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米中の対立は次代の経済覇権爭(zhēng)いの様相を呈し、激しい攻防が続く。覇権國(guó)家?米國(guó)のトランプ政権は2020年秋の大統(tǒng)領(lǐng)選の勝利が至上命題。中國(guó)への強(qiáng)硬姿勢(shì)をアピールするが、泣き所は景気降下とマーケットの波亂。中國(guó)は長(zhǎng)期的戦略の下、持久戦に持ち込む構(gòu)えだ。
米中の対立は次代の経済覇権爭(zhēng)いの様相を呈し、関稅引き上げなどを巡り激しい攻防が続く。覇権國(guó)家?米國(guó)のトランプ政権は2020年秋の大統(tǒng)領(lǐng)選の勝利が至上命題。中國(guó)への強(qiáng)硬姿勢(shì)をアピールするが、泣き所は景気降下とマーケットの波亂。中國(guó)は長(zhǎng)期的戦略の下、持久戦に持ち込む構(gòu)えだ。対立激化で世界は分?jǐn)啶丹?、経済発展が阻害される恐れがある。
◆2期目勝利VS持久戦略
トランプ大統(tǒng)領(lǐng)は事実上今年秋から始まる次期大統(tǒng)領(lǐng)選挙の勝利が最大の目標(biāo)。対中強(qiáng)硬路線を人気の源泉と見ており、途中で引き下がるわけにいかない。景気動(dòng)向とマーケットがアキレス腱で、株価が下落すれば一気に逆風(fēng)にさらされる。
一方、中國(guó)の習(xí)近平政権は持久戦に持ち込む戦略だ。4月に北京で「アジア文明対話大會(huì)」が開催され、アジアの47カ國(guó)などから約2千人が參加したた。席上、習(xí)國(guó)家主席は「もし各國(guó)が孤島に閉じこもれば、人類文明は活力を失う。各國(guó)が開放精神を守り、政策の意思疎通、円滑な貿(mào)易などを促進(jìn)することを願(yuàn)う」と保護(hù)主義に走る米國(guó)を批判した。
トランプ大統(tǒng)領(lǐng)は五月中旬、米企業(yè)が安全保障上の脅威がある外國(guó)企業(yè)から通信機(jī)器を調(diào)達(dá)するのを禁じる大統(tǒng)領(lǐng)令に署名。米商務(wù)省は華為技術(shù)(ファーウェイ)への米國(guó)からの輸出を原則禁止すると発表した。
米國(guó)の強(qiáng)硬姿勢(shì)の背景にはハイテク覇権爭(zhēng)いでの中國(guó)封じ込めや米中貿(mào)易交渉で譲歩を迫るという狙いがあるが、クアルコムやマイクロソフトといった米IT企業(yè)にとってファーウェイは大口顧客であり、取引停止は経営上の痛手となる。ファーウェイはソニーや村田製作所など日本企業(yè)からも年間66億ドル(約7千憶円)に及ぶ電子部品などを調(diào)達(dá)。輸出品に米國(guó)原産の機(jī)微技術(shù)や部品が使われている場(chǎng)合は取引が差し止められ、違反すれば米國(guó)から制裁を受ける恐れもある。
長(zhǎng)期的にみて深刻なのはイノベーションの停滯。5G(次世代通信システム)を主導(dǎo)するファーウェイの排除で5Gネットワークの整備が遅れると、その上で実現(xiàn)する自動(dòng)運(yùn)転や遠(yuǎn)隔診斷など次世代サービスも遅延する。米中ハイテク新冷戦は世界経済にとって大きなリスク要因となる。
◆歐州?アジアは米の要請(qǐng)に乗らず
技術(shù)力や品質(zhì)を誇るドイツは「安全対策は通信法で定められ政府によって検証もされている」と、ファーウェイを政府調(diào)達(dá)から排除しない判斷を下した。英國(guó)は「5Gについては各國(guó)が判斷する」と米國(guó)に追隨しない考えで、マクロン仏大統(tǒng)領(lǐng)も「ファーウェイを排除することは考えていない」と明言した。世界の大勢(shì)は「経済的なメリット」を重視している。
