<在日中國人が見た日本>「靖國神社をどう思いますか?」=中國人観光客に聞いてみた

黃 文葦    2019年8月23日(金) 21時20分

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8月15日、令和時代の初めての終戦記念日。午後5時頃、私は靖國神社の遊就館に行った。

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8月15日、令和時代の初めての終戦記念日。午後5時頃、私は靖國神社の遊就館に行った。臺風(fēng)の影響で、外は土砂降りだった。大勢の人が出口のところに集まっていた。その時、閉館のアナウンスが何回も繰り返し放送された。その聲を聞き、意識が歴史から現(xiàn)実に戻った…。

その他の寫真

その日、私は取材のために、Webマガジンの仲間たちと一緒に靖國神社へ行き、遊就館を見學(xué)した。歴史?戦爭について、みながそれぞれ考えさせられたことがあると思う。

そう言えば、往年の8月15日の靖國神社は、いつも「ニュースの現(xiàn)場」になっていた。今年、靖國神社は創(chuàng)立150年の節(jié)目だが、過去の8月15日と比べて、人がちょっと少ない気がした。十?dāng)?shù)年前の8月15日の靖國神社はたいへん混雑していて、大騒ぎになったという記憶を思い出した。今、熱狂の時代はすでに去っていったと感じた。その相対的な「靜寂」は、歴史ある神社の本來の姿を示すものではないか。しかし、神社の周りでは、往年の8月15日と変わらず、いくつかの団體が靖國神社と関係なさそうな政治主張をアピールしていた。

実は、16年前、日中関係に関する記事を書くために、私は一人のカメラマンの仲間と一緒に遊就館を見學(xué)?取材した。今回、16年前と同じように、私には最も衝撃的であったのは壁いっぱいに張り出されている戦沒者の寫真。青年たちのだれもが、まだあどけない表情を見せている。再び遊就館で戦爭のすさまじさを認(rèn)識し、普通の人々が戦爭に巻き込まれ、命まで落とし、戦爭は不幸しか生み出さないことを痛々しく感じた。

遊就館には戦闘服や鉄軍帽、機関銃など戦爭のさまざまな証が展示されている。それらの実物が無言で硝煙弾雨と戦爭の悲慘さを語っている。しかし、実物の傍に、多くの文字説明には多少主観的感情が込められているように見える。正直言って、文字が多すぎるのではないか、と考えた。客観的な簡潔な説明文があればいいと思う。人々が実物を見てから自分なりの思考を生み出すはずである。ちなみに、中國各地にも戦爭博物館が多數(shù)存在する。言うまでもなく傾向性が顕著だそうである。戦爭博物館の役割は何だろうか、と問いたい。恨みとナショナリズム感情を煽るのではなく、人間同士の寛容と未來志向を築かせるべきである。日本と中國、共同で戦爭博物館を作る日はいつ來るだろうか。

ちなみに、十?dāng)?shù)年前、「靖國神社」というキーワードを中國のマスコミがよく取り上げていた。長い間、日中両國の政治関係は険悪であった。中國側(cè)が日本の政治家の靖國神社參拝を猛烈に批判し、日本の政治家が靖國神社に行くことは、大きなニュースになるわけであった。

そう言えば、現(xiàn)在「靖國神社」は中國のマスコミと大衆(zhòng)に忘れられているらしい。一體、それはどういうことだろうか。日中関係の中で、政治の色が褪せてきたのか。日本と中國の外交姿勢と価値観は変わったのか。中國人の日本に対する好感度がアップしたのか。日本の政治家が「劇場政治」を捨てたのか…いろんな原因が考えられる。

靖國神社が「忘れられていること」が感慨深い。十?dāng)?shù)年前、私は新聞社に勤めていた期間、よく靖國神社をテーマに記事を書いていた。その際に、「いつか、靖國參拝を忘れられたらいい」と思っていた。なぜなら、靖國參拝が注目されることは、日中両國の政治関係がうっとうしい狀態(tài)だと証明されるからだ?,F(xiàn)在、やっと、日中関係が晴れて普通になっている。その「普通」が実に素晴らしいものだと思う。日本と中國、互いに「正常な軌道」に乗れば幸いである。

「靖國神社についてどう思いますか?」。8月15日前後、私は來日した中國人観光客に聞いてみた?!袱饯欷虾韦扦工Ed味ないよ。むしろ、どこの化粧品が安いかを教えてください」「靖國神社?昔のことよ」「靖國神社の桜がきれいと聞きました。來年桜の季節(jié)に行ってみたいです」とさまざまな答えが返ってきたが、いずれも「政治感覚」が薄くなった?!妇竾裆纭工夂幛啤⒅袊摔稳毡居Qが変わってくる。

そうだ、靖國神社の桜はきれい。観光客として、それを覚えていればいい。來年の春に日本旅行に來る観光客が、靖國神社の桜を楽しめばいい。

■筆者プロフィール:黃 文葦

在日中國人作家。日中の大學(xué)でマスコミを?qū)煿イ?、両國のマスコミに従事。十?dāng)?shù)年間マスコミの現(xiàn)場を経験した後、2009年から留學(xué)生教育に攜わる仕事に従事。2015年日本のある學(xué)校法人の理事に就任。現(xiàn)在、教育?社會?文化領(lǐng)域の課題を中心に、関連のコラムを執(zhí)筆中。2000年の來日以降、中國語と日本語の言語で執(zhí)筆すること及び両國の「真実」を相手國に伝えることを模索している。

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