かつて毛沢東は唯武器論（ゆいぶきろん）で戦爭(zhēng)では武器の豊富さも重要だが、それよりも重要なのは人間であると述べている。この論を博物館の狀況に當(dāng)てはめてみると、博物館では展示物の豊富さも重要だが、重要なのは學(xué)蕓員ということになるだろう。今回は河北省の省都?石家莊市の河北博物院でたまたま目撃したアニメ原畫展の様子となかなか見られない學(xué)蕓員のユニークなミスをご報(bào)告したい。

【その他の寫真】

河北博物院は1952年に河北省保定市に建設(shè)され、1982年に石家莊市に移設(shè)。寫真1を見ればわかるが、さすがに巨大な博物館で、入館無料ということもあり、休日の早朝ともなると入口は長(zhǎng)蛇の列になる。展示品については思わず?jiǎn)垽椁护霊閲?guó)時(shí)代の出土品もあり、展示されている立派なナウマン象の化石（寫真2）を見ると學(xué)蕓員の真面目な仕事ぶりが窺える。

河北博物院の2階で「漫遊奇境 動(dòng)漫原畫特展」というアニメ原畫を展示する特別展示が開催されていた。內(nèi)部ではディズニー作品や日本のアニメ作品の原畫が並べられ、寫真3のようにアニメとは數(shù)枚の原畫が重なっていると説明するインスタレーションもあり、展示內(nèi)容は非常に有意義だと感じたのだが…。日本のアニメ作品の作者名に注目すると、ありえない間違いが連続して発生していた。

寫真4は『名探偵コナン』のアニメ原畫だが、寫真5に注目すると『名探偵コナン』の紹介が「1984年　Tetsuo Hara」と表記されていた。寫真6は『北斗の拳』の原畫だが、寫真7の作品紹介のプレートには作者が「Gosho Aoyama」となっており、『名探偵コナン』の作者の青山剛昌と『北斗の拳』の作畫の原哲夫がなぜか誤表記で入れ違っていた。2人とも中國(guó)でも有名な漫畫家なので、アルファベットではなく、簡(jiǎn)體字で作者名が表記されていれば學(xué)蕓員の誰かはミスに気付いたのかもしれない。

當(dāng)然、作品と作者の名前が正確に表記された日本のアニメ作品も紹介されていたのだが、寫真8の『鉄腕アトム』、寫真9の『らんま1/2』も作者が「Gosho Aoyama」と誤表記されており、筆者も書籍やこのような記事の執(zhí)筆の際には校正作業(yè)の重要さを思い知らされることになる。筆者が知る限り、日本の博物館で勤務(wù)する學(xué)蕓員の資格試験はかなり難しく狹い門であり、多忙な業(yè)務(wù)とのことだ。中國(guó)の學(xué)蕓員もそれほど大差はないと考えられ、今回の誤表記は多忙な業(yè)務(wù)の中で発生したうっかりミスの可能性大だ。

中國(guó)のアニメ産業(yè)は長(zhǎng)年、日本産アニメ制作の下請(qǐng)けをしていた実績(jī)もあり、近年は急成長(zhǎng)を遂げている。日本の博物館や美術(shù)館でも中國(guó)やアジア各國(guó)のアニメ原畫展を開催しても面白いのではないだろうか？（すでに開催されていても筆者が知らないだけの可能性もあるが）。

■筆者プロフィール：関上武司

1977年の愛知県生まれ。愛知大學(xué)経営學(xué)部卒。中國(guó)で留學(xué)や駐在員としての勤務(wù)経験あり。日本や中國(guó)のB級(jí)スポットを紹介するブログ?軟體レポートの管理人。中國(guó)遊園地の取材で中國(guó)の全省、全自治區(qū)、全直轄市へ訪問。會(huì)社員の傍ら、「中國(guó)遊園地大図鑑」シリーズを執(zhí)筆し、メールマガジンのロードサイダーズ?ウィークリーにて「ROADSIDE CHINA 中國(guó)珍奇遊園地紀(jì)行」を連載中。このほかイベントも開催している。

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