2019年5月20日、中國が主導(dǎo)するアジアインフラ投資銀行（AIIB）の金立群総裁が日本記者クラブで會(huì)見し、米中間で激化している貿(mào)易摩擦について「世界の2大國に何か問題が生じれば、世界全體の経済に悪い影響を與える」と表明?！搁_発途上國とっても大変なことになる」と懸念した。

金総裁は発展目覚ましいアジアには巨額のインフラ需要があり、資金が不足していると指摘。日本の商業(yè)銀行のほか、アジア開発銀行（ADB）や國際協(xié)力銀行（JBIC）、國際協(xié)力機(jī)構(gòu)（JICA）など地域のプレーヤーと一緒に協(xié)調(diào)融資をさらに拡大していきたい」と強(qiáng)調(diào)した。特に日本の金融機(jī)関に「アジアのインフラ整備に関する投資で幅広い経験を持っている」と言明、提攜に意欲を示した。

金氏はAIIBとして初の外債発行（25億ドル＝約2750億円）が5月初めに決まったことを挙げた上で、「資本市場への參加によりグローバル投資家の支援を得て、インフラ投資を促進(jìn)できる」と意義を強(qiáng)調(diào)した。

AIIBが17年にS&Pグローバル?レーティングなど米英の大手格付け會(huì)社3社から、最上位にあたる「トリプルA」の格付けを得たことや、世界の投資家の支持を得て外債発行が可能となったことを挙げ、「世界から信頼され存在感も高まっている」と胸を張った。

また「AIIBが融資するプロジェクトでは、AIIBに加盟しているか否かや、國?地域に関係なく世界中のどこの企業(yè)でも入札に參加できる國際競爭入札を?qū)g施している」と強(qiáng)調(diào)。「クリーン（透明）」と「グリーン（環(huán)境）」を融資基準(zhǔn)としていると明かした。人材採用に當(dāng)たっては「世界中のあらゆる場所から最高の候補(bǔ)者を探し続けている」と述べ、日本からの応募も歓迎した。

中國が途上國に過剰に貸し込み、返済が滯る「債務(wù)のわな」が問題となっていることに関し、金氏は「返済可能な債務(wù)にする必要がある」としながらも「中國と連攜を密にしたい國は多い」と指摘した。

AIIBは新興國のインフラ整備を資金面で支援するため、2015年12月に発足した國際金融機(jī)関（本部北京）。97か國が加盟し、これまでに総額79憶5000萬ドル（約8000憶円）に上る39件のプロジェクトを承認(rèn)した。金立群氏は、中國の財(cái)務(wù)省次官やADB副総裁を歴任し、初代AIIB総裁に就任した。

■筆者プロフィール：八牧浩行

1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長、常務(wù)取締役編集局長等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國、アフリカ、中東、アジア諸國を取材。英國?サッチャー首相、中國?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國為替ハンドブック」など。趣味はマラソン（フルマラソン12回完走＝東京マラソン4回）、ヴァイオリン演奏。