韓國の文在寅大統(tǒng)領(lǐng)は6月末の米韓首脳會談後、日米が唱える「自由で開かれたインド太平洋戦略（FOIP）」に「協(xié)調(diào)する」と表明した。同時期の中韓首脳會談で中國の習(xí)近平國家主席からは在韓米軍に配備された高高度迎撃ミサイル（THAAD）問題でクギを刺された。文大統(tǒng)領(lǐng)はまた米中の狹間に入り込みつつあるようだ。

FOIPは中國を念頭に日本、米國、インド、オーストラリアなどが安保?経済で連攜するという大きな枠組みの構(gòu)想で、中國が主導(dǎo)する現(xiàn)代版シルクロード経済圏構(gòu)想「一帯一路」に対抗する狙いもある。6月末に大阪で開かれた20カ國?地域（G20）首脳會談に合わせ、安倍晉三首相、トランプ米大統(tǒng)領(lǐng)、モディ印首相が會談し構(gòu)想の推進を確認した。中國は対中國封鎖戦略と見なし反発している。

韓國?中央日報によると、米國側(cè)は5月9日、ソウルで開かれた第11次日米韓防衛(wèi)実務(wù)者協(xié)議（DTT）で韓國にFOIPへの參加を求めた。FOIPについて韓國政府は中國への刺激を避ける意図などから、これまで「もう少し協(xié)議が必要」などと繰り返し、旗幟（きし）を鮮明にしていなかった。

文大統(tǒng)領(lǐng)は6月30日、ソウルで行われた米韓首脳會談の共同記者會見で「（韓國が東南アジア諸國と戦略的協(xié)力を強化する）新南方政策とFOIPの調(diào)和ある?yún)f(xié)力を推進する」と明言した。文大統(tǒng)領(lǐng)が「協(xié)調(diào)する」と公に発言したのは初めて。トランプ大統(tǒng)領(lǐng)は「首脳會議では経済的なバランス、貿(mào)易、軍事などをめぐる話があった」と語っており、文大統(tǒng)領(lǐng)に改めてFOIPへの參加を迫ったとみられる。

一方、朝鮮日報によると、習(xí)主席は6月27日の大阪での中韓首脳會談で、THAAD問題を真っ先に取り上げ、「解決に向けた方策が検討されることを望む」と述べた。習(xí)主席が直接THAADに言及したのは、2017年12月に北京で行われた中韓首脳會談以來、1年6カ月ぶりだった。韓國政府はこの年の10月、中國に対し「THAADの追加配備は行わない」「米國によるMD（ミサイル防衛(wèi)）には參加しない」「韓米日同盟には加わらない」といういわゆる「三不」を約束した。

その際、韓國政府はTHAADについて「封印された」との立場を明確にし、「この線で決著がついた」「（中國は）これ以上この問題を取り上げない」などと説明していた。朝鮮日報は社説で「この問題から得られる教訓(xùn)は明確だ。國家間の関係、とりわけ中國のような國との関係では一度原則なしに譲歩してしまえば、それが終わりとはならず、その後もずっと押し切られるということだ。中國は米國による反中政策に最も協(xié)力的な日本に対しては、韓國のように圧力を加えていない。つまり韓國は中國から完全に見下されているのだ」と嘆いた。（編集/日向）