魔法の調味料「一滴香」、使用基準を守れば無害―中國食品安全専門家

Record China    2013年7月29日(月) 10時20分

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25日、火鍋を食べ終わったあと、自分の著ている服に「香り」が移ったと感じる中國人は多い。衣類に殘る香りが強ければ強いほど、鍋に投入された調味料「一滴香」に含まれる添加物が多いことを意味している。資料寫真。

2013年7月25日、火鍋を食べ終わったあと、自分の著ている服に「香り」が移ったと感じる中國人は多い。ネット上で広まっている噂や一部メディア報道によると、衣類に殘る香りが強ければ強いほど、鍋に投入された調味料「一滴香」に含まれる添加物が多いことを意味しているという。しかし、多くの食品安全関係専門家は24日、「『一滴香』に含まれる香りづけのための添加物の成分と、食材を調理した時に自然に発生する香り物質とは非常に似通っており、味や香りの濃さだけから火鍋に人體に悪影響を及ぼす添加物がどれだけ含まれているかを論ずるのは、あまりにも獨善的といえる。『一滴香』は決して発ガン性を持つ化工製品ではなく、料理に『一味』を加える香料だ」と口を揃えた。新京報が伝えた。

◆「味?香りの濃さ」だけで添加物について判斷するのはあまりにも獨善的

科學松鼠會のメンバーである食品科學作家の雲無心(ユン?ウーシン)氏は、「味や香りの濃さだけで火鍋に添加物が含まれるかどうかを判斷する方法は全くナンセンスであり、正確な判斷は不可能だ?!阂坏蜗恪护胜嗓蜗悚晏砑游铯纬煞证?、食材を調理した時に自然に発生する香り物質とは、非常に似通っており、味や香りの濃さだけから、火鍋に有害な人工添加物がどれだけ含まれているかを判斷することはできない」と指摘した。

國家食品安全リスク評価センター副研究員を務める鐘凱(ジョン?カイ)博士は、「香辛料をベースにした鍋を作って食べると、丸1日以上、服にも香りが殘っている。また、殘り香の強さは、スープの濃さ、食べていた時間、著用していた服の素材によっても違う。ウールのセーターやダウンジャケットなどは、香りを吸収しやすく、冬に火鍋を食べると、殘り香はいっそう強烈に感じる。服に香りが強く殘った、というのは、かなり主観的な言い方だ」と語った。

科學事業(yè)普及サイト「果殻網」は、「火鍋を食べると、油分を帯びた水蒸気が身體や衣類に付著する。油に含まれる香りの分子が服に付くと、大変揮発しづらい。天然の香りにもこの分子は含まれる。また、服に移った火鍋の香りの強さは、風通しの條件にも大きな関係がある」と指摘した。

◆使用基準通りに「一滴香」を使えば無害

今回、「一滴香」の発ガン性が、各種メディアで取り上げられた。報道によると、この調味料は、化學物質を直接合成した化工製品だという。

食品科學作家の雲無心氏はこれについて、「『一滴香』の主成分は、メイラード反応(食品に含まれるタンパク質やアミノ酸と糖が化學的に作用して褐色物質を作る反応)によって生じた物質だ。メイラード反応は、食品化學における基本反応のひとつであり、生じた物質は非常に複雑な混合物で、構成成分は數百種類に上ることもあるが、通常は無害である。メイラード反応による産物は、特別な香気を放つ場合が多く、例えば焼き肉の香りはこのメイラード反応によって生じる。従って、技術的には、無害でありながら調味料として優(yōu)れた香りを作ることができる」と語った。

これまで、「一滴香」をめぐり、さまざまな議論が交わされてきた。有毒の化工原料という意見の多い「一滴香」は2011年、衛(wèi)生部から「お墨付き」を與えられた。衛(wèi)生部は、審査の結果、「一滴香」「火鍋漂香剤」などは全て、食品香料の部類に屬し、使用が許可された添加剤を用いており、生産基準も設けられた正當なものだという評価を下した。使用基準に則して使えば、人體には安全?無害で、広く使用されている中華風だしの素「鶏精」と大きな違いはないという。(提供/人民網日本語版?翻訳/KM?編集/武藤)

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