「長(zhǎng)蛇の列に並んで、ようやくあなたへのプレゼントを入手できた。手持無(wú)沙汰なとき、この子とおしゃべりすれば、寂しさを紛らわすことができる。とっても面白いわよ」と親友の女性から劉さん（31歳女性）に誕生日プレゼントとして贈(zèng)られたのはAIスピーカー。このAIスピーカーの対話(huà)機(jī)能に関する親友からの説明を聴きながら、劉さんは興味を感じるのと同時(shí)に、グサッとくるものを感じたという。工人日?qǐng)?bào)が伝えた。

【その他の寫(xiě)真】

中國(guó)民政部が発表した「2018年民政事業(yè)発展統(tǒng)計(jì)公報(bào)」によると、中國(guó)には2億人以上の成人の獨(dú)身者がおり、うち7700萬(wàn)人以上が一人暮らしをしている。この膨大な消費(fèi)層をめぐり、市場(chǎng)には対話(huà)可能なスマート家電やミニカラオケ、一人用ミニ鍋、コンパクトタイプのマンションといった関連商品が出回っており、カスタマイズ化された製品やサービスを獨(dú)身者に提供する消費(fèi)が拡大しつつある。

一方、各メーカーの意欲も高く、新たに誕生したブルーオーシャン（未開(kāi)拓市場(chǎng)）の中で大きく活躍の場(chǎng)を広げようと虎視眈々と狙っている。しかしそれと同時(shí)に、このようにカスタマイズ化されたビジネスの盛り上がりをもってしても、その背後に隠された社會(huì)的なリスクを覆い隠すことは難しくなってきている。

■「おひとりさま」消費(fèi)

これまでは、レストランでの食事や映畫(huà)館での映畫(huà)鑑賞、カラオケ店でのカラオケなどはいずれも、「グループで楽しむ」パターンがほとんどだった。しかし現(xiàn)在は、一人でこれらのことをしても、決して珍しいことではなくなっている?！袱窑趣辘丹蕙欹攻去楗蟆埂ⅰ弗抓互毳邾匹毪瞬搐蓼搿?、「一人旅をする」など、食事?宿泊?外出面での「おひとりさま経済」は、新たなトレンドとなっている。

吉林省長(zhǎng)春市に住む自由業(yè)の祝さん（女性）は、最近、一人旅に夢(mèng)中になっている。楽しい時(shí)、あるいは落ち込んだ時(shí)、思い立ったらすぐに一人で旅に出る。「親しい友人たちは皆、仕事があるので、スケジュールを合わせて一緒に行くことは難しい。気持ちが盛り上がって、その乗りで立てた計(jì)畫(huà)は、簡(jiǎn)単に頓挫してしまう。今は、チケット購(gòu)入、ホテル予約、配車(chē)予約など全てがオンラインで便利にできるし、一人であちこち回るのも非常に楽しい。スマホで旅行情報(bào)を気軽に調(diào)べられるし、疲れたらホテルで一休み、スケジュールは全て自分の思うままで、寂しさもあるが一人の方が自由さを満?jiǎn)摔扦搿工茸￥丹蟆?/p>

外見(jiàn)は電話(huà)ボックスそっくりだが、中にはハイタイプのスツール2腳と選曲用タッチパネルスクリーンがある。このような、せいぜい2人しか入れないミニカラオケが、數(shù)年前から、人気を集めている。各大型商業(yè)施設(shè)やシネコンでは、多くの若い獨(dú)身者がミニカラオケボックスで獨(dú)りカラオケを楽しみ、寂しさを解消している。艾媒諮詢(xún)（iiMedia Research）の統(tǒng)計(jì)データによると、2017年、中國(guó)におけるミニカラオケの市場(chǎng)規(guī)模は35億2000萬(wàn)元（約528億円）に達(dá)し、うち獨(dú)身者による利用は35．6％を占めた。

中國(guó)の鍋レストランチェーン呷哺呷哺が開(kāi)発した一人鍋、微信（WeChat）で予約可能で利用1回ごとに料金が支払える小型自主フィットネス?ボックス、オンライン?オフラインで爆発的に売れている小型家電、大量に登場(chǎng)している各種計(jì)測(cè)アプリ、雨後の筍のごとく出回っている小ぶりで美しさを謳った獨(dú)身用アパート、さらには商品の量を減らしてミニパックで売り出すメーカーまで、獨(dú)身者をターゲットとしたさまざまな商品が世に出ている。現(xiàn)在、さまざまな「おひとりさま消費(fèi)」を狙った商品とサービスが、生活や娯楽の各方面に蔓延し続けている。これまでは、これらは、やや異なるイメージがあり、ややもの悲しさを感じさせるような消費(fèi)パターンであったが、それが「合理的」、「自由自在」といったポジティブなイメージにシフトしている。

