng)率が2019年、2020年ともに0?8%下落すると試算。國(guó)別でみると中國(guó)への影響が大きく、GDP成長(zhǎng)率は19年に1?6%、20年は1?4%下押しされる。米國(guó)も19年に0?9%、20年に1?0%下落してしまう。相対的に成長(zhǎng)率が1~2%臺(tái)と低い日米歐への打撃も甚大だ。中國(guó)では成長(zhǎng)減速が顕著である。中國(guó)景気の減速を示す経済統(tǒng)計(jì)などが相次ぎ、中國(guó)政府は19年の経済成長(zhǎng)率の目標(biāo)を「6~6?5%」に引き下げた。
景気不安は歐州にも及んでおり、歐州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は「不透明な地政學(xué)要因が継続するなか保護(hù)主義の脅威、新興國(guó)市場(chǎng)が脆弱であることが景気心理に影響を及ぼしている」と指摘。19年のユーロ圏の成長(zhǎng)率見(jiàn)通しを11%に下方修正した。トランプ政権の法人稅減稅やインフラ投資の効果などで景気が比較的堅(jiān)調(diào)だった米國(guó)でも、米中経済摩擦などの影響で景気が鈍化、企業(yè)の売上高や住宅販売などの指標(biāo)が弱含んでいる。19年1~3月期の國(guó)內(nèi)総生産(GDP)は0?5%増と極めて低い成長(zhǎng)に陥ると試算されている。日本も、日銀短観、鉱工業(yè)生産など最近発表された経済指標(biāo)が軒並み悪化している。
◆大阪G20、日本は橋渡し役を
こうした激動(dòng)の世界情勢(shì)の中で、日本の役割は重要である。最大の同盟國(guó)である米國(guó)と最大の貿(mào)易相手國(guó)である中國(guó)の間で橋渡し役を擔(dān)うべきである。対立する米中間も貿(mào)易?投資?サプライチェーン(産業(yè)連関)網(wǎng)が張りめぐらされ、相互依存関係にあり、互いの経済界がブロック化を強(qiáng)く懸念している。
日本がめざすべきはアジア太平洋融合の枠組みだ。環(huán)太平洋経済連攜協(xié)定(TPP)と東アジア地域包括的経済連攜(RCEP)を結(jié)合して「スーパーFTA(自由貿(mào)易協(xié)定)」をつくり、米國(guó)を呼び込むことである。分?jǐn)啶扦悉胜诤悉长焦餐繕?biāo)である。
6月に大阪で開(kāi)く20カ國(guó)?地域(G20)首脳會(huì)議は、議長(zhǎng)國(guó)である日本にとって活躍のチャンス。新冷戦やブロック化を抑止し、世界経済の再興の向け先頭に立つ重要な機(jī)會(huì)になろう。
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見(jiàn)。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問(wèn)。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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