中國(guó)人民銀行は2019年5月6日、中小銀行の預(yù)金準(zhǔn)備率を5月15日にこれまでの11．5％から8％に引き下げると発表した。銀行側(cè)が融資に使えるようになった資金はすべて、民間の小規(guī)模または零細(xì)企業(yè)への融資に向けられるとした。

対象となる銀行は、単一の県內(nèi)で営業(yè)している銀行、または複數(shù)の県にまたがり営業(yè)していても、資産規(guī)模が100億元（約1640億円）に満たない農(nóng)村商業(yè)銀行。

中國(guó)では、金融機(jī)関の規(guī)模などにより、適用される預(yù)金準(zhǔn)備率が異なっている。いずれも11年6月14日に引き上げられたのを最後に、その後は預(yù)金準(zhǔn)備率は引き下げられてきた。中小銀行の場(chǎng)合、同時(shí)點(diǎn)で19．5％だった率は、19年25日には11．5％にまで低下した。5月15日には8％に引き下げる。これまでの各時(shí)點(diǎn)における引き下げ幅は0．5ポイントまたは1ポイントだった。今回は3．5ポイントの大幅引き下げとする。

人民銀行は、預(yù)金準(zhǔn)備率の引き下げで放出される2800億元（約4兆5900億円）の長(zhǎng)期資金がすべて、民間の小規(guī)模または零細(xì)企業(yè)への融資に向けられるとした。

中國(guó)は米國(guó)と、貿(mào)易など経済問(wèn)題をめぐって協(xié)議を続けてきた。トランプ米大統(tǒng)領(lǐng)は6日未明（中國(guó)時(shí)間）、ツイッターを通じて、中國(guó)製品に対する関稅引き上げの意向を示した。実施すれば米中の交渉が決裂したことになる。人民銀行の預(yù)金準(zhǔn)備率引き下げ発表は、中國(guó)株式市場(chǎng)で取り引きが始まるわずか30秒ほど前に発表された。金融政策の発表は多くの場(chǎng)合、その日の株式の取り引きが終わった後であり、6日の発表のタイミングは「めったにないこと」などと注目された。

預(yù)金準(zhǔn)備率の引き下げは市場(chǎng)に好感され、取り引き開(kāi)始直後から青農(nóng)銀行、青島銀行、西安銀行、紫金銀行の株価が上昇した。ただし、市場(chǎng)全體ではトランプ大統(tǒng)領(lǐng)の発言を受け、深セン総合指數(shù)や上海総合指數(shù)は5％以上下げて、同日の取り引きを終えた。

なお、中國(guó)人民銀行は中國(guó)の中央銀行だが、日本などとは異なり、政府の一部門の位置付けだ。そのため、政権の意向をよりストレートに反映すると考えられる。（翻訳?編集/如月隼人）