中國メディアの21世紀経済報道は2019年5月8日付で、2018年には中國の農(nóng)民工の増加が急速に鈍化し、産業(yè)用ロボットの生産も急増から一転して減少になったとして、見出し部分で「誰が仕事をしているのだ？」と疑問を提示する記事を発表した。

中國では、戸籍の移動の自由が認められていない。しかし経済発展に伴い都市部で大量の労働力が必要になったため、農(nóng)村部住民が「臨時戸籍」を取得して都會に出られるようになった?！概R時」とはされているが、実際には長期滯在が可能だ?！概R時戸籍」を取得して都會に暮らして仕事をしている人を「農(nóng)民」と呼ぶ。

農(nóng)民工の多くは工事作業(yè)員や清掃員、飲食店従業(yè)員などとして働いている。日本でいう3K（きつい?きたない?危険）職場で働く人が多いわけだ。単純作業(yè)をする工場労働者として働く場合も多い。

4月末に國家統(tǒng)計局が発表した「2018年農(nóng)民工監(jiān)測報告」によると、同年の農(nóng)民工は前年比184萬人（0．6％）増の2億8836萬人だった。前年に比べ増加してはいるが、増加分は2017年に比べて297萬人も減少したという。

また、2018年には出身地以外の省に出て働く農(nóng)民工は前年比81萬人減の7594萬人、出身地の省內(nèi)で働く農(nóng)民工は162萬人増の9672萬人だった。

21世紀経済報道は省外に出る農(nóng)民工が減少したことについて、経済先進地區(qū)の農(nóng)民工受け入れが減少しているとの分析を示した。中國東部地域で働く農(nóng)民工は前年比185萬人減の1億5808萬人だったという。うち北京?天津?河北地域は前年比27萬人減の2188萬人、広東省の珠江デルタでは同186萬人減の4536萬人だった。ただし、上海市を中心とする長江デルタでは65萬人増の5452萬人だった。

中國の経済先進地の中でも、農(nóng)民工人數(shù)の伸びが鈍化した大きな要因になったのは珠江デルタ地域の狀況と言える。同地域の特徴は経済全體に占める製造業(yè)の比重が大きいことで、広東省1省だけで製造業(yè)従業(yè)員は中國全國の8分の1の2500萬人だ。うち7割は農(nóng)民工という。

同省はこれまで、深刻な求人難に見舞われたことがしばしばあり、工場も比較的早い時期から自動化に力を入れた。大きな変革をもたらしたのは同省東莞市が2014年に著手した「人をロボットに置き換える」運動だった。同市は2014－16年の3年間に、工場従業(yè)員を20萬人削減することに成功した。

同運動は2015年から、広東省全體で進められることになった。2016年には省全體で2萬2000臺の産業(yè)ロボットが導入され、稼働臺數(shù)は6萬臺を超えた。中國全國の産業(yè)用ロボットの約5分の1が広東省に集中することになった。

産業(yè)ロボットの導入は広東省だけでなく、全國規(guī)模で進められた。2015年の中國全國の産業(yè)用ロボットの生産臺數(shù)は前年比21．7％増、16年は同34．3％増、17年は同68．1％増だった。

大きな変化が生じたのは18年だった。同年上半期（1－6月）の産業(yè)用ロボットの生産臺數(shù)は前年比23．9％増と、依然として高い伸び率だったが、16年から17年にかけての勢いはなかった。9月になると前年同月比16．4％減と、マイナス成長に転じた。18年通年では前年比4．6％増の微増だった。19年第一四半期（1－3月）は前年同期比11．7％減だった。

記事によると、産業(yè)用ロボットの生産量の減少はマクロ経済の下押し圧力が増大し、製造業(yè)企業(yè)によるロボット需要が減少したことを反映している。2018年には、製造業(yè)企業(yè)で受注減や資金面の緊張が発生し、経済情勢の先行きも不明であることから、産業(yè)ロボット導入のための投資を、軽々しく行えなくなったという。

記事は結(jié)局、見出しで設(shè)定した「誰が仕事をしているのだ？」の問いへの回答を示さなかった。全體としては、「農(nóng)民工を必要とする仕事は、これまで同様に増えてはいない」「経済の先行きを考えれば、産業(yè)ロボット導入のための投資も控えざるをえない」という指摘に終始した。（翻訳?編集/如月隼人）