2013年9月5日、張（ジャン）さんの子どもは今年の夏休み、スマートフォン（多機(jī)能攜帯電話）向けゲーム「ミリオンアーサー」に夢中になった。張さんは「日本では17歳以上でなければこのゲームを楽しむことはできないのに、中國では年齢制限がないとは」と憤る。中國経済網(wǎng)が伝えた。

▽好調(diào)なスマホゲーム、人気はミリオンアーサー

今年のA株市場ではスマホゲーム関連銘柄が好調(diào)で、多くの銘柄で株価が何倍にもふくれあがった。あるゲームが一月で1000萬元（約1億6000萬円）の収益を挙げたとか、一日で100萬元（1600萬円）の収益を挙げたとかいった話題が次々に聞こえてくる。最近のスマホゲーム市場で最も人気があるのは、日本のゲーム會社が開発し、中國の盛大遊戯有限公司が代理販売を引き受けるミリオンアーサーだ。盛大によると、8月下旬にミリオンアーサーの水著イベントを行い、ビキニスタイルのカードを集めて、全國から大勢のプレイヤーを呼び込んだ。イベント終了からほどない9月1日から14日にかけては、學(xué)校で新學(xué)期が始まるのに合わせた告白イベントが行わていれる。ミリオンアーサーの爆発的なファンの波が大きな収益をもたらし、公表された資料によると、8月初めの2週間だけで、3000萬元（約4億9000萬円）の収益を挙げたという。

ゲーム関連の資料によると、イベント開催期間には「教室」、「女子寮」、「自習(xí)室」、「図書館」など學(xué)校のいろいろな場所がゲームの背景になった。プレイヤーには「時間內(nèi)に女神に告白しよう」といったメッセージが送られ、一連の「生徒カード」が登場するなどして、かわいらしく魅力的な女生徒のイメージが振りまかれた。

あるプレイヤーの話によると、ミリオンアーサーの課金方法はさまざまで、探索（行動コスト）や戦闘（戦闘コスト）だけで一日に數(shù)百元（數(shù)千円）使うこともザラだ。一番人気は美女のカードを集めることで、抽選1回につき約10元（約160円）かかる。プレイヤーが集まるサイトでは、レベルの高い好カードを引くにはどうしたらよいかという話題が最もよく語られるという。

▽未成年に根付きつつあるスマホゲーム

スマホゲームに集まるプレイヤーの多くは未成年だ。上海三友の楊培友（ヤン?ペイヨウ）董事長（會長）によると、スマホゲームの成人プレイヤーの場合、ゲームを保存してから入金する率は5％以下が普通だが、未成年の場合は10％以上だ。成人プレイヤーの入金額は1000元（約1萬6000円）を下回り、1000元以上や1萬元（約16萬円）以上の高額入金者では未成年がほとんどを占めるという。

培董事長は未成年の割合が高い原因について、未成年は成人より自制力が弱いこと。國民の生活レベルが向上したため、子どもの小遣いがどんどん増えていること。未成年は同級生間の伝播力が強(qiáng)く、一人でプレーしていたのが複數(shù)でプレーするようになり、やがて學(xué)校中を巻き込むこともあることなどを挙げる。9月に新學(xué)期が始まると、スマホゲーム市場の収益が再び記録を更新したという。

▽日本のゲーム會社、年齢制限つきゲームを中國に投入

中國はゲーム消費(fèi)大國だが、ゲーム制作大國ではない。世界の有名なゲーム開発メーカーは米國や日本などに集中している。それでは日米のようなゲーム大國は未成年者がゲームに夢中になるのを放任しているだろうか。

上海市の成人向け玩具會社の會長を務(wù)め、日本に長年滯在して日本の成人文化を研究してきた朱唯?！。ē弗濂?ウェイシー）さんによると、日本は表面的にはエロスが解禁されており、エロスを楽しむ合法的な場所がたくさんあり、アダルトビデオ産業(yè)やアダルトゲーム産業(yè)が発達(dá)しているが、実際には非常に厳格かつ詳細(xì)な管理を受けており、未成年の心身の健全な発展が全面的に保護(hù)されている。どの年齢層を?qū)澫螭摔筏可唐筏浅￥嗣鞔_に線引きされており、ゲームメーカー、チャンネルベンダー、端末メーカーまで、年齢制限に違反して商品を販売しようとすれば、法律の厳しい裁きを受けることになる。

日本では十?dāng)?shù)年前にコンピューターエンターテインメントレーティング機(jī)構(gòu)（CERO）が発足し、ゲーム商品を厳格に區(qū)分し、ABCDZの5つの年齢區(qū)分を設(shè)けた。Aはすべての年齢が対象で、Bは12歳以上、Cは15歳以上、Dは17歳以上、Zは18歳以上が対象だ。パッケージにもゲーム本體にも、目立つ場所に年齢區(qū)分を明示するようにしている。

日本のゲームサイトの資料によると、拡散性ミリオンアーサーは日本でDレベルとされており、17歳以上でなければプレーできない。だが中國のミリオンアーサーを隅から隅まで探したが、日本ではDレベルで17歳以上しかプレーできないことを伝える表示は見つからなかった。

朱さんによると、一連の戦闘?殺戮をテーマとしたゲームがBレベルやCレベルなのに、青春時代の少女がテーマのミリオンアーサーがDレベルとされたことから、このゲームが低年齢層の心身に與える害を日本の當(dāng)局が十分に予見していることがわかるという。

▽悪質(zhì)なゲームは未成年の犯罪を誘発

ある日本文化企業(yè)で法律顧問を務(wù)める朱臣（ジュウ?チェン）弁護(hù)士によると、日本ではかねてよりゲームの影響を受けた未成年の犯罪が多発している。未成年がゲームの場面を気軽に真似したり、模倣したりして、一連の社會問題を引き起こしている。そこで日本の當(dāng)局はアダルトゲームに強(qiáng)い警戒感を抱くようになった。中國ではゲームの年齢區(qū)分について長年議論が行われてきたが、いまだに結(jié)論が出ておらず、実生活の中では悪質(zhì)なゲームが未成年の心身に與える悪影響が確かに存在するといえる。

上海漢路弁護(hù)士事務(wù)所のパートナーの沈麗（シェン?リー）弁護(hù)士によると、2013年に試行された「未成年者保護(hù)法」第34條には、未成年の心身の健康の権利に対する保護(hù)條項(xiàng)が明記され、いかなる機(jī)関や個人もわいせつ、暴力、殺戮、ホラー、ギャンブルといった未成年者を害する書籍、雑誌、音響映像製品、電子出版物、ネットワーク情報などを制作したり、未成年者に販売?貸出したり、その他の方法で伝えたりしてはならないとされる。あるスマホゲームが青少年の心身の健康にとって有害と確定されれば、しかるべき制裁を受けることになる。

沈弁護(hù)士の説明によると、米國のアップル社は未成年保護(hù)への対応措置がほぼ完璧で、ソフトウエア販売サイトのアップルストアでは、ソフトをダウンロードし料金を支払う段階で相応の身分提示を求めており、適切な年齢であることを確認(rèn)できなければダウンロードができないようになっている。中國國內(nèi)のメーカーはこうした點(diǎn)でまだ「空白狀態(tài)」にある。（提供/人民網(wǎng)日本語版?翻訳/KS?編集/武藤）