米國(guó)の事実上の対ファーウェイ禁輸措置はスマホ販売に打撃になるが、同社はこれまで泣きどころだった半導(dǎo)體の內(nèi)製化にも、子會(huì)社ハイシリコンなどを活用し取り組んでおり、同社は「米國(guó)に依存しない體制が整いつつある」と強(qiáng)気の姿勢(shì)。部品産業(yè)に詳しい日本のアナリストは「半導(dǎo)體の開発能力があるため、ファーウェイへの深刻な影響は考えにくい」と見る。
ファーウェイが標(biāo)的になったのは、同社が次世代通信「5G」の技術(shù)で米國(guó)などを大きくリードしているためだ。貿(mào)易問(wèn)題では妥協(xié)が可能でも、次世代の技術(shù)覇権を巡る爭(zhēng)いは根が深く、米國(guó)は今後も次々と中國(guó)に揺さぶりをかける可能性が高い。
ファーウェイについては、アジア諸國(guó)も同様で「ノウハウをはるかに超えており、可能な限りファーウェイの技術(shù)を利用していきたい」(マハティール?マレーシア首相)とするところが多い。
トランプ氏は自身の業(yè)績(jī)を株価の上昇と重ねてきたが、米中摩擦が激化すれば株価がさらに下落しシナリオが狂う。強(qiáng)気の背景になっている米國(guó)景気拡大も陰りが見え、米小売り額がマイナスに陥り、製造業(yè)景況感指數(shù)などが徐々に弱さを示し始めた。
◆5月中の株価下落で、世界の時(shí)価総額540兆円減少
トランプ氏が対中制裁関稅の引き上げを表明した5月初旬以降1カ月余りで世界の株式時(shí)価総額は5兆ドル(約540兆円、6%)減少した。なかでも米アップルや米クアルコムなどIT(情報(bào)技術(shù))関連企業(yè)が含まれる電子技術(shù)が8000億ドル(約87兆円、12%)減、米キャタピラーや日本の空気圧制御機(jī)器トップSMCなどの製造業(yè)が4200億ドル(約45兆円、9%)減と目立つ。2つのセクターの合計(jì)では130兆円余りに達(dá)する。
関稅を巡る交渉では、トランプ大統(tǒng)領(lǐng)が五月初旬に「中國(guó)が合意文書案を撤回した」ことを理由に、2千億ドル(約22兆円)分の中國(guó)製品に15%の追加関稅の発動(dòng)を決定した。
さらに米通商代表部(USTR)が打ち出した中國(guó)への制裁関稅「第4弾」は身近な消費(fèi)財(cái)を一気に網(wǎng)羅した。特に大きいのがスマホなど中國(guó)に依存するIT機(jī)器だ。スマホなどへの関稅引き上げは中國(guó)の工場(chǎng)だけでなく、米國(guó)の消費(fèi)者も打撃を受ける「もろ刃の剣」だ。日本の電子部品メーカーにも飛び火する。
第4弾が実際に発動(dòng)され中國(guó)も報(bào)復(fù)すれば、雙方の経済が打撃を受ける。IMFの試算によると、米中の貿(mào)易は長(zhǎng)期的に30~70%落ち込み、國(guó)內(nèi)総生産(GDP)を米國(guó)で0.6%、中國(guó)で同1.5%程度引き下げる恐れがある。世界の株価下落は世界貿(mào)易の停滯による成長(zhǎng)率低下を織り込み始めり、このまま対立が激化すればさらなる大波亂に陥ろう。
◆中國(guó)エコノミストは「アジアの時(shí)代」に自信
こうした中、朱光耀?前財(cái)務(wù)次官を団長(zhǎng)とし、龍永図?元商務(wù)次官、金瑩?中國(guó)社會(huì)科學(xué)院日本研究所教授はじめ著名エコノミスト、実務(wù)経験者からなる代表団が來(lái)日。「中國(guó)政府は積極財(cái)政対策を講じるなど中國(guó)政府は経済の持続可能な成長(zhǎng)のための努力を続けており安定的な成長(zhǎng)を維持している」「中米摩擦は構(gòu)造改革を促し、さらなる発展につながる」「アジア人によるアジアの時(shí)代を、中日は主要國(guó)としてリードして正解に貢獻(xiàn)できる」などと自信を見せた。
政府による國(guó)內(nèi)企業(yè)支援が公正な競(jìng)爭(zhēng)に反するのではとの質(zhì)問(wèn)には「國(guó)際慣行に沿ったもので差別的政策はない。各國(guó)が産業(yè)育成策をとっており、中國(guó)は日本に範(fàn)をとった。米國(guó)は宇宙、電子産業(yè)を保護(hù)しているし歐州はエアバスを守っている」と反論した。
