漢民族（中國）がアメリカにとって代わる世界。それは、近づいてはいるが、克服しなければならない因子が2つある。一つは「自由」だ、と前回書いた。自由競爭原理の働かない経済は必ず停滯する。幸いいまは、アメリカと競爭している。

二つ目は人口の老朽化である。中國の強(qiáng)みは14億という人口にある。全人類が77億だから2割近くが中國人と言うことになる。この人口が、生産?消費(fèi)に関わるのだから、世界中に影響が及ぶ。人も物も流れ出し、あふれ出す。オマケに中華思想で武裝された民族は、一帯一路政策などで積極的に進(jìn)出する。第二次大戦前に植民地支配を通じて世界を支配した歐米とは比較にならない。フランスやイギリスなどは、直接的に英仏人が進(jìn)出して支配するより、間接支配の方法をとった。インドや東南アジア人の目の前には自國の支配層?経済があり、影に英仏がいたという図式である。

これに対して、巨大な人口を持つ中國は、人も、モノも金も出している。発展途上國の道路建設(shè)で、働いているのは中國人、現(xiàn)地に金も技術(shù)も落ちない。むろん批判が強(qiáng)くなり、最近は下火である。

それにしても、多數(shù)の人口は巨大な力である。だが、一人っ子政策が廃止されても、中國の人口は増えない。これは先進(jìn)國に近い狀態(tài)である。結(jié)婚や子育てという価値観が揺らいでいる。日本は少子高齢化のトップランナーだが、もう20、30年もすると韓國、そして中國にその少子高齢化が現(xiàn)実となるとされる。

手厚い子育て政策を行っても容易に人口が増えないという現(xiàn)象は先進(jìn)國共通の課題である?，F(xiàn)在、移民の増加で歐米では排斥運(yùn)動(dòng)が起こりつつある。豊かな社會(huì)と、平穏な文化共同體が破壊されるからである。しかし、現(xiàn)実には人口減少の特効薬は移民の受入しかない。余りに急激すぎた移民流入が一時(shí)的にストップしただけで、いずれ結(jié)局の所、コントロールしつつ移民は増加し、多文化共生の人類社會(huì)になっていくだろう。

中國の14億の人口が減少するのは、政府系調(diào)査研究機(jī)関の中國社會(huì)科學(xué)院によると29年にピークを迎え、30年から減少し始めるとの予測だ。もっとも、在米の人口問題研究家?易富賢氏などによると、「統(tǒng)計(jì)が政治的な影響を受けている」として、全國の病院が報(bào)告する出生數(shù)などを根拠に、人口減少が18年から始まっていると指摘した。その真?zhèn)韦悉趣猡?、楽観的に見ても10年後には減少していく。既に労働力人口は減少し、高齢化率は増えつつある。この減少は、人生そのものに対する捉え方、子育てそのものへの懐疑から來ている。いわば「進(jìn)歩する人類」という「種」の滅亡への契機(jī)と考えられぬ事もない。

「恐ろしい話だなあ、うん…」

とまあ、平等の実現(xiàn)は政策的に漸進(jìn)するとしても、人口課題は、「漢民族」の拡大の原動(dòng)力が人口であるから、その達(dá)成への大きな障害である。

先に挙げた「自由」については、日本の26倍の國土という巨大な社會(huì)として取り組むのは無理がある。解決策の一つは「アメリカ型統(tǒng)治」である。と言って社會(huì)主義國家でなくなれというわけではない。民主主義をどのような形で取り入れ発展するにしても、國土が巨大すぎるのだ。

もともと南部の揚(yáng)子江と北部の黃河流域では、稲作?畑作の違いがある。これは巨大な差異だ。気候風(fēng)土が異なる。また海岸部と、日本列島を橫にしても遙かに屆かない中部?奧地とでも異なる。こういう地理的環(huán)境で統(tǒng)一國家を築き維持するためには、地域の特性と獨(dú)自性を発揮させることが必要だろう。戦後の混亂期から、とにもかくにも統(tǒng)一國家として成立したが、先進(jìn)國化する中では、畫一的施策は困難になりつつある。

「で、アメリカ型？なんのこっちゃ？」

「ふふふ…。アメリカ合衆(zhòng)國というね」

「そうだよ」

「合衆(zhòng)國の『衆(zhòng)』は『州』ではないか、と言う議論がある」

「ああ、そうか」

例えばもう遙か昔、本多勝一という記者は「アメリカ合州國」だと主張している。アメリカの50州は、議會(huì)も州兵軍も持っている。そして、なんと法律さえ違う。ある州では同性婚は可、大麻も可といったことだ。大阪では死刑制度があるが、東京では死刑はない、そういう感じを考えてもらえば判る。日本では大混亂になるだろうが、アメリカではそうならない。それぞれの州が、半ば獨(dú)立し、州の住民意識(shí)も高い。アメリカでは自由も平等も州によって相當(dāng)に差異があるのだ。

この仕組みを中國に取り入れれば、漢民族主體の中國は安定する。GDPがアメリカを越すだろうと予測される中、巨大國家が民主主義の自由と平等を達(dá)成しつつ、生き殘る道である。中國が先進(jìn)國になる時(shí)間はすぐである。人口も減り始める。とすると14億の人口を持つ國に移民が流入し始めるという現(xiàn)象を、われわれは見ることになるだろうか。たぶん…。

オワリ

■筆者プロフィール：石川希理

1947年神戸市生まれ。団塊世代の高齢者。板宿小學(xué)校?飛松中學(xué)校?星陵高校?神戸學(xué)院大學(xué)?仏教大學(xué)卒です。同窓生いるかな？小説?童話の創(chuàng)作と、善く死ぬために仏教の勉強(qiáng)と瞑想を10年ほどしています。明石市と西脇市の文蕓祭りの選者（それぞれ隨筆と児童文學(xué)）をさせていただいています。孫の保育園への迎えは次世代への奉仕です。時(shí)折友人達(dá)などとお酒を飲むのが楽しみです。自宅ではほんの時(shí)折禁酒（笑）。中學(xué)教員から県や市の教育行政職、大學(xué)の準(zhǔn)教授?非常勤講師などをしてきました。児童文學(xué)のアンソロジー単行本數(shù)冊。小説の自家版文庫本など?！竿捊}本の読み方とか、子どもへの與え方」「自分史の書き方」「人権問題」「瞑想?仏教」などの講演會(huì)をしてきました。

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