●2019アリババグループ年會(huì)

【その他の寫(xiě)真】

以前から引退をほのめかしていたアリババグループ総帥ジャック?マー會(huì)長(zhǎng)、先日のアリババグループ年會(huì)で正式に引退表明。その示唆に満ちたスピーチ內(nèi)容も世界中に屆けられ、多くの人が勇気づけられたと思う。また、アリババ社員に贈(zèng)られた記念のワインボトルにハイテクなARメッセージを添えたことも話題となった。

そして、恒例のコスプレも披露、アリーナの特設(shè)ステージで熱唱するというニュースも流れた。ところが、日本のニュースではその歌に関して誰(shuí)も指摘していないようなので、少し説明したいと思う。

●汪峰の名曲『怒放的生命』を熱唱

ステージのマー會(huì)長(zhǎng)、パンクロッカーみたいないで立ちだが、披露したうちの1曲は中國(guó)ロックの大御所、汪峰のヒット曲『怒放的生命』（2005）。（畫(huà)像1 熱唱するジャック?マー）パンクでもメタルでもなく王道を行く正統(tǒng)派ロックだ。同じく汪峰の『飛得更高』（2004）に続く、人生を切り開(kāi)く希望を歌った元?dú)荬纬訾肭?。スローテンポのAメロから力強(qiáng)いBメロというベタな展開(kāi)という、彼の作品では似たようなテーマの曲が多いのだが、意外と聞き飽きない中毒性がある。

このマー會(huì)長(zhǎng)の熱唱に汪峰本人が中國(guó)のSNSウェイボーでお禮のメッセージを投稿、マー會(huì)長(zhǎng)の未來(lái)にエールを送った。前述のマー會(huì)長(zhǎng)のスピーチ內(nèi)容にあわせ、『怒放的生命』の歌詞を読み解くとまた元?dú)荬蛸Bうこと間違いなしだ。歌詞は百度検索で出てくるのでぜひ參照していただきたいと思う。（畫(huà)像2 汪峰のウェイボーより）

●名作ドラマ『北京青年』（2012）のテーマ曲に

変わりつつある若者の価値観を描いた都市ドラマ『北京青年』（2012）、親の言うことは聞かない、自分で結(jié)婚相手も決めるなど、一人っ子世代の考え方に対し、賛否両論を世間で巻き起こしたドラマだ。出演しているのは今も第一線で活躍している李晨、杜淳ら。公開(kāi)時(shí)すでに彼らもアラフォーだったので「北京中年」ともいえそうだが、當(dāng)代若者気質(zhì)を表現(xiàn)した人気作品であった。

この『北京青年』（2012）のとあるシーンにて『怒放的生命』が劇中曲として効果的な演出をしている。深圳に流れ著いた4人兄弟（いとこ同士）とその彼女たちが暮らすアパートの中庭にて、みんなで創(chuàng)業(yè)に向け『怒放的生命』を合唱するという、歌聲喫茶のようなちょっと暑苦しいシーンだ。名曲故、音楽の方が出演者を食ってしまっているほど印象深い。（畫(huà)像3 『北京青年』にて）また、同じく劇中曲に『勇敢的心』（2007）、そしてエンドクレジットに流れる曲は『存在』（2011）といずれも汪峰の名曲が採(cǎi)用されている。

●坂本龍一＋浜田省吾

日本ではごく一部のマニアのみ知る中國(guó)ロックの世界であるが、汪峰に関して少し紹介しておこう。彼はもともと北京の中央音楽學(xué)院という名門(mén)音大出身、付屬小學(xué)校から入學(xué)、しかもバイオリン科ということでクラシック畑のサラブレッド、國(guó)內(nèi)コンクール2位を獲得するなどクラシック界での將來(lái)を期待された。ところが在學(xué)中に仲間とバンド「鮑家街43號(hào)」を結(jié)成、一瞬クラシック楽団に就職したものの、そのままロックの道へ進(jìn)み、あれよあれよという間にロックレジェンドとなってしまった。學(xué)歴は坂本龍一、ポジションは浜田省吾という日本の大物ミュージシャンをニコイチにしたような人なのだ。私生活では大女優(yōu)章子怡（チャン?ツィイー）と2015年に再婚したことでも知られる。

現(xiàn)在はアルバム制作、ライブといった音楽活動(dòng)とともに、『中國(guó)好聲音』『一起楽隊(duì)吧』といったオーディション番組の審査員を務(wù)めたりと相変わらず忙しそう。（畫(huà)像4 『一起楽隊(duì)吧』より）

數(shù)々のヒット曲に加え、お笑い蕓人のものまねネタにされたりしているので、中國(guó)ではわりと誰(shuí)でも知っているような人物である。また、『我愛(ài)你中國(guó)』が北京オリンピックの応援ソングなったりと、大物になりすぎた感もする。このあたり、ライブ中心の現(xiàn)役ロックミュージシャンにしてみれば、すでに検閲で死んだ中國(guó)ロックが「2度死んだ」と思うかもしれない。しかし、以前こちらのコラムにて紹介した中國(guó)共産黨政府のキャンペーンソング「”中國(guó)夢(mèng)”主題新創(chuàng)作歌曲」には、お聲はかかっていないようだ。いや、彼ほどの大物なら既にオファーはありそうだが、今のところ政府の御用歌手にはまだなっていない。完全に御用歌手になったロックシンガーもいるので、その點(diǎn)ではまだ救いがある。

●汪峰おススメの1曲

キャリアも長(zhǎng)く名曲、ヒット曲の多い汪峰、あえて1曲選ぶとしたら非常に悩む?！汗饷鳌护捍禾炖铩护蛲皮饯Δ瓤激à郡ⅳ护盲胜韦?、ここは前述のドラマ『北京青年』のエンディング曲に採(cǎi)用された『存在』をオススメしたいと思う。ざっくり歌詞は、煩悩、矛盾を抱えながらもそれが人間、前に進(jìn)もう、と勇気づける內(nèi)容である。中文字幕付きのPVは中國(guó)の動(dòng)畫(huà)サイトやYouTubeにあるので、映像とともに汪峰ワールドを味わっていただきたい。（畫(huà)像5 『存在』PVより）中國(guó)ロック入門(mén)にも最適な汪峰なので、ここから中國(guó)ロックのルーツ崔健まで遡るもよし、いまどきのデプレ『葬屍湖（Zuriaake）』まで突っ走るもよし、巨大な中國(guó)ロックの世界に觸れてみてはいかがだろうか。

■筆者プロフィール：巖田宇伯

1963年生まれ。景徳鎮(zhèn)と姉妹都市の愛(ài)知県瀬戸市在住。前職は社內(nèi)SE、IT企畫(huà)、IT基盤(pán)の整備を長(zhǎng)年にわたり擔(dān)當(dāng)。中國(guó)出張中に出會(huì)った抗日ドラマの魅力にハマり、我流の中國(guó)語(yǔ)學(xué)習(xí)の教材として抗日作品をはじめとする中國(guó)ドラマを鑑賞。趣味としてブログを數(shù)年書(shū)き溜めた結(jié)果、出版社の目に留まり『中國(guó)抗日ドラマ読本』を上梓。なぜか日本よりも中國(guó)で話題となり本人も困惑。ブログ、ツイッターで中國(guó)ドラマやその周辺に関する情報(bào)を発信中。

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