●中國(guó)の新學(xué)期風(fēng)物詩(shī)、軍事教練

【その他の寫真】

日本と違い、中國(guó)では新學(xué)期のスタートは歐米と同じ9月。新學(xué)期の授業(yè)に入る前に新入生たちには「軍事教練」が待ち受けている。法律で決まっているので身體に問(wèn)題がない限りこれは誰(shuí)も逃げられない。小中學(xué)校では整列や行進(jìn)といった集団行動(dòng)の基礎(chǔ)。高校ではもう少し進(jìn)んで座學(xué)があったり、大學(xué)になると実際に格闘技や銃に觸れることのできる軍事教練も登場(chǎng)する。以前、內(nèi)モンゴルハイラルを夏の終わりに訪問(wèn)した際、ホテルの隣がちょうど軍事教練中の高等中學(xué)（高校）で、うるさい號(hào)令や掛け聲で晝寢もできず、しかたなく街中散歩に避難した。（畫像1 軍事教練を終え下校中の生徒）

日本でも、小中學(xué)校で體育の最初の授業(yè)は整列行進(jìn)なので、愛(ài)國(guó)教育、國(guó)防教育以外は體操服と迷彩服の違い程度と思っておけばよさそうだ。また、中國(guó)ではいわゆる「部活」がないので、仲間と困難を克服するといった共通體験を得られる貴重なイベントでもある。

●なんと幼稚園でも軍事教練

ある日、テレビで內(nèi)モンゴルの赤峰影視娯楽ch『快楽寶貝』という幼稚園番組をなにげなく観ていたら軍事教練をやっていた。障害物訓(xùn)練、塹壕戦ごっこ、救護(hù)班ごっこといった見(jiàn)た目だけ本格的で幼稚園児が喜びそうな內(nèi)容だ。（畫像2 『快楽寶貝』）

この『快楽寶貝』という番組、赤峰市地元幼稚園でのイベントを紹介する週1番組。このほかにも赤峰影視娯楽chには、小學(xué)生版『希望之星』、ガテン系版『すばらしい建設(shè)者』といったスベリまくり學(xué)蕓會(huì)番組がラインナップ。筆者にとっては毎回脫力體験できる優(yōu)良放送局だ(笑)。

さすがに幼稚園なので解放軍ドラマに出てくるような「丸太擔(dān)ぎ」や「放水」はなかったが、幼稚園でもこのようなイベントが行われていることに興味を持った。內(nèi)モンゴルのド田舎の幼稚園でも軍事教練があるのなら、おそらく他の地域でも流行っているはずだと思い、ここから筆者の幼稚園軍事教練に関する調(diào)査が始まった。

中國(guó)では高等中學(xué)（高校）が一部特區(qū)で義務(wù)教育化の試験運(yùn)用をしているが、日本同様、幼稚園は義務(wù)教育からは外れている。そのためか、幼稚園の多くの軍事教練は新學(xué)期の9月ではなく、6月1日の「児童節(jié)」（子供の日）といった祝日、あるいは夏休み中のサマーキャンプイベントを中心として開(kāi)催されているようだ。先日、こちらで紹介した『作曲家ショスタコーヴィッチが殘した抗日遺産』の抗日學(xué)蕓會(huì)同様、中國(guó)の動(dòng)畫サイトを漁ると父兄や幼稚園スタッフが撮影した軍事教練の動(dòng)畫が多數(shù)アップロードされている。

●ママと一緒、ちびっこ兵士

多くのそういった動(dòng)畫を観ているとプログラムのパターンがつかめてきた。まずは國(guó)旗掲揚(yáng)と國(guó)歌斉唱ではじまる開(kāi)會(huì)式のあと軍事パレード。（畫像3 國(guó)旗掲揚(yáng)）幼稚園児なので列もそろわず、おしゃべりばかりなのが可愛(ài)らしい。その後、いろいろな種類の障害物競(jìng)走が繰り広げられる。玩具であるが、なかには手榴弾投げや射撃、迫撃砲も登場(chǎng)する。さすがに日本で同じことをやったら市民団體から猛抗議を受け炎上間違いなしの內(nèi)容。「親子軍事活動(dòng)」といった名目なので、多くは親子ペアの種目である。その間に、お遊戯や先生やPTAの広場(chǎng)舞といった出し物が登場(chǎng)する。（畫像4 手榴弾）（畫像5 戦車の次は迫撃砲）

