1974年9月22日から23日にかけて、広東省の珠江河口一帯を猛烈な臺(tái)風(fēng)が襲った。特に多くの被害が記録されているのが澳門（マカオ）と香港で、マカオでは住人12人に1人が死亡した。同災(zāi)害は、中國(guó)で「甲戌風(fēng)災(zāi)」と呼ばれている。

【その他の寫真】

香港での記録によると、9月22日午前は北西風(fēng)で、蒸し暑かった。正午ごろから気圧は下がり続け、日が暮れてから風(fēng)が強(qiáng)くなった。港灣関係者は臺(tái)風(fēng)の接近を察し、船舶は九龍灣に逃れた。午後10時(shí)には北風(fēng)になり、猛烈な風(fēng)と大雨に見舞われた。

23日午前1時(shí)までに風(fēng)はさらに強(qiáng)くなった。臺(tái)風(fēng)が再接近したのは午前2時(shí)ごろとみられ、香港中環(huán)では最低で971．8ヘクトパスカルを記録した。香港の一部地域では風(fēng)が突然におさまったが、4、5分が経過(guò)してから、今度は北東の猛烈な風(fēng)が吹き始めた。大量の海水が沿岸地區(qū)に流れ込こんだ。気象観測(cè)裝置が破壊されたために風(fēng)速などの記録は殘っていない。午前4時(shí)ごろに風(fēng)は弱まり始め、午前7時(shí)には無(wú)風(fēng)に近い狀態(tài)になった。

臺(tái)風(fēng)は香港南部を橫切った後に、マカオに接近したと考えられている。マカオでは22日夜には蒸し暑く、月も見えたという。しかし、しばらくして激しい雨と強(qiáng)風(fēng)に見舞われた。人々は自宅に戻って、窓をしっかりと閉ざした。海水が隆起して陸地を襲った。帆船1隻が陸地に押し流され、教會(huì)に激突したという。

落雷により火災(zāi)が発生し、マカオで人口が密集する聖安多尼堂區(qū)で燃え広がった。住人は教會(huì)に非難した。臺(tái)風(fēng)がマカオに上陸したのは午前4時(shí)ごろと考えられ、最低で946．5ヘクトパスカルの気圧が記録された。

香港では中國(guó)人が少なくとも2500人、歐州人17人が死亡されたとされる。臺(tái)風(fēng)による高潮により、多くの船が陸地に乗り上げ、建物數(shù)千棟が破壊された。高潮に巻き揉まれて溺死した中國(guó)人は、少なくとも712人いたとされる。強(qiáng)風(fēng)で破壊された建物は1000棟程度とされている。

海上では歐州人の船員が約200人死亡し、遠(yuǎn)洋船十?dāng)?shù)隻が沈沒、數(shù)十隻が座礁または破損された。中國(guó)式漁船は數(shù)百隻から1000隻が沈沒したとされる。

マカオでは、漁船と貨物船の約2000隻が沈沒した。死者は約5000人で、火災(zāi)による焼死者、海に押し流された溺死者、倒壊した建物などによる圧死者がいたという。當(dāng)時(shí)のマカオの人口は約6萬(wàn)人だったので、住人12人に1人が死亡したことになる。

大陸側(cè)で大きな被害が出たのは中山市香山區(qū)、仏山市順徳區(qū)、広州市（地名はいずれも現(xiàn)在のもの）で、香山區(qū)では2萬(wàn)人以上が死亡したとの記録がある。清朝政府が設(shè)置していた稅関の建物も、複數(shù)個(gè)所で倒壊した。大陸側(cè)でも高潮で船が陸地に押し流され建物に大きな被害が出たとの記録がある。

【1874年のその他の出來(lái)事】

?巖倉(cāng)具視、暗殺未遂（1月）

?江藤新平らが佐賀の亂を起こす（2月）

?立教學(xué)校（現(xiàn)、立教大學(xué)）創(chuàng)設(shè)（2月）

?東京府に女子師範(fàn)學(xué)校（現(xiàn)、お茶の水大學(xué)）の設(shè)立を決定（3月）

?臺(tái)灣出兵（5月）

?読売新聞創(chuàng)刊（11月）

?犬吠埼燈臺(tái)が點(diǎn)燈（11月）

■筆者プロフィール：如月隼人

1958年生まれ、東京出身。東京大學(xué)教養(yǎng)學(xué)部基礎(chǔ)科學(xué)科卒。日本では數(shù)學(xué)とその他の科學(xué)分野を勉強(qiáng)し、その後は北京に留學(xué)して民族音楽理論を?qū)煿?。日本に戻ってからは食べるために編集記者を稼業(yè)とするようになり、ついのめりこむ。毎日せっせとインターネットで記事を発表する?！钢袊?guó)の空気」を読者の皆様に感じていただきたいとの想いで、「爆発」、「それっ」などのシリーズ記事を執(zhí)筆。中國(guó)については嫌悪でも惑溺でもなく、「言いたいことを言っておくのが自分にとっても相手にとっても結(jié)局は得」が信條。硬軟取り混ぜて幅広く情報(bào)を発信。

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