「服は商品ではなく、蕓術(shù)品である」この言葉は、昨年に出會(huì)ったスーツデザイナー?経営者の孫滌非さんが発するもの。孫滌非さんは中國(guó)瀋陽(yáng)出身、現(xiàn)在埼玉県八潮市に在住。ナポリ南方工法の伝承者、世界文化財(cái)の保有者、ハンドメイドスーツの第一人者だと言われる。自身の名前DIFEI(ディフェイ)をつけたスーツブランドが日本で高く評(píng)価されている。

孫さんは「文化」に執(zhí)著心を持ち、常に周りの人に中國(guó)の伝統(tǒng)文化を熱く語(yǔ)っている。30數(shù)年間、日本と中國(guó)の間で生きている。そして獨(dú)自の感性と価値観を養(yǎng)ってきた。「日本文化と中華文化の共通點(diǎn)は多く、例えば、すべての文明と自然に対して敬意を払い、人々が互いに尊重しあうこと。西郷隆盛が好んで使う『敬天愛(ài)人』という言葉は、中華文化の儒教?仏教?道教にもよく教わるものである」、孫さんは文化の力を自身の作品（商品）に仕込もうとしている。デザイナーの身分以外に、孫さんは畫(huà)家?教育者でもある。

孫さんは1988年に來(lái)日。1992年、宮城教育大學(xué)グラフィックデザイン専攻（修士）を卒業(yè)した後、八潮市にある工作機(jī)械を製造する會(huì)社に就職、図面書(shū)きの仕事を5年間していた。1997年、中國(guó)に戻り、市場(chǎng)（テーラー）代表者になった。2000年、大連雙葉服飾有限公司の首席設(shè)計(jì)師を務(wù)めた。2003年、日本で有限會(huì)社ディフェイを立ち上げ、自ら社長(zhǎng)?チーフデザイナーを擔(dān)當(dāng)する。2010年から6年間、中央美術(shù)學(xué)院の教授を務(wù)めていた。3年前に日本に戻り、紳士服職人という天職を全うすると決意した。2019年4月から、デザイナーの仕事をしながら、東京にあるファッション専門(mén)學(xué)校で教鞭を執(zhí)る。

20數(shù)年たっても、変わらないことがある。孫さんはほぼ毎日アイロン臺(tái)の前に立つ。自らスーツ一著一著に心を込めて丁寧にアイロンをかける。それでも蕓術(shù)を創(chuàng)作する過(guò)程、そういう作業(yè)をいつも一人で孤獨(dú)に楽しくこなすという?！缸苑证|術(shù)家であり、生きることには、孤獨(dú)は第一の條件、孤獨(dú)を楽しめる力こそ私のプライドです」と孫さんが語(yǔ)ってくれた。

日本で注文をうけ、中國(guó)大連にある工場(chǎng)で製作するという形でハンドメイドスーツ事業(yè)を営んでいる。DIFEIスーツを製造するには570の工程を経なければならない。一著のスーツには150時(shí)間かかるという。最初に服のデザインを練るのは孫さんである。手順の最後も自分の手でハンドメイドスーツという「作品」を出來(lái)上がらせる。その達(dá)成感の大きさを想像できる。

「デザインの理念は、飾らないで真実を伝えること。人に思いやりを持ちながら、人のためにものを作る。言うまでもなく、家族の間も思いやりが大事で、親子関係も、夫婦関係も、思いやりがなかったら、家族が崩壊する。ずっと自分のデザインは全部面白くて全部よかったと思っている。デザインは私の『遊び』だと言いたい。デザインは本能、テクニックは二の次です」と孫さんは自信満々にデザインの理念を語(yǔ)った。