このように軍事教練の名を借りた運(yùn)動(dòng)會(huì)としか思えないが、進(jìn)行役には明らかに軍人と思われるスタッフが號(hào)令をかけたりしている。しかも何故かMCが異常に上手いのも謎である。

●アウトドア活動(dòng)の一環(huán)としても

もう一つのタイプ、サマーキャンプ軍事教練は日本の幼稚園でもやっている「お泊り會(huì)」に近い。整列、行進(jìn)、障害物競(jìng)走などの軍事教練のほか、ピクニック、キャンプファイヤー、お料理會(huì)、といった?jī)?nèi)容で、制服が違う程度でボーイスカウト活動(dòng)とあまり変わりがない。ちなみに中國(guó)はボーイスカウトの元締め世界スカウト連盟には未加入で、在中外國(guó)人の一部が細(xì)々と活動(dòng)している程度だ。（畫像6 キャンプ）

國(guó)民所得も上昇し、それに合わせそもそも義務(wù)教育ではない幼稚園も増加、親もどこの幼稚園に入園させるか気になるであろう。幼稚園側(cè)もいかに園児を集め経営を安定させるか悩みどころ。そのため獨(dú)自カリキュラムや豪華設(shè)備などをアピールし、その一環(huán)として、こういったアウトドア行事を企畫している。また、おそろいの迷彩服やグッズ販売で多少なりとも幼稚園側(cè)にも儲(chǔ)けがでるので、イベントに親が満足すれば、幼稚園側(cè)とwin-winの関係でもある。

●軍事教練を引き受ける専門業(yè)者

MCのやたら上手い軍事教官だが、おそらく軍事研修會(huì)社から派遣されたスタッフの可能性がある。中國(guó)各地には軍事教練を軸としたイベント、研修を引き受ける業(yè)者が多數(shù)存在する。中國(guó)の転職サイトを見(jiàn)たら地域によって差があるが、教官の月給は3千元から8千元ほど、退役軍人の受け皿ともなっている。募集要項(xiàng)には軍歴5年以上必須、身長(zhǎng)180以上（女子160）、特殊部隊(duì)出身者優(yōu)遇などとあり、元軍人以外は門前払いのようだ。（畫像7 転職サイト）

このような軍事研修會(huì)社、この稿で紹介した學(xué)校の軍事教練はもとより、マスゲームの指導(dǎo)、企業(yè)研修、はたまたサバゲー研修、バーべQ(mào)イベントなど幅広くメニューを展開(kāi)している。軍隊(duì)のノウハウを用いた集団活動(dòng)の管理メソッドが得意のようだ。企業(yè)研修は當(dāng)然のことながら「モーレツ研修」「地獄の訓(xùn)練」といった日本でいえば前近代的なブラック研修を思わせる。（畫像8 業(yè)者サイト）

富士宮駅前で大聲で歌わされる日本の研修會(huì)社とこのような中國(guó)の軍事研修會(huì)社、どちらの研修がキビシイか、どなたか鋼のメンタルの持ち主に両方參加していただき感想を聞いてみたいものだ。あ、私はムリです(笑)。

■筆者プロフィール：巖田宇伯

1963年生まれ。景徳鎮(zhèn)と姉妹都市の愛(ài)知県瀬戸市在住。前職は社內(nèi)SE、IT企畫、IT基盤の整備を長(zhǎng)年にわたり擔(dān)當(dāng)。中國(guó)出張中に出會(huì)った抗日ドラマの魅力にハマり、我流の中國(guó)語(yǔ)學(xué)習(xí)の教材として抗日作品をはじめとする中國(guó)ドラマを鑑賞。趣味としてブログを數(shù)年書(shū)き溜めた結(jié)果、出版社の目に留まり『中國(guó)抗日ドラマ読本』を上梓。なぜか日本よりも中國(guó)で話題となり本人も困惑。ブログ、ツイッターで中國(guó)ドラマやその周辺に関する情報(bào)を発信中。

twitterはこちら
ブログはこちら