2013年9月5日、イタリア現(xiàn)地時間9月1日、ベネチアで現(xiàn)在上映中の作品「風立ちぬ」を最後に、宮崎駿監(jiān)督（72歳）の引退が発表された。このニュースを聞いた映畫ファンからは惜しむ聲が上がっている。宮崎駿監(jiān)督は、世界的に著名なアニメの巨匠であり、その作品の蕓術(shù)性は日本の民族的な伝統(tǒng)文化と現(xiàn)代文明が絶妙に融合しており、ストーリーは美しい情感、希望や人間性を描きだし、世界中のアニメファンから賞賛されている。中國新聞社が伝えた。

■獨特な主題表現(xiàn)と人物描寫

宮崎駿監(jiān)督の作品はお決まりのパターンで、困難な中での努力や不屈の闘志がテーマとして描かれているようにみえるが、宮崎作品の獨特なところはすべての作品が描かれているストーリーの次元にとどまらず、夢、生きること、成長など深く考えさせられるなにかが含まれているところにある。

日本のほかの有名監(jiān)督と比較すると、宮崎作品の最も顕著な特徴はさまざまな「精霊」のキャラクターだ。これらのキャラクターが一緒になって宮崎アニメの大きな特徴となっている?！妇憽攻悭楗咯`たちは人類と大自然のつながりであり、寡黙で、孤獨で、センチメンタルな感じが畫面を通して伝わってくる。たとえば「となりのトトロ」における「まっくろくろすけ」、「もののけ姫」の「木霊」は、臆病でいくじがなくびくびくしながら人に群がり、靜かに欲望に満ちた現(xiàn)実世界を見つめるのだ。

実際、アジア諸國の多くの伝統(tǒng)文化には自然の精霊を崇拝し、萬物の調(diào)和を追求する価値観が存在している。だが、現(xiàn)代文明が力を持つにつれ、こうした価値観を持つ人々も次第に現(xiàn)実に同化していった。宮崎監(jiān)督はもしかしたら、こころから「自然」を信奉する最後のアニメ監(jiān)督だったのかもしれない。こうした自然な発露の生きとし生けるものへの「平等な尊敬」が、宮崎作品全體の美しいフレームワークを構(gòu)築し、異なる國や民族をも強くひきつけたのかもしれない。

獨特な主題の表現(xiàn)以外に、宮崎アニメのキャラクターは米國式のスーパーヒーローではなく、どこにでもいるような普通の少年少女だ。こうした「普通のキャラクター」は性格が善良で単純、心がきれいで、多くの人の共感を引き出しやすい?！?a target='_blank' href='http://www.wenhuatang.com/search.php?filter=天空の城ラピュタ'>天空の城ラピュタ」の「シータ」や「となりのトトロ」にでてくる「メイ」と「サツキ」、「千と千尋の神隠し」の「千尋」などがこれにあたる。

■日本の伝統(tǒng)と現(xiàn)代が融合した宮崎作品

宮崎監(jiān)督がこのような成功を収められたのは、獨特な蕓術(shù)性による所が大きいだろう。彼の作品には、グローバルな精神性があふれているだけでなく、獨自の東洋的な視點が備わっている。もしかしたら、日本の伝統(tǒng)と現(xiàn)代文化が共存していることに影響されているのかもしれないが、宮崎作品のテーマの由來はバラエティーに富み、アニメキャラクターの設(shè)定も非常にこまやかだ。

宮崎アニメが表現(xiàn)する日本の「民族化」を美化している傾向を指摘する人がいる。確かに、彼は非常に日本の伝統(tǒng)的な民族モチーフのアニメカラーを使うことに長けている。ストーリー転換を通して、主人公の心理を表現(xiàn)する。たとえば、「千と千尋の神隠し」では千とほかの女の子が働くときに著ているのは赤い伝統(tǒng)的な民族衣裝で、侍女たちも和服を著ており、観衆(zhòng)はストーリーの中に出てくる服裝の色彩やシーン、小道具に日本の民俗や民族文化の特徴をはっきりと見出すだろう。

宮崎作品はアジア人の靜かな生活にある美しい瞬間を正確にとらえ続けてきた?！袱趣胜辘违去去怼工违攻醛`リーの背景には大自然の息吹にあふれた日本の田舎の風景が描かれている。みずみずしい青い空、そこが見通せるほど透き通った小川、その美しさは人々が理想に描くこの世のものとは思えない桃源郷だ。しかも「トトロ」のストーリーが見る人の心に親しみを感じさせるのは、子どものころに必ず経験したことだからだ。宮崎監(jiān)督はこうしたおぼろげな記憶を「トトロ」と出合うものがたりとすることで、詩のような言葉、情景で生き生きとした夢のような精神世界を描き出した。

宮崎アニメには、民族と多様な文化の融合が満ちている。作品によく出てくる島國の地形、樹木が生い茂る山々、様式がはっきりしている木造建築などは、すべて日本的なものだ。

まねできないといわれる宮崎アニメの造形美の理由には、作品に出てくる建築の多くが純粋な日本風ではないことがあるだろう。作品に出てくる建築物の多くは純粋な日本風の建築物ではない?！盖Г惹い紊耠Lし」に出てくる湯屋、「ハウルの動く城」で描かれた城もほとんどが日本特有の民族文化と世界の著名な建築物が融合した産物だ。

宮崎駿監(jiān)督はイタリア文化をこよなく愛していて、若いころには何度もヨーロッパを訪れ、興味を感じた現(xiàn)地の建築物をデッサンして記録していたものが素材になっているといわれている。

自然を崇拝しているといえども、現(xiàn)代文明の美しさも宮崎作品には不可欠の要素だ?！盖Г惹い紊耠Lし」で描かれる美しく幻想的な列車は現(xiàn)実に、実際存在するものだ。

また、宮崎アニメは日本だけをストーリーの背景にしているのではない。物語自體やストーリーの中に描かれている民俗や習慣はよくどこの國や民族を描いているのかわからないことがある。もしかしたら宮崎監(jiān)督の多元的な審美眼を表現(xiàn)したものなのかもしれない。

■真善美に対する発揚

宮崎監(jiān)督には多くのファンがついているがその大きな原因の一つは彼が作品一つ一つに「真善美」を発揚していることにあるだろう。宮崎作品に中の世界は非常に単純だ。キャラクターからみると、最も重要なことは「金や名譽ではなく、真摯に愛に生きる人」だ。もしくは宮崎作品の審美眼が求めるのは「愛だけ」で、アニメ作品に描かれている背景の環(huán)境から民族の習慣までもが終始美を展開しているシーンになっている。だが、彼が追求しているより大きなものは心の中の「真」と「美」で、作品に描かれる醜い老婆、巫女はその善良さによって美しく見え、男裝した村娘には素樸な美しさが宿っている。

宮崎アニメ成功の理由は多面的で、精緻なアニメカラー、広範なテーマ、美しく思いがけない著想、そして作者は巧妙なやり方で作品に文化精神への反省、婉曲的に美しく幻想的なシーンを観客に提供する。

宮崎作品はアニメ映畫に対する狹隘な認識を変革し、アニメ映畫という特性を十分に生かして不思議な創(chuàng)造空間を生み出した。そして同時に作品に深い思想テーマを與えた。これは彼の作品に鑑賞だけでなく、人間的な深みも備えさせた。新世紀の中國のアニメ関係者は、宮崎監(jiān)督から學び、インスピレーションを得ることもできるだろう。（提供/人民網(wǎng)日本語版?翻訳/EW?編集/武藤）