<コラム>中國(guó)の音楽教育事情

茶妹小丸子    2019年12月11日(水) 23時(shí)20分

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北京に滯在中にあるバイオリン工房を訪ねてみました。

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今回北京に滯在中にあるバイオリン工房を訪ねてみました。

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それは私自身が幼少からバイオリンを習(xí)い、現(xiàn)在も大人のアマチュアオーケストラでバイオリンを演奏しているのもあるし、ある程度の年齢になってから音楽に対して段々と少しずつ理解ができるようになり、良い師匠と出會(huì)い、師匠の紹介で私も自分の楽器のメンテの為にバイオリン工房に出入りしているから、中國(guó)にもバイオリン工房があると知り、行って見たくなったからだ。

今回私が訪ねたバイオリン工房は本店は東京にあり、現(xiàn)在臺(tái)灣やハワイにも進(jìn)出しています。

ソーシャル?ネットワークのフェイスブックではこの工房の様子の投稿をいつも見ていてとても興味深かったのと自分が三十年近く趣味ですがバイオリンをやっていて、現(xiàn)在アマチュアオーケストラで演奏していることもあって、北京に行ったらこの工房を見てみたくなり、友人と共に行ってみました。

この工房の側(cè)には北京でも有名で名門の音楽學(xué)院があります。この音楽學(xué)院は將來の演奏家の卵達(dá)が通う名門音楽學(xué)校です。

私と友人が訪ねた時(shí)にたまたまバイオリンを修理しに來ていた親子がいました。女の子ですが如何にももうバリバリ弾けそうな感じの子でした。

そして、その親子が帰った後に私はこの工房の責(zé)任者のY氏と色々話をしました。Y氏も當(dāng)然バイオリンを弾けます。そもそも弾けないと工房では働けません。特に音の違いを聞き分けるのにバイオリンが弾けないと職人にアドバイスもできませんから。

私はY氏に最近の中國(guó)の音楽教育のことや演奏家の卵達(dá)のレベルなどを聞いてみました。

「最近の中國(guó)の演奏家の卵達(dá)のレベルは以前に比べたら相當(dāng)高いのではないですか?」と。そうしたらY氏は「確かに演奏技術(shù)は格段に良くなったが、ただそれだけだ。彼らは一日に多い人は10數(shù)時(shí)間近く練習(xí)するんだからね。それは上手になるよ。だけど表現(xiàn)の面ではまだまだ、そして、中國(guó)の音楽教師のレベルもまだまだ低いんだよ」と言ってました。

私は「自分も數(shù)十年趣味とは言えバイオリンを弾いているが、バイオリンの演奏面や特に表現(xiàn)を理解できるようになったのは本當(dāng)にこの十?dāng)?shù)年のこと、小學(xué)生や中學(xué)生の時(shí)は表現(xiàn)がどうとかなんて考えたこともなかったが、大人になるにつれ段々と理解できるようになってきた気がするんです。だから楽器の演奏は人生の経験と比例していると思うんですが、どう思いますか?」と話すとY氏は「そのとおりですよ。確かに彼らは毎日何時(shí)間も練習(xí)しているから上手にはなる、しかし、先程の親子で來ていたあの娘さんは自分の身の回りのことも全部親がやってるんだよ。それじゃだめなんだよ。楽器を弾く人間も自分でできることは自分でやって、そして、色々な世界を見て、色々経験しなきゃだめなんだよ」と言ってました。

中國(guó)の音楽教育も日本同様に練習(xí)ばかりさせるし、先生の考えを押し付ける傾向にあるそうです。

そして、最近の若い奏者はテクニックは優(yōu)れているがなにせ人生経験が少ないもんだから表現(xiàn)の面ではまだまだ不十分。例えば戀愛もしたことない10代の若者がベートーベンのロマンスを弾いてもちっともロマンスにならない。中國(guó)の若い奏者もこうした感じらしい。

ここの責(zé)任者のY氏から中國(guó)の音楽教育事情を聞いて私は、あー、やっぱり社會(huì)主義的教育だ!と感じた。音楽は特にソリストは表現(xiàn)力が求められるし、ある程度の音楽理論さえ理解すれば自由な表現(xiàn)で演奏するのが音楽だ。そうした自由な表現(xiàn)と言う點(diǎn)で中國(guó)の教育の弊害なのか?まだなにかに束縛された様な感じも受けた。

中國(guó)出身の今や世界的ピアニストのユンディー?リーとランランがいるが、特にユンディー?リーなどは海外で音楽教育を受けたことがないのにショパンコンクールで優(yōu)勝した稀なケースだ。ランランも世界的コンクールには私の記憶するところ出たことがない。聞いたことがあるのは以前日本の仙臺(tái)で開催されたチャイコフスキーコンクールで優(yōu)勝したくらいだ。でも、これはあのロシアで開かれるチャイコフスキーコンクールとは格も違う。

が、この二人はあっという間に世界で認(rèn)められ、コンクールに優(yōu)勝した後などは結(jié)局中國(guó)を飛び出し、海外に在住し拠點(diǎn)を置いて世界で活躍している。

彼らはもし中國(guó)にとどまり演奏をしていたら中國(guó)的音楽教育の環(huán)境のまま世界の檜舞臺(tái)に立つチャンスはないか、巡って來ても僅かなチャンスしか得られなかったかもしれない。

中國(guó)人で世界的な印象に殘る演奏家がこれから生まれる為には、外の世界をもっともっと見なければ聴衆(zhòng)や世界の音楽業(yè)界から認(rèn)められるソリストにはなれないだろう。もし、中國(guó)の音楽教育に外の風(fēng)を入れたらきっと世界が認(rèn)める音楽家が誕生するに違いない。中國(guó)人の感性だってそう捨てたもんじゃないのだから。

と私はこの工房の帰り道にこんな事を考えながら歩いていた。

■筆者プロフィール:茶妹小丸子

1967年生まれ。千葉県出身。中國(guó)浙江省杭州大學(xué)(現(xiàn)浙江大學(xué))漢語(yǔ)進(jìn)修コースに1年留學(xué)。広西チワン族自治區(qū)外貿(mào)公司駐日本代表事務(wù)所に5年の勤務(wù)、上海に4年間駐在した経験を持つ。バリバリのキャリアウーマンでもない、半分パートタイムで半分専業(yè)主婦が30年間自分の目で見て聞いた事を日本の皆さんに紹介できたら!と思っている。

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