■巨大なポテンシャルを持つビジネス

ある調(diào)査會(huì)社の統(tǒng)計(jì)データによると、獨(dú)身者のうち57．69％は、「孤獨(dú)を紛らわすために消費(fèi)を行っている」としており、「孤獨(dú)の解消を目的として消費(fèi)することはない」とした人は15．68％にとどまった。

アリババが発表した「中國(guó)空の巣青年図鑑」によると、獨(dú)身者の多くは、「高給の職業(yè)」に従事しており、これらの人々は、かなり高い消費(fèi)能力を備えているだけではなく、よりオープンな消費(fèi)観を持っており、より大膽な消費(fèi)行動(dòng)をする。

膨大な數(shù)に上る「お金と時(shí)間が有り余っている」獨(dú)身者によって、巨大な市場(chǎng)ニーズがもたらされている。あるSNSメディアが1萬(wàn)人以上の社會(huì)人に対して実施した「孤獨(dú)感」をめぐる調(diào)査によると、獨(dú)身者の75％は、「孤獨(dú)を解消するために毎月最低1000元（約1萬(wàn)5000円）を消費(fèi)する」と答えた。

消費(fèi)市場(chǎng)における「おひとりさま経済」の興隆は、多くのデータからも読み取れる。2017年、フードデリバリー「美団外売」を1億3千萬(wàn)人の獨(dú)身者が利用した。2018年、中國(guó)のオンラインゲーム利用者數(shù)は6億2600萬(wàn)人に達(dá)した。また、さまざまな研究から、ゲームは孤獨(dú)を解消するための重要なツールであり、「おひとりさま消費(fèi)」のうち、ゲームへの投入額は50％を占めている。2019年、獨(dú)身者による「七夕」旅行は、前年同期比48％増加した。

ある専門(mén)家は、「獨(dú)身人口の消費(fèi)は、パーソナライズ化、簡(jiǎn)便化、ハイエンド化、自己充足化、心理的ななぐさめという五大特徴を備えている。今後、可処分所得の向上に伴い、獨(dú)身者群の『おひとりさま消費(fèi)』は、『基本的生活必需品』から、『心の要求を満たすための商品』へのアップグレードを遂げるだろう」と指摘している。

■「孤獨(dú)ゆえに消費(fèi)する」では、真の楽しみは得られない

「おひとりさま経済」が興り、人気を博していることで、市場(chǎng)に新たなビジネスチャンスが生まれた。また、それによって、獨(dú)身者群や獨(dú)身という現(xiàn)象に対して、社會(huì)が新たな認(rèn)識(shí)をもつようになった。

吉林省儒學(xué)研究會(huì)の于天罡副會(huì)長(zhǎng)は、「人類(lèi)には、『群居性』と『社會(huì)性』という特徴があり、この2つの特徴から離れると、ある種の生理的?心理的問(wèn)題が生じる恐れがある。経済社會(huì)発展の実狀から見(jiàn)て、『おひとりさま経済』は客観的に存在しており、注目に値するものであり、効果的に供給されるべきものではあるが、過(guò)度に騒ぎ立てるべきではない」との見(jiàn)方を示した。

社會(huì)學(xué)専門(mén)家の多くは、「『おひとりさま経済』を過(guò)剰に持ち上げると、若者に誤った考え方に誘導(dǎo)してしまう危険性がある」と指摘している。

実のところ、「おひとりさま経済」は、つい最近誕生した経済現(xiàn)象ではない。離婚率の上昇と婚姻率の低下、都市に住みつく若者たち、加速し続ける生活リズム、人間関係を開(kāi)拓?維持するための時(shí)間や精力コストの継続的な高まりなどを受け、ますます多くの人々が「おひとりさま」の常態(tài)化を余儀なくされている。このうち一部の人は、多様化した消費(fèi)行動(dòng)によって孤獨(dú)感を解消するようになり、その気運(yùn)に乗じて「おひとりさま経済」が誕生した。

調(diào)査研究データによると、現(xiàn)在、成人の獨(dú)身者のうち、未婚者は1億4000萬(wàn)人に上るが、そのうち92％の人は、獨(dú)身という狀態(tài)を心から受け入れている訳ではない。

これに対して、ある専門(mén)家は「『おひとりさま経済』は、獨(dú)身であることに気づき、獨(dú)身であることに身を任せたり、さらには獨(dú)身に迎合することではなく、獨(dú)身者群のニーズに的を絞り、商品とサービスを提供することで、彼らの孤獨(dú)感を効果的に解消するという役目を擔(dān)っている。正真正銘の『おひとりさま経済』は、獨(dú)身者がさらに健康になり、さらに豊かな生活を享受するよう後押ししなければならない」との見(jiàn)解を示した。（提供/人民網(wǎng)日本語(yǔ)版?編集/KM）