なぜハンドメイドにこだわるのか。「ハンドメイドのものは溫もりと溫度感がある。人間的に考え方が込められている。私は機(jī)械が嫌いです。機(jī)械を生かせば大もうけできるかもしれない。それは立派な商売人?成功者だけれど、蕓術(shù)家とは無(wú)縁である。私は『蕓術(shù)』を経営?販売する。私の中では、服は商品ではなく、蕓術(shù)品である?！菏|術(shù)品』でぴったり體に合うハンドメイドスーツをまとって、ゴルフでも気軽にできる?，F(xiàn)在、お客さんはほとんど日本人。殘念ながら現(xiàn)在中國(guó)は正真正銘のスーツ社會(huì)になっていない。日本ではスーツが普及している。日本のスーツ市場(chǎng)がいい。これから、経済面には豊かになってきた中國(guó)でもだんだんハンドメイドスーツ文化を普及できればと思う」と話(huà)してくれた。

孫さんにとって、経営上の失敗と言えば、大手アパレル會(huì)社との取引を中止させたこと。その時(shí)、自身がつくりたいものがあるから。つまり、ハンドメイドにこだわっているため、機(jī)械による量産に抵抗があった。大手アパレル會(huì)社は量産でもうけようと主張した?！赶嗍证蠈g力のある大手會(huì)社、私は感性と技術(shù)を持ち、力を合わせれば大きな成果が出るはずです。相手とうまく協(xié)調(diào)できれば…」と孫さんは後悔していた。それは人生の挫折の一つ。性格を言えば、基本的に楽観的で人に喜びを與えようとしているのが、欠點(diǎn)も隠せないもの。時(shí)には怒りっぽく人の非を厳しく追い詰め、鋭すぎて、人を傷つけてしまう。情熱的プライドの高い蕓術(shù)家がビジネスで「損」をした體験がある。

失敗しても、めげずに前へ進(jìn)む。仕事に対し、孫さんは反省しながらも、今まで「オーダー」と「ハンドメイド」に執(zhí)著してきた?！缸髌贰梗ㄑ蠓┳鳏辘送讌f(xié)せず、ずっと「最高峰ブランド」を追求し続ける。これから、自身のブランドをもっと日本に浸透させるため、もっと多くの男性におしゃれをさせるため、デザイナーの感性を生かすパターンオーダー（相対的に安いオーダー）の新事業(yè)を展開(kāi)したいという。

孫さんには、すべての取引先の方?お客さんは仲間?友達(dá)のような存在で、互いに仕事の話(huà)でも世間話(huà)でも面白く交わすことができる。お客さんの中には大物俳優(yōu)もいる?！袱蜆敜仙駱敜坤趣瑜预铯欷毪?、私はお客さんに『私の言うことを聞いてください。絶対にいい商品ができる』と言う。お客さんの言う通りにするのではなく、最高のデザインをお客さんに納得させる」、と自己流の仕事ぶりを述べた?！杆饯螑?ài)車(chē)は普通軽自動(dòng)車(chē)、大勢(shì)のお客さんの車(chē)はベンツなど名車(chē)です」と孫さんが大らかに微笑んだ。八潮にあるDIFEI事務(wù)所の店構(gòu)えは一見(jiàn)簡(jiǎn)素だが、中に入ると、數(shù)十著の高級(jí)スーツが輝かしく見(jiàn)える。一流プロの仕事道具が備えられている。

余談だが、孫さんは油絵を描くために、顔料を買(mǎi)うのではなく、いろんな材料を揃えて、自ら顔料を作る。この夏休み中、お酒好きの孫さんは自宅で酒を醸しているという。また、孫さんは多彩な趣味を持ち、園蕓?料理など創(chuàng)作活動(dòng)にも力を入れる。まさに、あれもこれも「ハンドメイド」にこだわる人生である。

■筆者プロフィール：黃 文葦

在日中國(guó)人作家。日中の大學(xué)でマスコミを?qū)煿イ贰I國(guó)のマスコミに従事。十?dāng)?shù)年間マスコミの現(xiàn)場(chǎng)を経験した後、2009年から留學(xué)生教育に攜わる仕事に従事。2015年日本のある學(xué)校法人の理事に就任?，F(xiàn)在、教育?社會(huì)?文化領(lǐng)域の課題を中心に、関連のコラムを執(zhí)筆中。2000年の來(lái)日以降、中國(guó)語(yǔ)と日本語(yǔ)の言語(yǔ)で執(zhí)筆すること及び両國(guó)の「真実」を相手國(guó)に伝えることを模索している。

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