おやつといえば、暇つぶしに食べるもの、食事を補(bǔ)完するものに過ぎず、「存在感」がないと考える人は多い。しかしこのほど中國商務(wù)部が発表した「消費(fèi)バージョンアップの背景の下でのおやつ産業(yè)発展報(bào)告」によると、現(xiàn)在、中國のおやつ産業(yè)の年間総生産額は2兆2156億4000萬元（約35兆4500億円）に達(dá)しており、なかなかの「存在感」だといえる。人民日報(bào)海外版が伝えた。

約2兆元とはどのような數(shù)字かといえば、遼寧省の年間GDP（國內(nèi)総生産）に迫り、全國の半分以上の省?自治區(qū)?直轄市のGDPを上回る數(shù)字だ。おやつは食事を補(bǔ)うものから、「4番目の食事」へと徐々にバージョンアップしている。人々はさまざまなおやつを消費(fèi)し、おやつも人々のさまざまなニーズを満たす。おやつ産業(yè)の急速発展の背後にはどのようなロジックがあるだろうか。

■「買い物かご」のおやつが増加

揚(yáng)げ菓子の麻花は4日で15トン、全部で200萬本が売れた。お焼きは4日で1萬769個売れた。創(chuàng)業(yè)8年目のおやつブランドは2019年の営業(yè)収入が100億元（約1600億円）を突破する見込みだ。このように中國おやつ産業(yè)は目下、空前絶後のスピードで爆発的な発展を遂げている。

おやつは「食事」とは異なる食品ととらえられ、長らく必需品とはみなされていなかった。しかしここ數(shù)年、おやつ食品はますます豊富になり、ネット通販の「買い物かご」に入る割合もますます高くなった。同報(bào)告によると、06年から16年の間に、おやつ産業(yè)の生産額は急増傾向を示し、4240億3600萬元から2兆2156億4000萬元に増加し、成長率は422．51％にもなる。関連の試算では、20年の生産額は3兆元（約48兆円）に迫るという。産業(yè)分類別にみると、生産額の規(guī)模上位3位には野菜?果物?ナッツ類加工産業(yè)、肉製品?副食品加工産業(yè)、インスタント食品産業(yè)が並び、全體に占める割合は順に26．5％、21．22％、18．01％だ。

専門家は、「消費(fèi)バージョンアップの歩みが加速するにつれ、新興のおやつ小売ルートが急速に発展し、おやつ産業(yè)の発展は急成長の段階に入り、未來の消費(fèi)財(cái)市場で最も見通しの明るい、最も活力にあふれる産業(yè)になると予想される。現(xiàn)在、おやつ産業(yè)では多くの有名ブランドや上場企業(yè)が育ち、『三只松鼠』（3匹のリス）、『百草味』、『周黒鴨』、『來伊份』（LYFEN）などがあり、未來の可能性は非常に大きい」と話す。

■個性が突出、「ネットで安いものを買う」から「品質(zhì)を重視」へ

人々がおやつを選ぶ時(shí)に重視するのは何か。どんなシーンでおやつを消費(fèi)するのか。

湖北省出身の李嘉●（リー?ジアパン、●は目へんに分）さんは、「甘い物が好きで、まず口當(dāng)たりを重視し、ブランドも重視する。ストレスが大きい時(shí)は、甘いものを食べるとストレスが解消され、食べた瞬間にいやなことを全部忘れる。しかし無節(jié)操な食べ方をしているわけではなく、摂取カロリーを抑えるよう注意している」と話す。李さんの話は、多くの若者の聲を代弁している。おやつには健康的で、栄養(yǎng)があり、ブランド力もあることが求められると同時(shí)に、最近は「アピールポイント」もますます重視されるようになった。同報(bào)告によると、ここ數(shù)年、「天然」、「無添加」、「原産地」、「一日分の栄養(yǎng)を考えたパッケージ」などの特徴的なアピールポイントを持ったおやつが、市場で急速な伸びをみせるという。

取材に答えた多くの人が、「食事をしっかり食べると同時(shí)に、おやつは生活の一部として欠かせないものになった」との見方を示した。消費(fèi)者はレジャーフードを食べる過程で好ましい場面設(shè)定を追求する「シーン化」のニーズをより多く満たすことができ、精神面での共感や気軽で楽しいレジャー體験をより多く得ることもできる。大手ECのおやつ食品供給狀況をみると、商品の人格化という特徴を備えた商品がますます増え、人々の心理狀態(tài)にも合致する。たとえばカクテルブランドのRIOの「微醺」（ほろ酔い）シリーズは「1人で軽く一杯」のキャッチコピーを通じて、個性的、若者、獨(dú)立といったイメージを伝えている。生活情報(bào)サイト?58同城が発表した「働く人のおやつ図鑑」の関連調(diào)査によると、南京、蘇州、杭州などのオフィスでおやつ文化が発達(dá)し、おやつは同僚との距離を縮める「重要アイテム」だ。また、市場で人気の「臓臓包」（チョコレートパン）などのネットで人気のおやつには、トレンドや流行がどこでも発生するというインターネット時(shí)代の特徴がよく現(xiàn)れている。

おやつ消費(fèi)の盛り上がりの背景には、消費(fèi)バージョンアップがあり、おやつ企業(yè)とECには巨大なチャンスがある。データによると、18年は全國の1人あたり平均可処分所得の実質(zhì)成長率が6．5％に上昇した一方、エンゲル係數(shù)は28．4％で前年比0．9ポイント低下した。アナリストは、「所得増加はおやつ文化の人気を支える重要な要因。生活レベルの向上を前提に、人々のおやつ消費(fèi)は選択の可能性がより広がり、商品の品質(zhì)に対する要求も上昇を続け、これまでのような『ネットで安いものを買う』から『品質(zhì)を重視』へと移行している」との見方を示す。

多様化、さまざまなシーン、高品質(zhì)、高頻度を求める消費(fèi)ニーズに後押しされて、おやつ企業(yè)もバージョンアップの未來図を次々に描いている。（提供/人民網(wǎng)日本語版?編集/KS）