Record China 2019年10月10日(木) 16時50分
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中國メディアの環(huán)球時報は10日、「ノーベル賞にますます多くの疑問」と題する記事を掲載した。寫真はノーベル博物館。
中國メディアの環(huán)球時報は10日、「ノーベル賞にますます多くの疑問」と題する記事を掲載した。著者は中國発展戦略學(xué)研究會副理事長で北京交通大學(xué)教授の王元豊(ワン?ユエンフォン)氏。
王氏は冒頭、「またノーベル賞発表の時がやってきた。世界中のメディアと社會の視線が、この科學(xué)の分野において最高の賞を受賞する人へと向けられる」とする一方、「120年近く続いてきた賞だが、近年はますます多くの疑問の聲が上がるようになっている」と指摘し、4つの問題點を挙げた。
まず、「一部の選出結(jié)果は人々が納得できるものではない」ことを指摘。「受賞者は必ずしもその分野で最も重要な貢獻をした人物ではない。一方で、非常に重要な成果を殘した科學(xué)者や経済學(xué)者、作家らは受賞できない。こうした狀況は枚挙にいとまがない」とし、例として米國のウイルス科學(xué)者であるロバート?ギャロ氏を挙げ、「HIVの研究に重要な貢獻をしたにもかかわらず、2008年のノーベル生理學(xué)?醫(yī)學(xué)賞は受賞できなかった」と伝えた。
2つ目は、「科學(xué)における発見を重視し、科學(xué)技術(shù)による発明を軽視している」こととした。同氏は「ノーベル賞はもともと『人類への多大な貢獻をした人』に贈られるものだった。しかし、関係する賞において科學(xué)の発見と関連研究の成果が77%で、技術(shù)的な発明はわずか23%だ。実際は、産業(yè)革命以降、技術(shù)的な発明の人類への影響はより大きい?,F(xiàn)代においてはなおさらそうだ」と指摘した。
3つ目は、「評価されるのは10年や20年、あるいは50年前の成果であり、科學(xué)の進歩への影響は限定的である」とした。同氏は、ロシア系米國人の経済學(xué)者であるレオニード?ハーヴィッツ氏を挙げ、「1960年代にメカニズムデザイン理論の基礎(chǔ)を確立したとして、2007年にノーベル経済學(xué)賞を受賞した。受賞を知った彼は、『自分の時代はもう過ぎたと思っていた。ノーベル賞を受賞するにしては、私は年を取り過ぎた』と語っていた」と紹介した。
4つ目は、「ノーベル賞の最大の受益者が、科學(xué)や技術(shù)そのものではなく、受賞者になっている」ことだとし、「これが最も重要なポイントだ」と指摘した。同氏は「ノーベル賞が受賞者にもたらす巨大な栄譽や権力、利益は、本人がコントロールすることが難しいものである」とし、ノーベル賞によって身を亡ぼした受賞者らが「ノーベル賞シンドローム」と呼ばれているとした。
では、ノーベル賞はなくした方が良いのか。同氏は、「それは単なる感情の発散であり、真の問題ではない」とし、「科學(xué)者への社會の注目度は、蕓能人やスポーツ選手、金融分野の著名人らへの注目度ほど高くないのが現(xiàn)狀だ。ノーベル賞は社會に対して科學(xué)技術(shù)への関心を呼び起こすという點で、非常にポジティブな作用を持っている。そのため、なくすというのではなく、さらに権威性を高め、人々を納得させるために、どのように改善していくかを建設(shè)的に議論すべきだ」と論じた。
その上で、改善策として「世界の科學(xué)者や専門家らによって受賞者を決定することで偏った選考を是正」「『ノーベル技術(shù)発明賞』を創(chuàng)設(shè)し、発見重視を是正」「『ノーベル賞シンドローム』にならないよう(受賞後の)落ち著いた研究環(huán)境の確保と、ノーベル賞やその受賞者を理性的に見るよう社會を正しくリードすること」の3つを挙げている。(翻訳?編集/北田)
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