中國メディアの央視新聞は8月3日、中國大陸から臺灣への個人旅行が全面停止された問題で、臺灣メディアから懸念の聲が上がっていると伝えた。

7月31日、文化観光部は『海峽両岸旅游交流協(xié)會が大陸住民の臺灣個人旅行の試験的実施を暫時停止する公告』を発表し、2019年8月1日から大陸の47都市の住民が個人で臺灣へ旅行することを當面停止すると発表した。2011年6月28日に上海、北京、アモイの3都市から臺灣への個人旅行が開放されて以來、現(xiàn)在では合計47都市から臺灣への個人旅行が試験的に認められている。記事によると、これまでに、のべ723萬人を超える大陸観光客が臺灣を訪れているが、その內(nèi)訳は団體旅行客と個人旅行客がそれぞれ半分を占めている。2018年、大陸から臺灣を訪れた団體旅行客はのべにして約130萬人、FIT（Full Independent Tour、少人數(shù)グループ旅行）がのべ140萬人だったという。記事は「大陸からの臺灣行き個人旅行が當面中止されたことで、臺灣の観光産業(yè)に大きな衝撃がもたらされるだろう。とりわけ個人旅行客から人気が高い花蓮、南頭などは極めて大きな痛手になるだろう」と述べた。

次に「専門家は、影響は個人旅行だけにとどまらないだろうと見ている」と指摘。臺灣の観光部門は、8月から來年2月までに臺灣を訪れる大陸観光客はのべ70萬人に減少すると予測しているという?；ㄉ彜胜嗓斡Q光業(yè)者も「個人旅行の観光客は旅行客の中で大きな割合を占めており、大きな消費をもたらす。制限令が実施されれば、地元の観光産業(yè)にかなり大きな衝撃をもたらすだろう」と語っているという。

記事はさらに、「個人旅行は滯在日數(shù)が長く、若い人が多い市場のため、かなり広い範囲に影響が及ぶだろう。下半期の臺灣観光産業(yè)は168億元（約2580億円）の損失が見込まれる」とし、「臺灣『観光発展協(xié)會』の柯牧州（カー?ムージョウ）副理事長は、近年大陸から臺灣に訪れる観光客の1人1日あたり平均の消費額は約6200新臺灣元（約2萬1000円）と試算している。経済學の産業(yè)チェーン『後方関連効果』の概念に照らせば、大陸からの観光客1人が臺灣で1新臺灣元（約3円）使えば、臺灣の観光産業(yè)全體にとっては2．5新臺灣元（約8円）の効果をもたらすことになる。これに基づいて計算すると、下半期の臺灣観光産業(yè)の生産値は760億新臺灣元（約2580億円）減少するものと見込まれる」と指摘?？赂崩硎麻Lは、「下半期の大陸からの個人旅行客數(shù)が減少すると、ホテル、レンタカーなど大陸からの旅行客に依存していた多くの産業(yè)は大量の失業(yè)者に見舞われるだけでなく、極端な場合『食べていけない』苦境に直面するだろう」と指摘しているという。

記事は最後に「臺灣の交通部門は、今年第4四半期に『秋冬旅行キャンペーン』として観光産業(yè)に36億新臺灣元（約122億円）の予算を投入する考えだ。団體、個人旅行客に補助を出すのに加え、入園料の割引などの刺激策を推進する。だが、臺灣メディアはこうした措置は旅行業(yè)の損失を補えないだけでなく、落ち著きを裝っているだけだと評している」とし、「『中時電子報』の頼岳謙（ライ?ユエチエン）社長は『大陸がこうした挙に出た核心は蔡英文當局の目を覚まさせて両岸関係の平和発展の重要性を正視させることに他ならない』と論評している。だが、民進黨當局の行政部門は、『今回の措置は臺灣當局を罰することはできず、旅行客や観光産業(yè)の人々を苦しめるだけだ』と主張している」と伝えた。

記事は「こうした他人事のような言い方は人々をがっかりさせるだけではなく、人々にこの政府はまるで両岸関係がこう著している原因の最大の根源が自分たちにあることを分かっていないという疑念を抱かせるだろう」と述べている。（翻訳?編集/坂下晃）