國際オリンピック委員會(huì)（IOC）が暑さ対策を理由に東京五輪のマラソン、競歩のコースを札幌に移す案を発表した。長い間準(zhǔn)備してきた関係者には反発や戸惑いがあるだろうが優(yōu)先すべきは選手の健康と観客の安全であり、妥當(dāng)な「次善の策」だと思う。

中東カタールのドーハで9月末から開かれた世界選手権大會(huì)では、マラソンと競歩は深夜開催になったにもかかわらず、途中でレースを棄権する選手が相次いだ。女子マラソンでは約4割が途中でギブアップしたという。IOC幹部がこれに危機(jī)感を抱き、「東京五輪が棄権者が続出した大會(huì)として記憶に殘ってほしくない」と述べたのは十分理解できる。持久力の限界に挑むマラソンと競歩は最悪の場合、生命の危険さえある。

9月には東京のマラソンコースで代表選考會(huì)が行われ、選手も暑さ対策に取り組んできた。今から札幌に移すとなれば、コース設(shè)定やチケットの払い戻し、警備、宿泊など運(yùn)営面でも一からの調(diào)整が必要となる。オムロンも各種スポーツ大會(huì)を主催や協(xié)賛してきたので、開催地変更に伴う大會(huì)関係者のご苦労はよくわかるが、東京開催の懸念が拭い去れない以上、札幌への変更はやむを得ないと考える。9月開催の東京パラリンピックのマラソン競技も再考が必要かもしれない。

巨額の放送権料に支えられる五輪は、歐米のプロスポーツ中継に配慮して日程を組んでいるようだが、夏季五輪の時(shí)期を7、8月とする現(xiàn)在のやり方は地球溫暖化が進(jìn)行する中で、限界にきていると思う。突如浮かび上がった東京五輪の今回の出來事を教訓(xùn)に、持続可能な五輪像を探るべきだろう。

東京オリンピックは當(dāng)初東京都內(nèi)での「コンパクト五輪」を標(biāo)榜したが、開催會(huì)場が首都圏だけでなく千葉、神奈川、埼玉、福島、靜岡など多くの県に分散して開催されることになっている。これが北海道に拡大される。ラグビーやサッカーのワールドカップと同様、「オールジャパン」で取り組みたい。

＜羅針盤篇46＞

■筆者プロフィール：立石信雄

1959年立石電機(jī)販売に入社。1965年立石電機(jī)（現(xiàn)オムロン株式會(huì)社）取締役。1995年代表取締役會(huì)長。2003年相談役。 日本経団連?國際労働委員長、海外事業(yè)活動(dòng)関連協(xié)議會(huì)(CBCC)會(huì)長など歴任?！弗蕙庭弗幞螗趣?a target='_blank' href='http://www.wenhuatang.com/search.php?filter=ノーベル賞'>ノーベル賞」といわれるSAM（Society for Advancement of Management）『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名譽(yù)文化博士。中國?北京大、南開大、上海交通大、復(fù)旦大などの顧問教授や顧問を務(wù)めている。SAM（日本経営近代化協(xié)會(huì)）名譽(yù)會(huì)長。エッセイスト。