少しずつ秋らしい天気になってきた臺(tái)灣、9月13日には中華圏の人々にとって大変重要な年中行事である”中秋節(jié)”がやってくる。日本ではハロウィン人気に押されてすっかり忘れられがちな中秋の名月だが、こちら臺(tái)灣では春節(jié)、端午節(jié)と並んで「三大節(jié)日」と呼ばれ、街は中秋節(jié)の贈(zèng)り物を買(mǎi)い求める人々で賑わいを見(jiàn)せる。また3連休になる為、海外旅行に出かける人も多い。

【その他の寫(xiě)真】

他の中華圏の國(guó)々と同じように、月餅などのお菓子を仕事の取引先や大切な人に送る習(xí)慣があり、約ひと月ほど前から中秋節(jié)の商品を扱う広告がよく見(jiàn)られるようになる。デパートの店頭には特設(shè)コーナーが設(shè)けられ、人気の店は前日に行列ができるほどだ。

最近の傾向としては、伝統(tǒng)的なお菓子として知られる月餅も甘さを抑えたものが多く、臺(tái)灣土産として人気のパイナップルケーキは、かつては中にパイナップルではなく冬瓜を入れたものが多かったが、100%臺(tái)灣名産のパイナップルを使用した本格志向のものが増えている。

毎年大人気のハーゲンダッツは、インスタ映えを意識(shí)したカラフルな月餅型アイスを販売している。SNSブームもあり、若者の間では見(jiàn)た目重視の可愛(ài)らしい月餅が話(huà)題を呼んでいるようだ。また、臺(tái)灣に進(jìn)出した日本洋菓子ブランドも中秋節(jié)に向けた商品を展開(kāi)している。臺(tái)灣人セレブの間で大人気のヨックモックは中秋節(jié)限定パッケージで販売。日本でも月やウサギを描いたパッケージや赤や金の色をした煌びやかな箱の商品をデパ地下などで見(jiàn)かけるかもしれない、それは日本に來(lái)る中華圏の旅行客を意識(shí)した作りであるといえる。

その他臺(tái)灣人の間でこの時(shí)期に送られるものとしてあげられるのが柚子（中國(guó)語(yǔ)でヨウズと読み、日本でいう文旦を意味する）だ。甘ずっぱい柚子はこの時(shí)期よく食べられる。この柚子の分厚い皮をアート感覚で切り込みを入れたりしてSNSに載せるのが昨今若者の間で人気となっている。ヘルメットのようにして貓に被せてみたりと、いろいろな楽しみ方がある。

その他にも臺(tái)灣人の中秋節(jié)には一風(fēng)変わった習(xí)慣がある。それはバーベキューだ。中秋節(jié)の晩に家族や友人と集まり、バーベキューをするのが定番となっている。この習(xí)慣は日本の恵方巻きやクリスマスのチキンと同じように、商業(yè)的な由來(lái)がある。焼肉のタレを製造するメーカーが、中秋節(jié)にバーベキューを！とCMで流したところ、それが人気になり、その後「中秋節(jié)＝バーベキュー」という習(xí)慣ができたのだそうだ。毎年中秋節(jié)が近づくとスーパーにはバーベキューセットが並び、中秋節(jié)の晩には至る処から香ばしい焼肉の香りがする。家族や親戚を大切にする臺(tái)灣人らしく、みんなで中秋の名月を祝うのだ。

今年の中秋節(jié)はよい天気に恵まれるそうなので、ぜひ臺(tái)灣の習(xí)慣を真似してバーベキューをしてみてはいかがだろうか。（提供/フライメディア）