5月10日、米中通商交渉の中國(guó)側(cè)責(zé)任者である劉鶴副首相が中國(guó)メディアに対し、米中通商交渉決裂の內(nèi)幕を初めて明かした。(1)米中貿(mào)易摩擦の発端は米國(guó)が中國(guó)に関稅をかけてきたことにある。したがって合意に達(dá)するためには、追加関稅を全廃しなければならない、(2)昨年12月の米中首脳會(huì)談の際に雙方は、中國(guó)の米國(guó)からの輸入拡大の數(shù)値に関して合意した。(それを米側(cè)が変えようとしているが)合意した數(shù)値目標(biāo)を簡(jiǎn)単に変えるべきではない、(3)どの國(guó)にも國(guó)家の尊厳というものがある?;イい螄?guó)家を尊重した、バランスの取れた表現(xiàn)にしなければならない―など3點(diǎn)を指摘した。
◆中國(guó)の貿(mào)易、EUと一帯一路関係國(guó)が大半
経済産業(yè)省によると、中國(guó)の貿(mào)易相手はEUと一帯一路関係國(guó)が大半。特に一帯一路関係國(guó)は輸出で640兆円と米國(guó)の430兆円の1.5倍で現(xiàn)在時(shí)點(diǎn)の差はさらに拡大している。內(nèi)需も14億人の人口を擁し、中國(guó)の有力エコノミストは「米國(guó)抜きでもやっていける」と自信を深めている。
このまま米中の対立が激化すれば、世界が「米國(guó)か非米國(guó)か」の2極に分かれる可能性もある。その場(chǎng)合、覇権國(guó)家?米國(guó)が主張する「政治的安全保障」より、消費(fèi)大國(guó)?中國(guó)を中心とした「グローバル経済」支持に多くの國(guó)が傾く可能性もある。
今後、米中間の経済貿(mào)易交渉はどこに向かうか。中國(guó)商務(wù)省筋によると、中國(guó)側(cè)がこれまでに合意した?jī)?nèi)容の大半を「予定通り」に守ると約束し、その代わりに、米側(cè)にこれ以上のことを要求しないよう求めるという。
それでも劉鶴氏が挙げた「譲歩できない」3點(diǎn)をめぐって、激しい攻防が予想されるが、中國(guó)側(cè)はこれに関しても一定の譲歩を最後の段階で見せる可能性がある。そのうち、「追加課稅の完全撤廃」は絶対譲れないが、米國(guó)の製品や農(nóng)産物の買い付け額に関しては一定の交渉の余地を殘し、合意文書に関しても「均衡」を求めながら詰めの幅を殘しているという。
◆6月の大阪G20での米中首脳會(huì)談に期待
米中の対立は“我慢比べ”の様相を呈しているが、トランプ大統(tǒng)領(lǐng)は次の大統(tǒng)領(lǐng)選が近づき、早期の成果を切望している。6月下旬の大阪G20(20か國(guó)首脳會(huì)議)で米中首脳が會(huì)談し、合意に達(dá)すれば世界経済の大波亂は避けられるが、體制の相違が絡(luò)む覇権爭(zhēng)いだけにハードルは高い。貿(mào)易立國(guó)?日本にとって世界経済のさらなる悪化は大打撃。ホスト國(guó)?日本は建設(shè)的な米中対話が実現(xiàn)するように両國(guó)に働きかける必要があろう。
■筆者プロフィール:八牧浩行
1971年時(shí)事通信社入社。 編集局経済部記者、ロンドン特派員、経済部長(zhǎng)、常務(wù)取締役編集局長(zhǎng)等を歴任。この間、財(cái)界、大蔵省、日銀キャップを務(wù)めたほか、歐州、米國(guó)、アフリカ、中東、アジア諸國(guó)を取材。英國(guó)?サッチャー首相、中國(guó)?李鵬首相をはじめ多くの首脳と會(huì)見。東京都日中友好協(xié)會(huì)特任顧問(wèn)。時(shí)事総合研究所客員研究員。著?共著に「中國(guó)危機(jī)ー巨大化するチャイナリスクに備えよ」「寡占支配」「外國(guó)為替ハンドブック」など。趣味はマラソン(フルマラソン12回完走=東京マラソン4回)、ヴァイオリン演奏。
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